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リアル キール~デッド アイランド~  作者: タコ中
首都非常事態宣言
39/68

記憶39 マニュアル

一方、女子ルームでは全員が風呂に入り終えてゆっくりくつろいでいた。


「それにしても誰も散弾銃とかには突っ込まないよね」

「そうですね。何で気づかないんでしょうかね?」

「モデルガンだと思ってるんじゃないですか?」

「う~ん・・・いくら考えても分かんないわね・・・」


和花はテレビのリモコンを取るとテレビをつける。

テレビでは首都圏に非常事態宣言が発令されたことと同時進行で世界各国のことを伝えていた。


『世界各国で同時にバイオテロが起こっています!海外では全くと言って良いほどバイオテロに対する対策が取られておらずに現在バイオハザードは全世界に広がりつつあります!アメリカのニューヨークでは大規模火災が発生しており、消化活動は感染者による妨害で全く進んでおらず火災は広がっている模様です。中国では都市部に住む人々が過疎地域へ逃げるための車で交通渋滞が起こり、各地で事故が多発しているようです。現在わかっているだけで68ヵ国でバイオハザードが確認されています』


「いよいよ世界の終演ね・・・」

「なに中二病みたいな発言してるんですか」


優衣が和花の背中を叩く。


「イタっ!」

「先輩らしくありませんよ」

「いや・・・中津軽ファッションビルで捕まえた男が言ってたのよ」

「捕まえた?」

「爆風で肉塊になったけどね」

「よく生きてましたよね」

「奇跡よね」


外ではサイレンの音が鳴り響いていた。


「散弾銃とかどうにかしないとダメね・・・」

「シーツで包めば大丈夫よ」

「逆に怪しいですよ」

「でもそれぐらいしか今は準備できないし・・・」

「バレたときはバレたときで警察もいるんですし大丈夫ですよ」

「そうかな・・・」

「とにかく今日はもう寝ましょうか」

「そうですね」


部屋の電気を消すと外の街灯の明かりが入ってくる。


「この電気も消えるんですかね?」

「さぁ?今の総理がバカじゃなければ日本は大丈夫でしょうね」

「期待するしかないですね・・・お休みなさい」

「お休み~」

「お休みなさい~」


三人は眠りについた。




頼斗と利之はまだ起きていた。


「お前のじいちゃん世田谷区のどこにいるんだ?」

「親戚の所って言ってましたから多分世田谷区役所の近くかと」

「それなら世田谷区役所に避難してるだろうな」

「してないと思いますよ」

「何でわかるんだよ」

「だって、親戚のおじさんも猟銃持ってますもん。しかも、日頃から「ワシは避難などせん!それなら家で籠城じゃ!」なんて言ってますから」

「男らしいじいさんだな」


利之はベットに入ると携帯を見る。


「着信は・・・無いな」

「俺もありませんよ」

「お互い寂しいな」

「はい・・・」


頼斗と利之も眠りについた。








朝は外から聞こえる悲鳴と共に全員の目が覚める。


「きゃぁぁぁぁ!」

「うわぁぁぁぁ!来るな!」


頼斗は飛び起きると外を見る。

ホテルの前の道路にはゾンビがうろついており、死体をむさぼっていた。


「ここまで来たのか・・・」

「そりゃそうだろな」


利之がテレビをつけるが昨日まで映っていた汐留のテレビ局のチャンネルは映らなくなっていた。

チャンネルを変えるが、映らないチャンネルが多かった。


「知らせがある。大阪でも同じことが起こったらしい」

「え!?関東だけじゃないんですか!?」

「どうやら今朝バイオテロがあったらしい。でも大阪は何とか鎮圧できたみたいだがな」

「それともう一つ知らせがある。政府は首都機能をすべて札幌に移したらしい」

「それって・・・」

「そうだ。お偉いさん方はさっさと逃げたって訳だ。ちなみに羽田空港は使えないぞ。航空機事故があったんだってさ」

「海外に逃げるきはありませんよ。英語話せませんから」


利之が時間を見ると6時50分になっていた。


「そう言えばどこに集合するか言ってねぇよな」

「そうですね。ロビーじゃないですか?」

「そうだな。ロビーに行ってみるか」


ロビーに向かうと早くも優衣、和花、亜理砂が待っていた。


「これからどうするのよ?」

「もう車使っちゃいましょうよ」

「そんなこと言ったって停車中の車のほとんどに鍵がかかってるだろうし・・・」

「警察なら警察車両もらえばいいじゃねぇか」

「ここら辺警察署あったっけ?」

「知りませんよ」

「・・・この先で道路工事やってなかったか?」

「どうしたんですか?辻さん」

「道路工事ならトラックぐらい止まってるだろ」

「それって一か八かの賭けじゃないですか!」

「どうせここにいても飢え死にするんだ。それならパーっとやろうぜ」

「分かりました。そうしましょう」


頼斗達はビジネスホテルから出る。

すると、ゾンビが数対頼斗達に気が付き、寄ってくる。


「来やがった!」


利之がグロック18を構える。


「待って!」


優衣が利之を止める。


「何なんだよ!」

「銃声で集まってくるじゃないですか!」

「・・・そうだな」


頼斗達は産業道路まで出ると少し進んだところで下水道工事現場がそのまま放置されていた。

下水道工事現場には軽トラックぐらいしか止まってなかった。


「軽トラかよ・・・」

「私が運転するからみんな早く乗って!」


運転席に和花が乗り込み、助手席には優衣が乗り、他は荷台に乗る。

すると、ゾンビが一体寄ってくる。


タン


頼斗が近寄ってきたゾンビを撃った。

その銃声でゾンビが余計に寄ってくる。


「早く出してください!」

「分かってるけど・・・マニュアル苦手なのよ!」


ガクンガクン


車体が大きく揺れたあと車のエンジンが止まる。


「エンストしてないで早く出せよ!」


ゾンビが車の前に集まる。


ドン


亜理砂が上下二連式を放ち、ゾンビが吹っ飛ぶ。


ドルゥン


車のエンジンがかかり、急発進をする。


「うわぁ!」

「きゃっ!」

「っつ!」


荷台の頼斗達は荷台の縁に掴まり振り落とされないようにしていた。


ドン


軽トラックはゾンビを轢きながら産業道路を進んで行く。

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