表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/174

2ー11【苦労を買った結果3】



◇苦労を買った結果3◇ミオ視点


 話を終え、俺は外に出た。

 ライネは執務室に残って作業を続けてくれている。エリアは【四神教会(ししんきょうかい)】に帰りたくないのか、ライネの作業をめっちゃ近い距離から見ていた。


「さて、どうしようか」


 【アセンシオンタワー】の外周に出ると、物凄い景色が視界に入る。

 なんたって五十階の外、手摺(てすり)も足場もない場所からだからな。

 【極光(きょっこう)】の力で光の足場を作り、壁に寄りかかって考えている俺。


「……」


 セリスが帝都に戻っている。

 俺は帝国内で一人の男を探さなけばならない……この数年、聖女レフィルとともに逃げたあの男がどこで何をしているかなど、知れたものではないが。

 目下の敵、アリベルディ・ライグザールの秘密を教えるとまで言われてしまっては動かない訳にもいかない。


 しかし何処にいるか。


「うぅ〜〜〜〜〜ん」


 俺は器用に空中で胡座(あぐら)をかき唸る。

 【極光(きょっこう)】の光は座布団のように尻へ。なんて無駄な使い方なんだ。


 【豊穣の村アイズレーン】から西、つまり帝国内に聖女レフィルが逃げたのは確定。

 問題は何処へ逃げたのか……ましてや広すぎる帝国内、探すのは至難の業と言えるだろう。しかも数年経ってるわけで、数日で追いかけていたなら見つけるのも簡単だろうけどな。


「正直、もう関わる事はないと思ってたからなぁ」


 壁に預けた背を離すと、そのままゆっくりと下降を始める。

 五十階層からスススゥーと降りていくと、窓のある階層から俺の背を見た誰かが、「え!?」と声を上げたのが分かった。

 多分【ユニバース】の誰かだろうなぁ。


 そしてそのまま地面まで降りる。

 結果、数分掛けてゆっくりと降下してきたが……有効な解決策は見つからなかった。


「しゃあない、とにかく帝国内を回ってみるか」


 行ってない場所が多すぎるが、とにかく【転移(てんい)】で行ける場所へ行こう。

 そしてそこから範囲を広げ、聖女レフィルの魔力を【感知(かんち)】で探れるかを試そう。

 逃げてる時点で魔力の隠蔽(いんぺい)はしてそうだから、多分意味ないんだろうけど。


 俺はそう決めると、【転移(てんい)】で【アルテア】の西口へ移動をする。


 シュン――


「――っと」


 今日も搬入される物資が多い。

 西からは主に小麦や肉、それと建築素材などが占めている。それと衣服などだ。


「ん、あれは……」


 俺は門の傍に【転移(てんい)】したのだが、そこから見える輸送馬車の一台に注目した。

 それは、中央の街……いや、都だったか。そこから運ばれてきた、民族衣装のような衣服だ。


「確か【アーゼルの都】だったっけ?あの民族衣装が売られてる場所って」


 セリスに聞いたな。

 確か堅守の擁壁(ようへき)と呼ばれる高低差と、それを上手く利用する事できる、守備に長けた兵士たちがいるという、帝国中央守備の要。

 あの民族衣装は、そこに住む女性たちが着る衣装だ。


「行った事は、まだ無いな……」


 直感だった。

 まだ行ったことのない場所、知らない土地。

 そこに行かなければという、謎の強迫観念。


 その直感が、この一年を占うきっかけになるとは、この時の俺は思っていなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ