記憶47 援護射撃
頼斗はレミントンM870を持って車から降りて、鍵を拾いに行くが目の前にはゾンビの大群が迫っていた。
ゾンビの大群より先に鍵のもとへたどり着き鍵を拾う。
「あとは戻るだけだな」
「前!」
車の方から声が聞こえてくる。
頼斗が顔を見上げるとゾンビがすぐそこまで来ていた。
「うわぁぁぁ!」
ドゥン
レミントンM870の銃口から無数の弾丸が発射されて先頭のゾンビを吹き飛ばす。
その反動で数体のゾンビが将棋倒し状態にバタバタと倒れていく。
頼斗はすぐに車に向かって走り出した。
しかし、後ろからはゾンビがゆっくりと迫っていた。
「くそったれ!部活真面目に行けばよかった!」
頼斗の息は上がっていた。
すると、地面に落ちていた空き缶に足を取られて転ぶ。
「グハッ」
転んだ拍子にレミントンM870の引き金を引いてしまう。
ドン
散弾は近くの乗り捨てられた乗用車の助手席側の窓を粉砕する。
「いってー!」
ゾンビは頼斗のすぐそこまで迫っていた。
「ヤバ・・・」
頼斗はすぐにレミントンM870を構えると引き金をひいた。
カチン
「弾切れ!?」
ゾンビの先頭は頼斗に手を伸ばせば届きそうなほど近くまで来ていた。
「終わったな・・・」
頼斗は死を覚悟して目を閉じた。
タンタン
突然銃声が聞こえてゾンビが2体倒れる。
「え?」
頼斗が後ろを向くと亜理砂がドラグノフを構えていた。
「早く来てください!」
タンタン
ゾンビがまた2体倒れる。
頼斗はすぐに立ち上がり車に向かって走る。
頼斗が車にたどり着くと鍵を優衣に渡す。
鍵を受け取った優衣はすぐに鍵穴に鍵を差し込んでエンジンをかける。
「亜理砂ちゃん!早く乗って!」
タン カチン
亜理砂が最後に放った銃弾はゾンビに当たらずサービスエリアの前の屋台の小さいプロパンガスに当たる。
シュー
弾丸の当たった所からはガスが吹き出る。
「わかりました」
亜理砂が車に乗り込むとすぐに車は静岡サービスエリアから出ていく。
走行中の車内では頼斗がドラグノフの空になったマガジンを外していた。
「最後外してたな」
「良いじゃないですか!プロじゃないんですし」
車は静岡サービスエリアから遠ざかっていく。
静岡サービスエリアでは、亜理砂が間違えて撃ってしまった小さいプロパンガスからはガスが吹き出て周りにガスが充満していた。
その近くにいたゾンビが頼斗達の乗った車の音を聴いてヨロヨロと進路を変えて、進んでいくと屋台用のライトの配線に引っ掛かって転び、固定していたライトが落ちて割れた。
割れたときに一瞬だが花火が飛び散って充満したガスに引火する。
その直後に静岡サービスエリアで爆発が起こった。




