表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
91/174

2ー28【神の選択ミス3】



◇神の選択ミス3◇ミーティア視点


 イエシアス様はエリアルレーネ様の隣に座り、熱を測るように額をつけた。


「ん、なに?」


「やっぱり、すごい熱よ?」


 呆れるように、イエシアス様が言う。

 その言葉に一番反応するのは、信者であるライネとロイドさん。


「――え」


「なっ!」


 もしかして、もう既に影響が出ている?

 信仰度が極端に減って、神そのものの存在に影響が……?

 でも、いくら皇帝陛下とはいえ、国民に対して自分の信仰を変えろと言うのは簡単な事だろうか。それも、こんなにも急激に。


「バルザック……」


 眉根を寄せて、エリアルレーネ様は(いぶか)しむ。

 そして結論に至る。こんなにも極端な信仰度の低下、その要因を。


「まさか、この事態も想定されていた……?」


「どういう事ですか?」


「皇帝バルザックと言う男は、野心を抱かない平和主義者でした……(みずか)ら攻め込む事を許さない、守りに徹した政策を主軸としています。大陸一の領土に満足はしていたはずですから、今更侵攻など考えるはずもないのです……ですが、もし(わたくし)たちのような女神が一つの場所に集結する事まで想定されていたとしたら」


 現在のここ、【アルテア】の事ね。


「更に考えられるのは、攻め込む理由です」


 それに、イエシアス様が。


「領土以外に欲する物が現れたとしたら……そんなもの(おの)ずと出るわね、ここ最近で最も突出した存在、何もかもを(くつがえ)す可能性を秘めた――」


 そうか……それなら、その可能性なら。

 私も、ライネもロイドさんも気付いた。


 この二年で急激に世界を変えた、新たな存在。


「……精霊、ね」


「でしょうね。その精霊が封印されていたのが……まさに北東。帝国から進むべき場所だわ」


 女王国ね。

 その場所へ行くには、【アルテア】を進まねばならない。

 だから進軍が必要になる。例えそれが侵略だと言われようとも、国の理念を曲げようとも。


「で、でも……じゃあ何故、陛下はセリス殿下を……?」


「そもそも、陛下はどうやって精霊の情報を知ったのでしょう」


 ライネ、ロイドさんが言う。

 確かに、セリスを切り捨てる理由にはならない気がするわね。

 それに精霊の情報も……今まで静観し続けてきた帝国が、知っていたとも思えないけれど。


「……繋がっていた可能性はありませんか?」


 繋がって……?

 精霊と関わりのある……誰か。


「――まさか」


 ハッとして、口に出してしまう。

 室内の視線が私に注がれる。


「あ……えっとぉ」


 聞き役に徹しようとしたのに、口を出してしまった。

 でも……この可能性は否めない。だから言おう、きっとその方が、私の為にもなるはずだ。


「こほん……えと、エリアルレーネ様が言いたいのは、帝国の皇帝陛下と……目下ミオの……いいえ、私たちの敵である、アリベルディ・ライグザールと繋がっていた。という事ですよね」


 一番可能性があると思ったし、予感的な、そんな直感が働いた。


「ええ……(わたくし)も、そう思っています」


 だけど、そう断定するにはまだ足りない。

 あくまで可能性。でも……心の何処かで、それはもう確定事項かのように思えて、私は、少し怖くなった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ