3ー23【あえてのすれ違い3】
◇あえてのすれ違い3◇ミーティア視点
【幸雨の緑ファーム】。
ミオのお姉さんであるレインさんと、婿養子であるアドルさんの農場ね。
二人は今までの【スクルーズロクッサ農園】から独立し、【イズアーレ】の土地に新しく場所を貰いスタートを切った。
育てる作物も、【スクルーズロクッサ農園】と被らないように心がけているらしく、最近では確か……【ポロサ】という名の穀物を育てる事に挑戦するらしい。
「着いたわね……すみませーん!」
【幸雨の緑ファーム】の敷地は思ったよりも広い。
【ポロサ】と言う穀物は、ミオの言う所のお米……という品種に近いらしく、転生者は皆喜んでいた。ミオは品種改良をしてから広めたいと言っていたけど、何故かしら。
「あら……?え、ミーティア?どうしたの急に!?」
小屋から出てきたのは、スタイル抜群の女性だ。
柔らかな物腰に明るめの金髪。大きなお胸……わ、私も負けてないけどねっ。
肩にタオルをかけて片手で汗を拭う。そうよね、もう五月……暑くなってきた。
「こんにちは、レインさん。商品のお届けに参りました」
「え、ええ!?会長さん自らぁ!?」
驚かれた。でもそれもそうなのよね、私が一人で物品を届ける事は、もう少なくなって来ているから。会長だし。
だけど、たまにはいいものね……驚いた顔も、喜んだ顔を見れたから。
「あはは。たまには良いと思って」
「本当に驚いたわっ。で、でもいいの……?今は――」
レインさんが慌てたように、チラリと倉庫を見る。
その瞬間、その姿が見えた瞬間……私は後悔する。
「――おお!ミーティアじゃないか」
「あらあら、ミーティア。久し振りねぇ」
「ミーティアお姉ちゃん!」
レインさんが少し気まずそうにした理由が分かった。
まさかの、スクルーズ家。
ミオとクラウは居なさそうだけど、でも……これは少し面倒な事になりそうな気がするわね……あはは。
「み、皆さんお揃いで……」
ぞろぞろと倉庫から出てくる。
こんな時でもなかったら、喜んで談笑をしたいのだけどね……い、今はちょっと。変な事ばかり聞かれそうな予感しかしない!
私の苦笑いの意味を理解したのは、おそらくレインさんだけ。
根掘り葉掘りされる気がする、いや、確実に狙われている……特にご両親に!
そんな私に、レインさんは小声で。
「隙を見て帰ってもいいのよ?」
と、優しく気遣ってくれる。
その心遣いが嬉しい。こうやって私を受け入れてくれるお姉さん……そのご両親も、妹のコハクちゃんも。
「いえ、私も……色々とお話したいので」
色々とすれ違いを起こしてしまっている事も謝罪したい。
私がミオと家族になりたいと、この人たちと家族になりたいと思っているのは……なによりの理想なんだから。




