2ー29【神の選択ミス4】
◇神の選択ミス4◇ミーティア視点
帝国皇帝と女王国大臣が秘密裏で繋がっていた。
そう考えれば、精霊の情報を知っていても不思議ではない。
でも、その可能性は極めて低い。
「でも、問題はどうやって……」
「そうです。アリベルディ・ライグザールは、常に女王国、もしくは北の地にいたらしいではないですか、ライネ」
情報の共有は難しい。
そう言いたそうに、エリアルレーネ様はライネに説明を求めた。
「はい、エリアルレーネ様。可能性としては、【ルーマ】があります。帝国にも、超遠方通信が可能な巨大【ルーマ】が存在しますが……ですが、皇帝陛下は、大の【ルーマ】嫌いで有名です」
「え」
あ〜そう言えば、セリスとミオが話していたっけ。
皇帝は【ルーマ】が嫌いで、セリスからの報告も聞かないから、だからセリスは定期的に帝都に帰っているって。
でもそう考えれば、定期的に帰ってくるセリスに気付かれずに、今回の騒動の準備を重ねていた、そういう事になるわね。恐ろしいわ。
「ですので、帝国では【ルーマ】を場内に置くことすらもままならない状況でした」
「そうだな。【ルーマ】は、セリスフィア殿下のお膝元……【帝国精鋭部隊】の設備として保管されていたし、陛下が使用できるとも思えん」
【ルーマ】が駄目となると、魔法の可能性も。
「じゃあ、魔法なら――」
しかし、私の考えはイエシアス様に否定される。
「念話は無理ね。距離が離れすぎているわ……それでなくても、念話を使える魔術師は極端に少ない。ミオ様の……ウィズダムの特殊能力でなければ不可能よ」
ウィズなら確かに。
でもそれこそ、【オリジン・オーブ】ありきの話になる。
「それなら、転生の特典ならどうでしょうか」
ライネが言う。
確かに、転生者の固有能力なら。
「無い事は無いわね。でも、知りうる限りでは……可能性は、無い」
イエシアス様が断言する。
その理由も。
「確か名前は……そうそう、【迷語】だったかしら」
「あー!その能力、ウチが転生させた女にあげた転生の特典だ!!」
ピンときたのか、今まで静かだったウィンスタリア様が騒ぎ出す。
イエシアス様は耳を押さえながら。
「るっさ……でもま、そういう事よ。同じ系統の転生の特典もあるとは言え、【迷語】以上の遠方会話能力は無い。だから無理」
じゃあ、やっぱり深く考え過ぎ?
往復で数ヶ月もかかる距離を、女王国の北から帝国の西まで……何度も。
やっぱり現実的じゃないわ。
だけど……それ以外、転生者関連じゃなければ。
「それじゃあ、他の神様……って事は、ないですよね」
「「「……」」」
私のその一言がどういう意味合いで取られたのか。
三人の女神様は一様に無言となり、私を驚いた目で見つめてきていた。
「えっ……と、あれ?」
馬鹿な事を。と言われた方がマシだった。
その無言が部屋の空気を重くし、次にエリアルレーネ様が口を開くまで……約五分の間、私は石のように固まっていたのだった。




