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リアル キール~デッド アイランド~  作者: タコ中
新・旧東名高速道路
51/68

記憶51 使い捨ての道具

三人は静岡競輪場に向かって歩き出した。

秋穂には木製バットが持たされ、優香里にはアパートの近くのごみ置き場で拾った丈夫な角材が握られていた。


「良いか?しっかり俺を守れよ」


新矢は何も持たずに優香里と秋穂に身を守らせていた。

町からはサイレンの音が鳴り響いていた。

競輪場まで近くなのですぐについた。

競輪場の正面にはパトカーが数台止まっていた。


「警察がいるなら安心だな」


競輪場の中に入ると観客席や、真ん中の芝生で座り込んでいる人もいた。

三人も観客席に座る。


「あとは救助ね」


優香里は携帯を取り出して友達に電話するが回線が混んでいるのか電話は繋がらなかった。


「みんな大丈夫かな・・・?」

「大丈夫よ。きっと避難してるわよ」


秋穂は優香里の背中を摩って励ます。

すると、芝生で座り込んでいる男性が突然苦しみ出して大量の血を吐く。

周りでは悲鳴と共に人々が苦しみ出した男性から離れていく。


「あいつ感染してやがったのか!?」


優香里達三人も観客席から様子を見る。

警察官が一人走ってきてM2013を苦しみ出した男性に向ける。

しかし、苦しみ出した男性が突然警察官に飛び掛かり首もとに噛みつき肉を食いちぎり、頸動脈を切断する。


「ぎゃぁあぁあああ!」


警察官にからは鮮血が吹き出す。


「見ちゃダメ!」


秋穂は優香里の視界を遮る。


「お、おい!ここから逃げるぞ!」


新矢が立ち上がると出口に向かう。


「待って!」


秋穂と優香里が追いかける。


「遅いんだよ!早く来い!」


三人は他の避難民と競輪場を出た。

すると、ゾンビが数体競輪場に向かってきていた。


「うわああああああ!」

「きゃああああああ!」


避難民達はそれぞれバラバラの方向に逃げていく。

優香里達三人も小鹿通りに向かって逃げる。

先頭を走る避難民が路地から飛び出してきたゾンビに襲われる。


「助けてくr・・・うぎゃああ!」


他の避難民も次々と襲われていく。


「ど、どうしよう?」


優香里が角材をギュッと握りしめる。


「くそっ!この数じゃ・・・」


新矢は秋穂の背中を強く押した。


「え?」


秋穂は突然の事で対応が出来ずにゾンビの集団の前に倒れる。

ゾンビが秋穂の方を向き、秋穂に近づいていく。


「いやっ!来ないで!」


秋穂は木製バットを振り回す。


バキャッ


木製バットはゾンビの頭を殴ったときに折れてしまう。


「いや・・・いやあああああ!」


ゾンビが数体飛び掛かってくる。

ゾンビは秋穂の足や、首に噛みつく。


「お母さん!」


優香里は助けに行こうとするが新矢に止められる。


「何するの!?」


新矢は優香里の手を掴んで走り出す。

新矢と優香里は秋穂に群がるゾンビを横にして通りすぎる。

ゾンビは秋穂の腹を引き裂き、内臓をむさぼり、服や、顔に血が飛び散ろうがまったく気にせずに秋穂を食らっていた。


「離して!お母さんが!」


優香里が新矢が掴んでいる手を離そうとするが力で負けて外すことができない。

新矢は優香里を無理矢理つれてマンションに入り、部屋を一つ一つ回り、運良く一つの部屋が開いていた。

その部屋に入ると鍵をかけてドアチェーンもかける。

部屋はきれいに整頓されており、化粧品や大学の参考書が置いてあって女子大生の部屋だと優香里は分かった。

優香里は新矢が掴んでいる手をほどく。


「なんであんな事するのよ!お母さんが・・・!」

「うるせぇんだよ!使えるのもは使う!それが俺の主義だ!」


バシッ


新矢は優香里の頬を平手で叩く。


「何!?お母さんを物として見てたの!?あんたにとってお母さんは何なの!?」

「道具だよ!道具!使い捨ての道具だよ!」


その言葉で優香里の中に怒りが込み上げてきて持っていた角材で新矢に殴りかかった。


「ふざけんじゃ無いわよ!この糞野郎!」


優香里は角材を降り下ろした。

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