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2ー50【自分を顧みて4】



◇自分を(かえり)みて4◇ミオ視点


 思いの丈。そうなのかもな、この男にとっては。

 でも、突っぱねるようで悪いが……俺にはもう関係ないんだよ。

 いくらお前が固執しようが恨もうが、お前は相手じゃない。


「……そっか。ミーティアとの婚約も、父親が決めたんだろうな」


「……ああそうさ!僕には、僕には!!」


 きっと全部、手の平で転がってる人生だったんだ。

 そしてそれは今も同じで、それを理解しているからこそ、俺に突っかからなければならなかったんだろう。

 そうでなければ、保てなかったんだ……自分を。


「偶然とは言え、俺はあんたを探してた……おっと、聖女絡みじゃない。そこは勘違いするなよ?」


 偶然ってのは起きる。

 それがまるで仕組まれてるんじゃないかと思う程の、そんな偶然ですらな。


「――セシリーって女性(ひと)、知ってるよな?」


「セシリー……セシリー、だと?」


 その名を聞いた瞬間、アレックスの顔色が変わった。

 暗かった顔もほんの少し明るくなり、瞳にも光が宿った気がした。


「今は【アルテア】……俺が管理する村の女王国領で、貴族の屋敷で働いてるよ」


「……彼女は、父の屋敷ではないのか」


 そうか、【ステラダ】がない事すらも知らなかったのか。


「【ステラダ】はもうない。【死葬兵(ゲーデ)】の軍団に滅ばされたよ……でも、住民たちはほとんどが無事だ、【アルテア】にいるよ。今では【王都カルセダ】の人たちも多く、移住してきてる」


 女王国崩壊直後、人々はバラけていたが、それでも多くがこっちに来たのは事実だ。


「――ミオ、お話終わったよ?」


 背後からフレイが。

 扉からひょこっと顔だけ出していた。


「ああ、今行くよ。ってな訳で、アレックス・ライグザール……俺はあんたにも、聖女にも危害を加える気は毛頭ない。信じるかはお前次第だけど、あんたが馬鹿な真似をしない限りは、聖女にも手は出さねぇよ」


「……信じろと言うのか」


「知るか」


 お前次第だって言ったぞ。繰り返すな。

 そんな自分の世界に入り込むような奴の世界に付き合うつもりはない。

 セシリーさんの以来も、一応は果たせた。

 なら後は、小屋の中にいるあの女……だろう。


 中に戻ると、先生が弾丸をマジマジと観察していた。

 そう良い物じゃないっすよ、爺さん先生。


「……」


「……」


 レフィル・ブリストラーダと目があった。つい逸してしまう、互いにな。

 今度は椅子に座ってはいたが、小さく見えるのは同じだ。


「おお来たか。俺の嫁さんの魔法で、この弾ってのは見てみたぞ」


「へ?魔法で、見た?」


 いやいや、俺も魔力の観察はしたけど、変なものは特になかったけど。

 先生はニヤリと笑みを浮かべた。それはもう裏をかいてやったと言わんばかりに。

 あれ……もしかしなくてもこの爺さん先生に、奥さんって……結構デキる人なのでは??


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