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2ー34【アーゼルの都・到着】



◇アーゼルの都・到着◇ミオ視点


 あれから二日が経っていた。

 【アルテア】にいるミーティアたちと【AROSSA(アロッサ)】で密に連携を取りつつ、俺はセリスとゼクスさんを連れ、歩きで帝国中央にある、【アーゼルの都】を目指していた。


 なぜ歩きかって?

 それはだな……


「どうだ、ゼクスさん」


「悪いミオ、まだ全然駄目そうだ……」


 俺の肩を借りながら歩くゼクスさん。

 撃たれた弾丸は取り出したし、怪我も完治している。

 しかし、このようにまともに動けていないんだ。


 理由も判明している。


「魔力酔いと【魔力超過使用(オーバードマジック)】の負荷による酩酊感(めいていかん)。俺の【転移(てんい)】で吐いちまうくらいだから、よっぽどだ」


 一度、【転移(てんい)】を試してみた。が、敢え無く失敗。

 ゼクスさんはオロロロ……とリバースしてしまい、それすらも回復しない状況だったんだ。だから歩き。


「平気?ゼクス」


 セリスも心配そうに様子を見てくる。

 先行して歩いてくれているのだが、何度もこちらを(うかが)っていた。


「は、はは……平気ですよ、殿下。本当なら、ミオの【転移(てんい)】で一瞬で帰れるのに……情けないったらありゃしない。だから、せめて自分で歩き……ます」


「無理すんなって。もうすぐ【アーゼルの都】だ、そこで数日休憩してたら、きっと良くなるさ」


 今回、【アーゼルの都】には行こうと思っていたんだし丁度いい。


「見えてきたわ、あれが【アーゼルの都】。帝国の中心部で、堅牢な城壁と守備に徹した戦略に定評のある都よ。工芸品や美術品、交易も盛んで、【アルテア】の商品も運ばれているわね」


「そうらしいな。なんだったか……あの民族衣装みたいな」


「【パルサメ】ね、春雨じゃないわよ?」


 おっと、調子が少し戻ったようだなセリス。


「……さ、行こうか」


「……」


 あえてスルーをしてみると、セリスは耳を真っ赤にして下を向いていた。

 確かにあまりダジャレやギャグを言うタイプじゃないけどな。

 ゼクスさん、あんたは反応してやれよ。余裕ないかもしれないけどさ。


「ん……検問だな」


「も、勿論あるわよ」


 気を取り直して、見えてきた【アーゼルの都】の門を確認。

 ここからは、万が一に備えなければならない。


「セリス、ちょっとこっちに」


「え、なに?」


 検問側から見られない内に、大きな岩場の影へ。


「ここならいいな」


「なんなの?」


 ゼクスさんを大岩に背を預けさせ、俺はセリスに言う。


「もし、帝都からセリスの情報が出回っていた場合の事を考えたら、その姿のままじゃ駄目だろ?」


「……確かにそうね。ドレスのまま来ちゃったし、しかもボロボロだし」


 綺麗なお御足あざす。

 と、冗談も心の中で終わらせておき。


「そ。だから万が一、バレないように……セリス、お前に【無限永劫(むげん)】をかける。異世界板……整形手術だ!」


「……は?」


 その間抜けを見るような視線止めてくれよ、こっちは割と真剣に口にしたんだからさぁ。


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