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リアル キール~デッド アイランド~  作者: タコ中
名古屋駅JRセントラルタワーズ
65/68

記憶65 神より与えられし力

一人の自衛隊員がエレベーターホールでエレベーターが来るのを待っていた。


チン


エレベーターが17階につくと、エレベーターの扉が開く。

エレベーターの中では頼斗がエレベーター内の床を血で染めて倒れていた。


「大丈夫か!?」


頼斗は息を荒くしていた。


「どうしたんだ?・・・ってマジでどうした!?」

「知るか!とにかく手当てだ!俺が傷口を押さえておくからお前は誰か人を呼んでこい!」

「わかった!」


自衛隊員は頼斗の傷口を持っていたタオルで押さえる。


「おい!しっかりしろ!」


その場に亮介が通りすぎる。


「斎藤くん!?」

「あんた知り合いか?」

「知り合いではないけど一応顔見知りで・・・」

「それじゃあ、この子の部屋の番号わかるか?カードはあるんだが番号が書いてなくて・・・」

「確か725号室です」

「それなら725号室に運ぶから手伝ってくれ」

「分かりました」


自衛隊員と亮介は頼斗を725号室に運ぶ。








「ん・・・ここは・・・?」


頼斗が目を覚ますとそこは第一うみほたる高等学校の生徒玄関前だった。


「誰もいないな・・・」


頼斗は校門に向かって歩くと、校門には黒塗りの覆面パトカーが止まっていた。

頼斗は覆面パトカーの中を物色してM2013を見つける。


「それにしても何でうみほたる島・・・?沈んだはずじゃ・・・」


ポン


肩を誰かに突然叩かれる。


「誰だ・・・うわああああ!」


後ろには口から大量に血を流している優衣が立っていた。


「勝手に捕ってダメでしょ」

「ぎゃあああああ!?」


頼斗は学校に向かって走ると、生徒玄関前に男性が立っていた。

その男性は利之だった。

利之の腕はおかしな方向に曲がり、足の膝も決して曲がることのないはずの方向に曲がっていた。


「置いていくなんてひどいよ」

「あ・・・うわ・・・っつ」


頼斗は口をパクパクさせながら腰を抜かして座り込む。


ポンポン


再び肩を叩かれる。

頼斗は恐る恐る後ろを見ると下半身が千切れて無くなっている和花がいた。


「せめて埋めてほしかったな」


「ひぎゃぁぁぁあああぁ!!」








「ひぎゃぁぁぁあああぁ!?」


頼斗が起きるとそこはホテルのベットだった。


「ゆ・・・夢か・・・」


頼斗が周りを見るとベットにもたれ掛かるようにして亜理砂が寝ていた。


ガチャッ


扉が開くと亮介が部屋に入ってくる。


「起きてたのか」

「たった今起きました」

「そうか。これ最後の飯な」


亮介は頼斗の怪我をしている脛におにぎりを投げつける。


「いってぇ!何するんですか!?」

「うるせぇよ。そんなかわいい子にずっとそばにいてもらって」

「だからって傷口を攻撃することは無いんじゃないですか!?」

「あぁ、それは悪かった」


頼斗はおにぎりを食べる。


「あ、これお茶な」


亮介は紙パックのお茶を頼斗に渡す。


「これが最後の飯ってどう言うことですか?」

「今から3時間後に救助ヘリがヘリポートに来るんだってよ」

「ついに救助が来るんですか」

「まぁ、安心しろ。お前は怪我人だから優先的に乗せて貰えるぞ」

「喜んでいいか分からないですね」


頼斗は脛に巻かれた包帯を見る。


「そう言えば俺を撃った人はどうなったんですか?喰われたのは見ましたけど・・・」

「それに関してだが、大量の血痕が屋上のヘリポートに続いていたんだ」

「え?自衛隊員の感染者ですか?」

「いや、自衛隊員は一人と、小さな女の子の死体が葬式会場にあったが他は無かったぞ」

「ヘリポートに死体はあったんですか?」

「それがヘリポートに続いていた血痕は途中で途切れてるんだ。自衛隊や警察で屋上や、ホテルもくまなく見たが何処にも死体は見つからなかった」

「まぁ、俺は動けないんでここで救助ヘリが来るまで寝てますけどね」

「そうかい。ゆっくりしてろよ」








亮介が725号室に入った頃、オフィス側のビルで20代の女性が道に迷っていた。


「ここどこだろ・・・?」


ガシャン


突然女性のいるフロアで大きな物音がする。


「誰かいるんですか?」


女性は音のしたオフィス前にやって来ると扉をそっと開ける。

すると、事務机や資料の入った棚が並ぶなかで大量の血痕が続いていた。


「大丈夫ですか?」


女性は血痕に沿って奥に入っていく。

奥に進むと、男性がうずくまっていた。


「どうしたんですか?」


女性が男性に近づくと女性は男性の左腕が触手に変わっていることに気がつく。


「ひっ!化け物!?」


女性は少し後ろに下がったあとすぐに扉に向かって走り出す。

男性がゆっくり立ち上がると触手を女性に向ける。


ザシュッ


触手が伸びて女性を貫く。


「ゴオポッ」


女性は口から大量の血を吐くとそのまま生命活動を停止する。

男性は女性を投げ捨てる。


「これは・・・神が俺にあいつを殺すためにくれた力だ・・・うひ・・・うひひひひひひ」


オフィス側のビルに笑い声が響き渡る。

ラスボス戦間近ですね。

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