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リアル キール~デッド アイランド~  作者: タコ中
うみほたる島立中央総合病院
17/68

記憶17 第二霊安室

「総理大臣も今回の事件で辞任するだろ」

「そうですよね」


利之と頼斗が話をしていると、病室のドアが開く。

そして男性が一人入ってくる。


「あんたは・・・ふれあい広場で拳銃をぶっぱなした・・・」

「そうだ。まだ名前を言ってなかったな。俺は永浜 多一(ながはま たいち)だ。よろしく」

「あ、どうも」


多一と利之は握手を交わす。

多一は頼斗にも握手をする。


「ここに来たのはある頼み事があるからだ」

「まさかとは思うけど、見回りとかじゃないだろうな」

「そのまさかだ」

「何で俺達なんだよ!他の自衛隊は!?」

「他は正面の監視や、本土と通信をとれるように働いていていて手が離せないと、言う訳だ」

「んじゃあ、となりの婦警さん達に頼めよ」

「女性達には晩御飯を頼んであるんだ」

「・・・どうしても行けと?」

「あぁ」

「分かったよ。行けば良いんだろ」

「ドラグノフは持っていかないでくれ。目立つからな。代わりに9㎜拳銃を渡すよ」


多一は頼斗に9㎜拳銃を渡した。


「使い方は分かるか?」

「ゲームで覚えたんで分かります」

「それならよかった。君達には地下一階の地下駐車場と、霊安室を頼む」

「霊安室!?」

「大丈夫だ。幽霊なんて出ないから安心しろ」

「・・・分かりました」


二人はエレベーターは使えないので階段で地下一階に向かった。

地下駐車場から見ることにした。

地下駐車場には何台か車が止まっており、中には和花が運転したワンボックスカーも止まっていた。


「どうかしましたか?」


地下駐車場に入ると、自衛隊員が話しかけてきた。


「いえ・・・一人ですか?」

「違いますよ。一人は救急車の中で仮眠をとってますよ」


自衛隊員が指差す方向には救急車が後ろのドアを開けた状態で止まっていた。その中の担架で自衛隊員が一人寝ていた。


「それじゃあ頑張ってください」

「はい」


二人は地下駐車場を後にした。

霊安室に向かう。


「何でこんな変な作りなんだ?」

「知りませんよ」


霊安室は全部で二つあった。


「第一霊安室・・・」


コンコン


利之がノックする。


「ノックしたところで誰も返事しませんよ」

「そうだったな」


ガチャ


霊安室は真ん中に遺体を置くところがあり、その上には机があった。


「テレビで見るまんまだな」

「そうですね」


次に二人は第二霊安室に入る。


「ひっ!」

「わぁ!」


第二霊安室には遺体が安置されていて、花瓶には花が刺してあった。


「この騒ぎでここに放置されてるんだな」


利之が顔の布を取る。


「綺麗ですね」

「生きてた頃は元気な子だったんだろうな」


遺体は女性で、25歳位だった。

すると、頼斗が床に落ちているものに気が付く。


「ん?何だろ・・・」

「ペンダントだな・・・」


ペンダントを開くと、年をとった夫婦が写った写真が入っていた。


「落ちたんだろ。握らせといてやれよ」

「そうですね」


頼斗は遺体が組んでいる掌にペンダントを握らせた。


「供養は出来ないけど、安らかに眠れよ」

「南無南無」


二人は第二霊安室から出る。

そして、上に上がる階段に向かっていた。

すると、向こう側から白いワンピース姿の女性が歩いてくる。

利之は軽く会釈をすると、女性も軽く会釈をした。

頼斗とすれ違うときに女性は頼斗の耳元で


「ペンダントありがとね」


と囁いた。


「!?」


頼斗は後ろを振り向く。

すると、女性の姿はどこに無なかった。

頼斗が前を見ると、利之も後ろを見て信じられないという顔をしている。


「・・・いい笑顔でしたね」

「・・・これで未練も残ってないだろ」


二人は第二霊安室に向かって手を合わせると階段を上がっていった。

今回はイイハナシダナー?


感想待ってます。

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