記憶60 M2013の落とし物
「うわぁぁぁあ!」
頼斗は優香里を突き飛ばす。
「きゃっ!」
ガシャン
優香里は勢い余ってロッカーに激突する。
「いったぁい!」
「ひぃぃ!」
頼斗は優香里が起き上がるよりも先にスタッフルームを飛び出す。
「待ちなさい!」
優香里もそのあとをすぐに追いかける。
頼斗はエレベーターホールにつくとエレベーターのボタンを連打する。
「早く!早く早く早く早く!」
ガシッ
ブン
突然、頼斗の服の襟元を捕まれて後方に投げ捨てられる。
「いっつ!」
頼斗が起き上がろうとすると優香里が馬乗りになり首を締める。
「う・・・ぐあ・・・」
「今楽にしてあげるからね」
頼斗が暴れるが首を捕まれており暴れるほど首が絞まっていく。
「アハハハハハ」
優香里は笑いながら包丁を振り上げる。
「や・・・めろ・・・!」
頼斗は首を絞められながらも声を振り絞る。
しかし、優香里は包丁を握りしめると降り下ろす。
パン
バギィン
「うぎゃぁぁぁ!」
優香里が包丁の持っていた右手首を押さえて苦しみながら倒れる。
頼斗が音のした方を見ると、亜理砂がM2013を構えていた。
「優香里さん・・・何してるんですか!」
「うるさい!誰にも私の気持ちなんか分かるもんか!」
「相談もしないで何いってるんですか!?」
「うるさい!うるさい!うるさい!」
優香里は折れた包丁を拾うと亜理砂に向かって走っていく。
亜理砂はM2013を優香里に向けて構える。
ゴッ
優香里がその場に倒れる。
優香里の後ろには花瓶をもった頼斗が立っていた。
「・・・自衛隊か警察呼んできてくれ。俺は上田さんを縛っとく」
「うん」
亜理砂はエレベーターで15階のスカイストリートまで向かっていった。
頼斗はサロン店内で縛れそうなものがないか探してスタッフルームにあった頑丈そうな紐で優香里を縛った。
10分後自衛隊員と警察官がやって来て優香里をつれて何処かにいった。
「私たちもホテルに戻りますよ」
「おう」
頼斗はサロンのカウンターの制御パネルのボタンを押して電気を消す。
そして、サロンを後にした。
頼斗と亜理砂は720号室にいた。
「何であそこにいることが分かったんだ?」
「優香里さんが上っていって、そのあとに斎藤さんがエレベーターで上がってくのが見えたから・・・」
「その拳銃は?」
頼斗は亜理砂の持っているM2013を指差す。
「盗んできた」
「どこから!?」
「723号室」
「あの警官のところじゃねぇか」
「返した方が良いよね・・・?」
「当たり前だろ・・・」
頼斗と亜理砂は723号室に向かうと扉を数回ノックする。
「はい」
部屋からは警察官が出てくる。
「あの・・・これ・・・」
「お!見つけてくれたんだ!」
「「へ?」」
頼斗と亜理砂は目を丸くした。
「いや~恥ずかしい話だけど、拳銃を無くして探していたんだよ。見つけてくれてありがとう」
警察官は頼斗と亜理砂に礼を言うとすぐにドアを閉めた。
「俺は部屋に戻る」
「それじゃあ、夕飯のときに」
「おう」
頼斗と亜理砂はそれぞれ部屋に戻る。
「もう行きましたか?」
「あぁ、行ったよ」
警察官の部屋の一つしかないベットには手錠をかけられた優香里が座っていた。
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