記憶55 戦闘民族
ゾンビと警察官は睨みあっていた。
「まさかタイマン張るとは思わなかったよ」
「グルルルル」
ゾンビの口からはヨダレがポタポタ落ちていた。
「フシャアアアア!」
「真っ正面からとはバカだな!」
ゾンビは右ストレートを警察官にしてくるが、警察官は外側に避けるとゾンビの腹を蹴る。
「フギャ!?」
ゾンビは少し後ろに蹴り飛ばされる。
「お前元はボクサーだろ?・・・言ってもわかんねぇか」
ゾンビは再び警察官に向かって来ると左腕でジャブの嵐を警察官に浴びせる。
しかし、警察官はそれを紙一重のところで交わしていく。
ゾンビのジャブの嵐が一瞬止まると右ストレートが飛んでくる。
「クソッ!」
ジャキッ
警察官は警棒を伸ばすと右ストレートが飛んでくる位置に構えて警棒を盾変わりにする。
バギィン
警棒が折れる。
ゾンビは立ち止まると警察官をじっと見つめる。
「何だ?警棒を使ったの卑怯ってか?」
ゾンビが頷く。
「バカ言うなよ。審判なんて居ないんだぜ、卑怯もくそもあるかよ」
「亜理砂!」
頼斗がバスから降りると亜理砂のもとに向かう。
「うっ・・・アバラ折れたかな・・・?」
「お前は無茶しすぎなんだよ!」
「そう言えばどうして下の名前で・・・?」
頼斗の顔が少し赤くなる。
「そんなことよりバスに戻るぞ」
「どうしてですか!?警察の人が一人で戦ってるんですよ!?」
「いや・・・あの警察官なら真剣勝負の真っ最中だ」
亜理砂が投げつけられた放置車両の奥を見るとゾンビと警察官が素手で闘っていた。
「どこの戦闘民族ですか・・・いてて・・・」
頼斗は亜理砂を担ぐとバスに戻る。
警察官とゾンビは殴って殴られてを続けていた。
「フシャアアアア!」
バキッ
「うげっ!」
警察官は投げつけられた放置車両にもたれ掛かる。
パキッ
「何だ・・・?」
警察官が足元を見ると割れたサイドミラーの破片や発煙筒、ペットボトルが落ちており、その近くにはガソリンが流れ出ていた。
「フシャアアアア!」
「うぉ!」
ゴシャァン
警察官は間一髪でゾンビが繰り出してきた右ストレートを避けるとゾンビの服をつかみガソリンが流れ出ているところに投げる。
バシャッ
ゾンビの服や靴にガソリンが染み込む。
「ようやくケリがつくな」
シュボッ
警察官は発煙筒を炊くとガソリンが流れ出ているところに投げる。
発煙筒が発している火がガソリンに引火してガソリン全体が燃え上がる。
そして、ゾンビの服や靴に染み込んでいるガソリンにも引火する。
「フギャアアア!?」
ゾンビは火に包まれる。
「フシャアアアア!!」
火に包まれてもまだゾンビはヨタヨタと警察官に向かって来る。
警察官はバスに向かって歩き出す。
「もうお前は負けたんだよ」
警察官がそう言うとゾンビがバタリと倒れる。
警察官はバスに乗ると、血で前が見えなかったところは綺麗に拭き取られて前がしっかりと見えるようになっていた。
警察官はゾンビを見る。
「意外と楽しかったぜ」
警察官がそう言うとバスはゆっくりと発進して灰になったゾンビの横を通りすぎて名古屋駅へと向かう。
バトル?系は無理だ!書くの難しすぎ!
感想待ってます。




