記憶23 垂直離着陸機V-22
病院の屋上ではオスプレイが狭い屋上に着陸しようとゆっくり降下していた。
自衛隊員や避難民は5階のベットなどを使って階段を完全に塞いで誰も通れないようにした。
「皆さん!屋上に上がってください!」
自衛隊員の誘導で避難民達は屋上に上がっていく。
屋上ではオスプレイが着陸をして避難民を乗せていた。
「女性や、子供、老人が先です!」
妊婦や、子供連れの女性が乗り込んでいく。
すると、避難民を3分の2ほど乗せた辺りでオスプレイの中が一杯になった。
「おい!乗せろよ!」
「まだ詰めれば乗れるだろ!」
オスプレイの乗務員に罵声が浴びせられる。
「次を待ってください!」
乗務員はオスプレイに乗ると、後ろのハッチを閉める。
オスプレイは屋上から飛び立っていった。
屋上では乗れなかった避難民達が途方にくれていた。
「くそっ!バリケードが持たないぞ!」
「食われたくねぇよ!」
「早く来いよ!」
ビュゥゥ
風が吹き、屋上に干されているシーツが揺れる。
ババババババ
「来た!」
「今回は早いな」
今度もオスプレイが向かってきた。
数人の避難民は手を降っている。
ビュゥゥゥゥ
すると、突然突風が吹き干されているシーツが飛んでいった。
オスプレイも突風で機体が安定せずにグラグラ揺れていた。
「ねぇ・・・あれってあんなに安定しないものなのか?」
利之が和花に質問する。
「いや・・・普通はもう安定してもいいんだけど・・・」
ビュゥゥゥゥ
再び突風が吹く。
オスプレイが大きく揺れ、病院に向かってくる。
「突っ込むぞー!」
屋上にいた人たちは病院のなかに戻ろうとする。
それでも、オスプレイは病院に向かってくる。
ゴシャァン
病院の建物全体が軽く揺れる。
「最悪だ!」
和花が5階に戻る。
そのあとに続いて他の人達も5階に降りる。
5階のふれあい広場にオスプレイが突っ込んで下の階のふれあい広場も見えていた。
「吹き抜けになったな」
「冗談いってる場合じゃないです!」
利之が冗談半分で言ったことに優衣がキレる。
「どうすんだよ!階段は使えないし、エレベーターの1階はゾンビがうようよいるし、バリケードもうそろそろ壊されるぞ!」
避難民の一人の男性が言う。
一人の男性が手をあげる。
「すいません・・・」
「どうしました?」
「この病院で働いたんで分かるんですが、食事を運ぶときに使うエレベーターは使えませんか?」
「何処に繋がってるんですか?」
「外から食事は持ってくるので・・・地下駐車場に繋がってるはずです」
「それしかないわね」
避難民や、自衛隊員達も食事運搬用エレベーターに向かった。
エレベーターは食事を各階に運ぶためだけの物でそこまででかくはなかった。
「半分に分けて行きましょう。最初は避難民からでお願いします」
避難民達はエレベーターに乗る。
そこにドラグノフを持った頼斗と、上下二連式散弾銃を持った亜理砂も乗り込む。
「ゾンビが出たときはよろしくね」
和花はそう言うと、エレベーターのボタンを押す。
エレベーターのドアがしまり、1階にエレベーターが下がっていく。
エレベーターが1階に着くと、扉が開き食事を大量に運べる台車が並んでいる部屋に出た。
避難民達や、頼斗達が出ると扉が閉まり、上に上がっていった。
「・・・武器持ってるお前が行けよ」
避難民の一人の男性が頼斗に言う。
頼斗は逆らうことなく部屋の扉を開ける。
すると、地下駐車場に出た。
地下駐車場にはゾンビの姿はなく、乗用車や救急車が止まっているだけだった。
5階のエレベーター運搬用エレベーター前では自衛隊員や優衣、和花がエレベーターを待っていた。
ガシャン
階段の方から音がする。
「バリケードが壊されたか!」
チン
エレベーターが5階に着き、扉が開く。
「早く乗り込め!」
廊下の奥ではゾンビが迫ってきていた。
エレベーターに全員乗り込むと、ボタンに近い自衛隊員がエレベーターの中から外にあるボタンを押す。
エレベーターのドアが閉まる。
ガァン
「わっ!」
「ひっ!」
「きゃ!」
ゾンビが扉を叩いたことで数人が驚く。
エレベーターは地下1階に無事に着く。
扉が開くと自衛隊員や和花、優衣は部屋を出る。
地下駐車場には避難民が車のボンネットに座ったり、地面に座ったりして休んでいた。
オスプレイ勝手に配備させてもらいました。
感想待ってます!




