記憶40 突然変異型
長く更新しなくてすいませんでした。
和花が運転する軽トラックは平和島駅周辺の交差点で曲がり環7通りに入る。
周りではゾンビが遠ざかって行く軽トラックをヨロヨロと追いかけている。
「これ警察に見つかったら一発検挙ですよね・・・」
「歩いていったらゾンビに捕まるけどな」
「それこそ終わりですね」
ドン
軽トラックがゾンビを轢く。
軽トラックのフロントガラスにヒビが走る。
「あんまり轢くと前が見えなくなりますよ」
「逆に避ける方が無理よ」
ドン
軽トラックがゾンビを轢くとフロントガラスに血が飛び散る。
和花はワイパーを動かすが余計に血が伸びてしまった。
「ほら、言ったじゃないですか」
「うるさいわね~」
軽トラックは中原街道を横切る。
「この調子ならすぐに着くわね」
ウ~~
すると、サイレンが聞こえて中原街道から消防車が飛び出してくる。
「な・・・なんだ!?」
消防車はサイレンを響かせ軽トラックの方に走ってくる。
「ねえ!何か後ろから追いかけてきてない?」
荷台にいた頼斗達は目を凝らしてみる。
すると、消防車の後ろに四つ足で走るゾンビがいた。
四つ足で走るゾンビは消防車と同じくらいの大きさがあった。
「何なんだよ!」
運転席の和花と助手席の優衣も四つ足で走るゾンビに気が付いていた。
「何よアイツ!」
和花は軽トラックのスピードを上げる。
軽トラックの後ろの消防車も速度をあげているがドンドン四つ足で走るゾンビが迫ってきていた。
四つ足で走るゾンビは消防車との間合いを詰めると消防車に飛び乗った。
ゴシャン
消防車はヨロヨロとよろめく。
四つ足で走るゾンビは消防車の運転席を前足らしきもので殴る。
消防車はよろめくと横転する。
ガシャン
そして、四つ足で走るゾンビは消防車を走行不能にすると軽トラックを追いかけてきた。
「来やがった!」
「化け物が!」
頼斗はドラグノフを四つ足で走るゾンビに向け撃つ。
タンタンタン
しかし、揺れる軽トラックの荷台から当てることは出来なかった。
「佐々木!散弾撃て!」
「う、うん!」
ドン
散弾が放たれるが、散弾を喰らっても四つ足で走るゾンビはそれでも追ってくる。
「効き目なしか!」
四つ足で走るゾンビはすぐそこまで迫ってきていた。
「もっとスピードを上げろ!」
利之が運転席に向かって怒鳴るが、運転席には聴こえないのか反応すらしてくれない。
「くそっ!」
頼斗はドラグノフのマガジンに入っている弾丸をすべて撃つ。
タンタン
しかし、どれも当たらずに空を切る。
軽トラックは玉川通りに差し掛かる。
車は交差点下のトンネルを潜ろうとするが、四つ足で走るゾンビはもう手を伸ばせば届きそうなほど近づいていた。
ダンッ
四つ足で走るゾンビが飛び上がる。
「うわぁぁぁぁ!」
「きゃぁぁぁぁ!」
「わぁぁぁぁ!」
荷台の頼斗達は叫ぶ。
ゴシャッ
四つ足で走るゾンビはトンネルの上にぶち当たり、そのまま下に落ちると動かなくなる。
その光景を走る軽トラックから見ていた頼斗達は唖然としていた。
「は・・・ははは・・・」
「た・・・助かった・・・」
「死ぬかと思いました・・・」
車は世田谷通りに入る。
「世田谷・・・」
頼斗がそう呟く。
車は世田谷区役所のすぐ近くまで来ていた。




