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リアル キール~デッド アイランド~  作者: タコ中
新・旧東名高速道路
54/68

記憶54 特殊変異型

「それにしてもこういうの慣れてる?」


優香里がレミントンM870を眺めながら亜理砂に聞く。


「そうですね・・・慣れちゃいましたね」


キキキ


バスが蛇行運転を始めた。


「何してんだ!」


後ろの席の男性が野次を飛ばす。


「振り落とそうとしてんだよ!」


バスの運転手は後ろに向かって怒鳴る。


「そんなことしなくてもこうすればいいんだよ!」


男性は頼斗の持っているドラグノフを奪おうとする。


「何するんだよ!」

「うるせぇ!少し借りるだけだ!」


男性は無理矢理頼斗の持っているドラグノフを奪うとバスの天井に向けて3発撃ち込む。


タンタンタン


バスの中に銃声が響く。


「きゃぁ!」

「うわ!」


バスの乗客の数人が驚く。

男性はドラグノフを頼斗に投げ返す。


「ビビりのクセに銃なんかもってんじゃねぇよ」


頼斗はその男性に冷たい視線を送り続けている。


「・・・お前何か文句でもあんのか?」

「別に・・・可哀想だなって・・・」

「君達!いい加減にしろ!」


警察官が立ち上がり後ろの座席に向かって来る。


パリィン


突然、窓をわって比較的綺麗なゾンビが入り込んでくる。

その比較的綺麗なゾンビは男性にすぐに飛び掛かると喉元に噛みつく。


「うぎゃぁあああ!いてえええええ!」


男性はゾンビを引き剥がそうとするが喉をさらに深く噛まれる。

比較的綺麗なゾンビはそのまま男性をしっかりと噛んだまま入ってきた窓から男性を連れてバスから出ていく。


「どこにいった!?」


警察官はM2013を取り出すと割れた窓から外を見る。


ドンドンドンドン


バスの天井を走るような音が聞こえる。


「前の方に行きました!」

「わかった!」


警察官はバスの前に走るとM2013を天井に向けてフルオートでM2013を撃つ。


ダラララララララ


天井に小さな穴がいくつも開く。

すると、バスのフロントガラスに大量の血が流れてくる。

バスの運転手はワイパーを動かすが逆に血がこびりついて見えなくなる。

バスの運転手はブレーキを踏む。


キキッ


バスは急停車をして高速道路上で止まる。


「私が様子を見てきます。皆さんはバスの中で待っていてください」


プシュー


バスの扉が開く。

バスの扉が開くと警察官はM2013を構えながらバスを出る。

バスから出ると先ずはバスの方を向いてフロントガラスに流れる血を見る。


「これが現実で起こっていることかよ・・・」


バスの上では死体を食らっているゾンビがいた。


パンパンパン


警察官はM2013を3発撃つが銃弾の飛んでいく方向にはもうゾンビはいなかった。


「どこいった!?」


警察官は周りを見渡すが何処にもゾンビの姿がいない。


「後ろです!」


バスの方から亜理砂が警察官に叫ぶ。

警察官はM2013を後ろに素早く振り向くと撃つ。


パン


「フギャアアア!」


ゾンビは肩を射ぬかれて苦しみながら近くの放置車両の上に乗る。


「大丈夫ですか?」


亜理砂がM2013を持って警察官に近づく。


「何している!?バスに戻りなさい!」

「バスに戻ったところで私は警察の人が殺されるのを見てれば良いんですか?」

「何をいってる!?君はまだ子供だ!危ない真似をさせるわけには―――」

「フシャアアアア!」


ゾンビが警察官に飛びかかってくる。


パン


亜理砂がM2013を撃ち、ゾンビの手に当てる。


「もうそんなこと言ってる場合ですか?」

「・・・すまないがあの化け物を倒すのを手伝ってくれ」

「良いですよ」


ゾンビは再び放置車両の上に乗るとこちらの様子を伺う。


タン


銃声が響く。


「フギャアアア!」


ゾンビが放置車両の後ろに崩れるように落ちていく。

亜理砂と警察官が音のした方を向くと割れた窓から頼斗がドラグノフのスコープを覗いていた。


「前!」


頼斗が放置車両の方を指差す。

亜理砂と警察官が放置車両の方を向くとゾンビが放置車両を持ち上げていた。


「嘘だろ・・・1トンはあるんだぞ・・・」

「良いから逃げて!」


亜理砂と警察官はそれぞれ真逆の方向に逃げる。

ゾンビはその間に放置車両を投げる。


ゴシャァァン


放置車両は中央分離帯に激突する。


「危なかった・・・」


亜理砂がゾンビがいるであろう方向を見るとゾンビの姿はなかった。


「何処に行ったの!?」


亜理砂が前を向くとゾンビが既に目の前にたたずんでいた。


「ヤバッ!」


亜理砂がM2013を構えようとしたときにはゾンビは亜理砂を蹴り飛ばしていた。


ドン


「ガハッ・・・!」


亜理砂はバスに叩きつけられる。


「大丈夫か!?」


警察官が近づこうとするとゾンビが目の前に現れる。

警察官はすかさずM2013を構える。

しかし、ゾンビは警察官のM2013をはたき落とすと警察官をバスとは逆の方向に飛ばす。


「うげぇ!」


警察官は受け身をとるがコンクリートに叩きつけられたので結局は受け身の意味がなかった。

警察官はすぐに立ち上がるとゾンビの方を向くと、ゾンビはM2013をバラバラに破壊していた。

そして、ゾンビは掌を上にして前に出すと手の指を数回上に曲げる。

警察官にはその意味がはっきりとわかった。


「ほぉ・・・化け物のクセに一対一のタイマンかよ」

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