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リアル キール~デッド アイランド~  作者: タコ中
うみほたる島立中央総合病院
20/68

記憶20 おいしい唐揚げ

(・・・ここは?)


目が覚めたのは亜理砂だった。


(縛られてる!?)


亜理砂は起き上がろうとするが、手足を縛られて口にはガムテープが貼られていた。

亜理砂の目の前には卓と頼斗がパイプ椅子に縛られていた。

卓はもう起きていたが、頼斗はまだ気絶している。

卓は口にガムテープが貼られていなかった。


「おい!大丈夫か?」


亜理砂は喋れないので頷いた。


「待ってろ!今ロープを解く・・・から・・・な」


卓は必死にロープを外そうとするが、切れそうもない。


「俺が本気を出せば・・・!」


ロープはびくともしない。


「腹が減って駄目だ」

(なんだろこの人・・・)


亜理砂が回りを見回すと、段ボールの山や、書類が保管されている棚がある部屋だった。


ガラッ


部屋に一人の男性が入ってくる。

手には皿を持っている。


「おい!何だテェメは!」


卓が騒ぎ出したせいで頼斗が起きる。


「何で縛られてんだ!」

「おい!質問に答えろ!」

「んー!」


それぞれが好き勝手に色々いっている。


バチチッ


男性がスタンガンを出して電気を走らせた。

その場の全員は一瞬にして黙った。


「お前らには縛ったお詫びとして唐揚げを作ってやったよ」


男性は唐揚げを見せる。


「うまそうだな」

「だろ。最高級の肉を使ってるんだぜ」


男性は卓に唐揚げを一個食べさせる。


「うめぇ!食ったことねぇ味だ!」

「ほらお前も食えよ」


男性は頼斗の口には唐揚げをグリグリ押し当てる。


(中野が大丈夫ってことは大丈夫だろ・・・)


頼斗も口を開けて食べた。


「うまい!」

「何の肉を使ってるんだ?」

「そこら辺の肉だ」

「良い餌でも食ってんだろうな」

「おう!良い餌は食ってるよ」


男性は近くの箱をおもむろに持ってくる。


「この中に食材が入ってるぞ」


男性が箱をひっくり返す。


ボトボト


中から出てきたのは女子の頭や、腕だった。箱からは血がポタポタと流れ落ちている。


「ひっ!」


卓が悲鳴をあげる。


「まさか俺らが食ったのって・・・」

「ご名答!人間唐揚げだ」


「うっ・・・げぇぇぇぇぇ」

「げぇぇぇぇぇ」


二人はその場で吐いてしまう。


「おいおい・・・吐くことはねぇだろ」

「う・・・うるせぇ!人間なんて食わせんじゃねぇ!」


卓がパイプ椅子をガタガタと揺らしている。


「でも上手かっただろ?」

「・・・」


二人は否定することはできなかった。


「これは人間としてやっちゃダメなことだ!」

「何でだ?」

「・・・それは」


男性は立ち上がると、亜理砂に近づいていく。それを二人は無言で見ていた。


「よく考えてみろよ、動物はそれなりに調合されたものを食べている。それに比べ人間は毎日美味しいものばかり食べて、健康にも気を使い・・・こんな動物はなかなかいねぇぞ」


男性は腕を拾い上げると、肉を引き千切って食べ始めた。


「おえっ・・・」


卓が少し吐きかける。


「そんで気づいたんだよね。ゾンビが人を食うのって人間がこの世のなかで一番うまいからじゃないかって」

「それで・・・人を食ったのか?」

「そうだよ。意外と身がしっかりとしてて良いんだよ・・・そりゃ最初は抵抗はあったよ。でも、一口食べるとあら不思議、うまいんだよ。」

「お前は人間じゃない!」

「いくらでも言えよ。そんな縛られた状態じゃなにもできないだろうけど」


男性は腕を床に置くと頼斗のもとに歩いてくる。


ドスッ


男性はおもいっきり頼斗の腹を殴った。


「がっ・・・!」


男性は無表情で何度も殴る。


ドスドスッ


「うぐっ・・・」


頼斗はうつむいて痛みに耐えている。


「次はお前だな・・・」


男性はポケットからペンチを取り出すと、卓の後ろに回る。


「お・・・おい・・・なにする気だ・・・?」


男性はペンチを使って卓の指の爪をつかむと、引いた。


ベリッ


卓の人差し指の爪が剥がされる。


「ーーーーっ!!」


卓は声にならない悲鳴をあげる。


「ははっ♪最高だな」


男性はなにかに満足したのか頼斗達を監禁している部屋から出ていった。


「おい・・・大丈夫か?」

「あぁ・・・何とかな・・・」


卓は目の涙を浮かべている。


「これからどうなるんだろうな・・・」

「おいしいカレーにでもなるのかな」

「出来ればハンバーグがいいな」


「んー!」


亜理砂が縛られたままゴロゴロ転がって行き、部屋の扉にぶつかる。


ドン


そのまま扉の前で暴れる。


ドンドンドンドン


ガラッ


突然扉が開く。

扉の前には和花と優衣がM2013を持っていた。


これで食欲をなくした方がいましたら、すいません。


感想待ってます。

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