記憶25 反政府武力団体
和花が運転するワンボックスカーは前を塞がれ、逃れようとバックしたが後ろもトラックで塞がれてトラックに衝突してしまった。
「いててて・・・」
「一体何なんだよ」
ワンボックスカーの後ろの窓は衝撃で割れてしまっている。
先程まで寝ていた頼斗と亜理砂もこの騒ぎでさすがに起きてしまった。
「これって歓迎はされてないよね・・・」
「でしょうね・・・」
前のコンテナトレーラーから人が降りてくる。
コンテナトレーラーから降りた人は手にM16A4が握られていた。
「全員伏せて!」
和花の声と共に頼斗達はシートに身を隠す。
ダダダダダダ
「うわぁぁぁぁ!」
「ぎゃぁぁぁぁぁ!」
「やめてくれぇぇぇぇ!!」
前の逃げ遅れた乗用車の避難民が撃たれる。
「くそっ!」
頼斗がドラグノフを車内で構える。
頼斗はM16A4を乱射している男性にスコープを覗いて標準を合わせる。
「バカ!伏せろ!」
利之が頼斗の頭を掴んでシートに押し付ける。
パァン
押し付けた瞬間に車のフロントガラスに蜘蛛の巣状のヒビが入る。
「いてぇぇぇぇ!」
「ぐはっ!」
外ではまだ避難民の断末魔が聞こえる。
「すぐそこの商店に突っ込むからすぐに降りなさいよ!」
和花はアクセルを思いっきり踏む。そして、ハンドルも切る。
グォォォ!
車のエンジンが唸りをあげる。
ガシャァァン
車は近くのビルの1階にある喫茶店に突っ込む。
車は喫茶店内にある机や椅子を蹴散らし店内で止まる。
「無茶苦茶だ!」
「いいから降りて!」
バン
和花は乱暴にドアを開けると喫茶店の奥に進む。
頼斗達もすぐに降りて和花を追いかける。
頼斗達は喫茶店の厨房を抜けて裏口に出る。
「どこいくんだよ」
「とにかくどこでもいいから隠れるの!」
喫茶店から声が聞こえてくる。
「アイツ等どこ行きやがった!?」
「探せ!まだ近くにいるはずだ!」
「ね。言ったでしょ」
「あぁ。分かったからそこのパーキングに入ろうぜ」
利之が指差す先にはパーキングエリアが建っていた。
五人はパーキングエリアに入る。
パーキングエリアには車が駐車されたままだった。
「誰もいませんね」
「逆に誰かいたら困るけどね」
五人はパーキングエリアの最上階まで来ていた。
「ここで休みましょうよ~」
「それには賛成だな」
五人は車の影で休む。
「アイツ等何なんだよ」
「警察でも知らないわよ」
「だろうな」
利之がヒラヒラ手帳を見せている。
「何か知っているのね」
「ジャーナリストなめんじゃねぇぞ」
利之は手帳をパラパラとめくる。
「あった・・・えーと・・・アイツ等は反政府武力団体だな」
「反政府・・・なんだって?」
「反政府武力団体。四年前の封鎖事件の時に家族が感染して目の前で自衛隊や警官にその家族を殺された奴等の集まりの武力版だ」
「ここは日本ですよ。武器なんて手に入るわけが無いですよ」
亜理砂は全くもって信じていない様子だった。
「いや・・・手に入るな・・・」
「へぇ・・・その考え斎藤くん聞かせてよ」
「簡単だよ。日米共同上陸作戦が失敗して壊滅した自衛隊やアメリカ軍の装備なら手に入るからな・・・」
「なるほど」
「まぁ、今はそんなことは置いといて何とかして中央管理棟にいかないと不味いんだけどな・・・」
話していると外から微かに声が聞こえてきた。
「・・・話し声が聞こえるな」
「バレたか・・・?」
よく耳を済ますと声が聞こえる。
「おいこの警察手帳・・・」
「さっきの奴等だ!」
「このパーキングエリアの中だ!他のやつらも呼べ!」
頼斗、亜理砂、利之は和花と優衣を見る。
和花は自分の警察手帳を出して見せる。
優衣はポケットを叩いていた。
「テヘッ」
優衣は可愛い子ぶって誤魔化した。
題名を「てへぺろ(・ω<)」にしようか迷いましたがふざけすぎだと思いあの題名にしました。
感想など待ってますよ。




