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3ー22【あえてのすれ違い2】



◇あえてのすれ違い2◇ミーティア視点


「やられた……」


 【アセンシオンタワー】の地下一階は、【コメット商会】の搬入箇所でもある。

 そこには昇降機が設置されていて、地上に馬車ごと移動できるように……ミオがしてくれたのだけど。


「……ロバートさん、狙ってやってるわよね絶対」


 全ての仕事を奪われた私は、【アルテア】内に運ぶ荷を確認した。

 そこには、木箱が三つ。女性でもなんとか持てるサイズで、重さもギリギリな感じの木箱があった。

 そこに書かれた商品のジャンルは……肥料。

 宛先は……【幸雨の緑ファーム】。


 ミオの長姉、レイン・スクルーズさん御夫婦が営む農場だった。


「今あえて避けている場所なのに、でも仕事だし……う〜ん」


 セリスの宣言後、私はスクルーズ家に関わる事を避けていた。

 当然、ミオにすら会っていない。本当は会いたい、めちゃくちゃ会いたいし、イチャイチャしてラブラブしてチュッチュしたい。

 なんならセリスを一発はっ倒したいし。クラウやアイシアに愚痴をこぼすくらいはしたい。


「行かなきゃ、だよねぇ?」


 仕事に集中していた手前、自分から放棄する訳にはいかない。

 それがミオに関わる事柄でもだ。


「はぁ……【AROSSA(アロッサ)】起動」


 【AROSSA(アロッサ)】を取り出し開き、言葉に合わせて駆動音が鳴る。

 セットされている【ヌル】を一応確認し、魔法を発動。


「……【パワード】」


 一時的に筋力を増す魔法。

 物理的に筋肉が増す訳ではないのが救いだけど、精霊たちには本当に感謝だわ。

 精霊たちの協力のおかげで、【ヌル】には様々な力が込められている。


 私は魔法の発動を確認し、木箱を軽々と持ち上げる。

 なんとなく、ミオには見られたくない場面だわ……


 肥料の入った木箱を三つ、馬車の荷台に乗せ終える。

 まるで筋骨逞しい男性作業員のようだった……少し、虚しい。


「さて、行きますか……」


 少々気が重いけれど、【幸雨の緑ファーム】に向かいましょう。

 レインさんの事だし、変に突っついてくる事はないと思うけど。

 これも仕事だし、手を抜く事は許されない……会長としてね。


 事前に連れて来ていた馬を馬車に繋ぎ、昇降機に移動させて上昇させる。

 ウィーン……


「うぃーん、がしゃん」


 何故か口にしたくなる音。

 誰かに見られたら、子供っぽいと思われるだろうか。


 御者席から見る【アルテア】の景色は、既に【ステラダ】の町並みを超えている。

 ミオの力が大きい所だが、村には奈落下水道も魔力電気も、道路も綺麗に整えられていた。

 まさしく住みやすい町、いや村。

 ミオたち転生者に言わせれば、これでもまだまだだと言う。特にミオとクラウは、他の転生者と違って発展した未来の時代から転生したらしいから、そこら辺は他の転生者も驚いていたわね。


 【AROSSA(アロッサ)】も、電話という機械らしいのだけど、その大きさ(小ささ)に戸惑っていたわ。


「悩ましいわよね、圧倒的すぎて」


 帝国も公国も、女王国も。ミオが起こした【アルテア】という村に依存し始めている。だからこそ、この【アルテア】に住んでいる人たちはよく分かるんだわ……ミオを敵にしては駄目だと。

 セリスは特によく分かっている。だからこそ、止めたいんだと思う……皇帝の行いを、その暴挙を。


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