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禁術で呼んだ“理想の相手”は、人型魔獣の執着愛でした  作者: ChaCha


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お風呂と、知らないドキドキ

エレノアがお風呂から出てきたのは、

ゆるく上気した頬と、

少し湿った髪が揺れるタイミングだった。


その瞬間、

ルベルの魔力がほんの一瞬――揺れた。


(……エレノアの……

魔力、いつもより……柔らかい……)


お風呂上がりの魔力は、

普段よりゆるく、温かく、

ふわりと空気に溶ける。


それが、

ルベルにとっては刺激が強すぎた。


呼吸を整えて、

そっと視線をそらす。


「……つぎ……俺、入る」


「ど、どうぞ……!」


エレノアは気づかない。

自分の魔力が“お風呂上がり仕様”で

余計に刺激的になっていることを。


ルベルはすれ違う瞬間、

わずかに距離を取った。


取ったのに、

心臓が跳ねた。


(……こんなに……

あたたかい匂い……だったっけ……)


バスルームに入ると、

エレノアがさっきまでいた空気が残っていた。


温度も、湿度も、

魔力の残り香も。


胸が熱くなる。


「……っ」


タオルを握る手に力が入る。


(落ち着け……

落ち着け……)


お湯に浸かった瞬間、

体がふっとほどけた。


でも、

胸の熱だけは消えなかった。


(エレノア……

エレノア……)


名前を呼ぶだけで、

魔力の線が揺れるような錯覚がした。


今日の中で――

一番危うい夜だった。


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