3ー25【あえてのすれ違い5】
◇あえてのすれ違い5◇ミーティア視点
セリスの宣言、号外が出た時には……やはり家族全員が驚いたそうだ。
それはそうよね、ミオと私は恋人関係なのだし、そういう報告もさせて頂いている。驚くのは必然よね。
「それでね、ミオも全く帰ってこないし、ミーティアも来てくれないでしょ?もう毎日ソワソワしちゃってねぇ、ねぇあなた」
「全くその通りだよ。ミーティアは仕事が忙しいのは知っているが、ミオなんて連絡しても無視するんだからなぁ」
「あ、あはは……すみません、色々とご心配をおかけしたみたいで」
御夫婦の言葉に、私は心を痛めて返答をする。
本当に心配してくれていたんだわ。それなのに、何も報告せずにやり過ごそうとしてしまった。これは反省ね、私もミオも。
「パパママ、お兄ちゃんだってお仕事だよ。この【アルテア】の一番偉い人なんだよ!?」
コハクちゃんがフォローしてくれる。
いい子に育ったわね……なんだか嬉しいわ、私。
「そうよね、コハク。ミオは【アルテア】の管理者……でもお父さんだって、【イズアーレ】を任されているんだから、説明くらいは欲しいのよね?」
レインさんが後付してくれる。
ただ単に説明を求めるだけじゃ駄目だと、分かってくれているんだわ。
「すみません、ミオの代わりに説明させていただきます」
とは言っても、完全に意思統一が出来ているかは少々不安なのよね。
もしも違っていたら……私は相当恥ずかしい女になってしまう。
自意識過剰で傲慢、更には相手の気持ちも汲めない女に……
「あ、じゃあ私はお茶を淹れてくるから、お母さんとお父さんはミーティアから聞いていて」
「あ、コハクも手伝うー」
えっと、もしかして気を利かせてくれた?
まずは両親に、って事よね。
「……それじゃあ聞かせてくれるかい、ミーティア。ミオとセリスフィア殿下の婚約……これは、一体どういう?」
「はい。まず、予想にはなるのですが……」
こうして私はお二人に説明を始める。
セリスの目的。ミオが否定しない理由。私も同じ考えだと言う事。
そして何より……私とミオの関係が、破綻した関係ではないという事実を。
説明には時間がかかった。
実際に根掘り葉掘り聞かれる事はなく、お二人は静かに頷いて聞いてくれた。
「……そうか。なら、二人は別れた訳ではないんだね?」
「はい。おそらく帝国との戦いが終われば、セリス殿下も何らかの声明を発表すると思いますけど」
「大変なのねぇ」
そうですね……大変です、私たちも。
だけど、ミオは未来の為と言うと思います。
今だけじゃなく、何十年、何百年先の【アルテア】を考えていると思うし。
「今、一番大変なのはセリス殿下ですから。ミオもそれが分かっているから、ご家族にも説明をしていないんだと思いますよ?」
「そんなすれ違いで大丈夫なの?もしセリスフィア殿下が本気になったら……」
お義母様が怖い事を言う。
だけど、もしそうなったとしても。
「私は負けません。ミオと……約束しましたから」
私は笑顔を見せる。
これだけは譲れない、私だけの思い。
運命が私たちを引き裂こうとしたとしても、必ず。
「私とミオは、絶対に添い遂げます……お二人にも、誓えるほどに、私は彼を――愛していますから」
なんだか、私の言葉を聞いたお二人の方が恥ずかしそうだったけれど。
それでも宣言できた。私のもう一つの夢……その未来に向かって、少しずつでも進んでいると、思うから。




