記憶22 捨て身技の犠牲
自衛隊員や、和花、優衣は持っている装備を男性の横のテーブルに置く。
「そうだよ!大人しくすればそこの馬鹿みたいにならなくてすむんだからな!」
男性は89式小銃を持つと、避難民の群衆に向ける。
「次は装甲車の鍵だ」
近くの女性自衛隊員が鍵を投げて男性の前に落とす。
「ははっ♪これで良いんだよ」
男性はテーブルに積まれた銃を全部持っていこうと抱えている。
すると、頼斗があることに気が付く、そして、それを亜理砂にヒソヒソと言った。
「・・・中野は何処いった?」
「そう言えばさっきから姿を見せませんね」
ガチャ
「ヒソヒソ話はいけないなぁ」
男性が89式小銃を頼斗に向けている。
「あ・・・いや・・・その・・・」
「ん?どうした?言ってみろよ」
「何もないです・・・」
「何もないわけ無いだろ・・・怒らないから言ってみろよ」
「本当・・・何もないです・・・」
「あ!?こんな状況で文句がないはずねぇだろうがよ!」
男性は突然キレる。
ガララララララ
突然何かが向かってくる音がして、避難民の群衆に中から病院のベットが出てきた。
ベットを押していたのは卓だった。
「くたばれ!」
「ひっ!」
男性はとっさに引き金を引くが、セミオートに切り替わっており、一発の銃弾しか発射されなかった。
パン
バシュッ
「うぐっ!」
銃弾は卓の右肩を撃ち抜く。
卓は一瞬よろめいたが、すぐにたち直して男性へとベットを押す。
男性は何故銃弾が一発しか出なかったか分からずにに混乱している。
「何で一発しか出ねぇんだよ!」
「うおおおおおおおお!」
ドゴッ
「ゲフッ」
卓が押すベットが男性に激突する。
しかし、ベットはまだ止まらずに卓の後ろの大きいガラスを突き破る。
バリィン
二人はバンジージャンプをしたときのような浮遊感を感じていた。
(俺・・・死んだな・・・)
男性は完全に白目を向いて気絶していた。
卓には落ちているこの瞬間がスローモーションに見えた。
(・・・生きてきて30年以上立つけど一回も本当の武勇伝は言ってないな・・・でも、これが人生で最初で最後の武勇伝だな)
卓の目の前にドンドン地面が迫ってくる。
卓は目を閉じる。
ドォォォン
男性が巻いていたダイナマイトが爆発を起こした。
頼斗は割れたガラスから下を見ると、もくもくと黒い煙が立ち込めていた。
「おっさん・・・」
亜理砂がも下を見ている。
「・・・あの人に命を救われたんだね」
「・・・そうだ」
頼斗が下を見ているとあることに気が付く。
「この真下って正面入り口じゃなかった?」
その言葉を聞いた全員は顔が真っ青になった。
「不味い!バリケードが壊れたかもしれない!」
一人の男性が一階に向かっていった。
「私も見てきます!」
そのあとに続いて優衣も一階に向かっていった。
しばらくして和花に無線が入る。
『バリケードが爆風で壊れてます!そこから大勢のゾンビが入ってきてます!』
「対処できそうか?」
『無理です!』
「だったら防火扉を閉めて上がってこい!」
『分かりました!』
和花が無線を切ると、ため息をついた。
「ヤバイわね・・・」
自衛隊員はすぐにテーブルに置いてある銃を持つと、階段に向かっていった。
「どうするんだよ!」
「救助を呼べよ!」
避難民達が和花に駆け寄って罵倒を浴びせる。
「良いか!?死にたくなかったら階段にバリケードでも作れ!グダグダ言う前に行動しろ!」
突然和花が怒り、それに圧倒されたのか避難民達はベットや、車イスなどを階段に運び始めた。
階段からは発砲音が聞こえる。
すると、突然大きな音が聞こえてくる。
ババババババ
「この音って!」
「ヘリのローター音だ!」
避難民の数人が外を見ると、空には着陸体制に入っているオスプレイが見えた。
今回は友達の考えてくれたものです。
感想待ってます!




