記憶61 プレゼントの中身
「何かすいません」
「別に気にしてないから」
警察官の部屋に優香里が手錠をかけられた状態でベットに座っていた。
優香里は自衛隊員に身柄を渡されたあと警察官の部屋で24時間体制で警察官が見張ることになった。
「何で俺だけなんだよ・・・女性の自衛隊員が何とかしてくれよ・・・」
警察官はM2013のマガジンを外す。
「そう言えば名前聞いてませんでしたね。名前はなんですか?」
優香里は警察官に聞く。
「佐川 亮介(さがわ りょうすけ)だ」
「私は、上田 優香里です」
亮介は部屋のテレビをつけるが、どこのテレビ局も放送しておらず、すぐに亮介はテレビを消す。
「一体いつ救助は来るんですか・・・」
「さぁね。日本の中部、近畿、関東地方で救助を待ってる人はたくさんいるからな」
「・・・え?東北と中国地方は大丈夫なんですか?」
「まだ話聞いてなかった?中国、東北は何とか封鎖出来て安全らしいぞ」
「そうなんですか!?」
「かといっても今回の事件の犯人である環境保護団体グリーンガードは今だ世界中にいるけどな」
「それじゃあ、いつ人類が滅亡してもおかしくないんですね・・・」
「そういうことだな」
亮介は優香里に近づくと手錠を外す。
「何で外したんですか?」
「だってお前悪そうに見えないし。どうせ殺したのだって虐待している親だろ?」
「・・・何で分かるんですか!?」
「見れば分かるよ。そんな見えないところに根性焼き何て古い考えだからな」
「見えないところにって・・・スカートめくったんですか!?」
「うん。凶器持ってないか調べるためにめくった」
「何色でした?」
「白」
バキッ
優香里は亮介の頬をグーで殴った
コンコン
亜理砂のいる720号室の扉がノックされる。
「は~い」
亜理砂は扉の覗き穴を見るが誰の姿も見えなかった。
ガチャッ
亜理砂が扉を開けて外に出ると、小さな段ボール箱が置いてあった。
段ボール箱の上には置き手紙で「良かったら食べてください」と書いてあった。
「誰だろ?」
亜理砂は段ボール箱を持って部屋にはいると、扉を閉めて鍵とドアチェーンをかける。
段ボール箱をベットに置くと、段ボール箱のガムテープを剥がす。
「何が入ってるんだろ?」
亜理砂は段ボール箱を開けると、中には細長い茶色の筒とデジタル式のタイマーが入っていた。
ピピッ
デジタル式のタイマーが3からカウントダウンを始める。
「え・・・?」
亜理砂は段ボール箱の中身が時限式の爆弾だということに気付くが、すでにデジタル式のタイマーのカウントは1だった。
「やば・・・」
ドォォン
720号室で爆発が起こり、扉が吹き飛び、窓も吹き飛ぶ。
ジリリリリリ
ホテル内の非常ベルが鳴り響き、天井に備え付けてあるスプリンクラーが一斉に作動する。
亜理砂が部屋の前の時限式の爆弾を持って部屋に入った頃、JRセントラルタワーズの入り口では2人の自衛隊員が暇そうにしていた。
「あー、暇だ」
「そんなこと言うなよ。俺達はここを任されてるんだから」
「そんなこと言ったって・・・」
自衛隊員の一人が入り口の横に置いてある段ボール箱に気が付く。
「こんなところに段ボールなんてあったか?」
「さぁ?一応回収しとくぞ」
二人の自衛隊員は段ボール箱に近づく。
ピピッ
電子音が段ボール箱から鳴る。
「ん?何の音だ?」
「段ボールから聞こえたぞ・・・」
ドォォン
JRセントラルタワーズの入り口で爆発が起こる。
その頃、爆発音と、非常ベルはJRセントラルタワーズの外にも響き渡り、その音でゾンビが建物に集まり始める。




