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リアル キール~デッド アイランド~  作者: タコ中
うみほたる島立中央総合病院
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記憶15 うみほたる島立中央総合病院

車は西大橋前の交差点で止まる。


「行けるかしら・・・?」


西大橋には軽機動装甲車と10式戦車でバリケードが作られていたが、見ただけでも20体のゾンビがうろついていた。

何体かはエンジン音に気がついて車に向かってきている。


「それよりこの橋崩れそうじゃないですか?」


頼斗の言う通りで西大橋の所々にヒビが入っていた。


「戦車なんて重たいもの置くからだな」

「とにかくさっさと進むから何かに捕まってなさい!」


ブォン


車が急発進をする。

車は戦車と装甲車の間の隙間をギリギリですり抜ける。


バギィン


両サイドのミラーが落ちる。


「当たってるぞ!」

「通ったから問題なし!」


ドン


急に飛び出してきたゾンビを轢く。


「今引きましたよ!?」

「気のせい!」


車は西大橋を渡りきる。


「なんとか渡れたな~」

「ここからどこに向かうんですか?」

「ここからだと・・・」


和花は車についているカーナビを見る。


「中央総合病院ね」


中央総合病院の正式名はうみほたる島立中央総合病院でうみほたる島唯一の病院で外科から内科まで様々あり、緊急の患者にもしっかりと対応してくれる病院である。


「でも病院って4年前の教訓から言ったら・・・」

「そうね。確かに4年前の石川県隔離封鎖では公共施設に人が殺到して感染者も誰も区別できずに収容して壊滅したとは言ってたけど、自衛隊もいるはずだから大丈夫よ!」

「それなら良いんですけど・・・」


パシャッ


車の中が一瞬光る。


「辻さん!ビックリするじゃないですか!」


優衣が怒る。


「スマン・・・ジャーナリスト魂が・・・ね」

「昼間なんですからフラッシュは止めてください」

「分かった分かった」

「さっさと行くわよ」


再び車は走り出した。


「病院に入れてくれますかね?」

「入れてくれるでしょ」


車は大通りを進んでいく。

北エリアの通りの真ん中には放置車両は一台もなかった。


「何で車が端にしっかりとよってるんですか?」

「それは、自衛隊が北エリアから人を避難させるときに交通規制をかけて一般車両の通行禁止にしたからよ」

「へー」

「それは良い情報だ・・・」


利之は必死にメモを取っている。


「この角を曲がれば病院よ」


交差点を曲がると病院が見えた。


「火災とかは無さそうですね」


病院の入り口はバリケードがしっかりと作られており、車で突っ込まない限り壊れないようなしっかりとした作りだった。


「・・・ゾンビがうろついてるわね」


ゾンビは数対入り口のバリケードを引っ掻いたりしているがびくともしていない。

とりあえず、和花は車を入り口に近づけてみた。

すると、中から人がガラス越しに何かを見せている。


「文字が小っちゃいわね」

「俺のカメラで見てやるよ」


利之はデジタルカメラのズーム機能で見る。


「ん?・・・地下駐車場から入れ?」

「んじゃ、地下駐車場に向かうわね」


ガリガリ


ゾンビが車を引っ掻き始める。

和花はお構い無く車を走らせた。

地下駐車場の入り口では自衛隊員が手を振っていた。

車が地下駐車場に入ると、自衛隊員はおもむろにロケット花火を飛ばした。


パァン


遠くでロケット花火が爆発する。

ゾンビが音の方向に向かって歩き始める。

自衛隊員がそれを確認すると、地下駐車場の入り口のシャッターを閉める。

和花は地下駐車場の空いているスペースに車を止めてエンジンを切る。

自衛隊員が駆け寄ってくる。


「警官ですか?」

「見りゃわかr・・・ムグッ」


優衣が和花の口を塞ぐ。


「うみほたる警察署交通科の小笠原と田原です」

「お勤めご苦労様です!」


自衛隊員は敬礼をする。


「この病院には何人くらい収容されてるんだ?」


利之が聞くが、自衛隊員の目は亜理砂と頼斗の持っている銃に目が止まる。


「その銃は・・・?」

「これは・・・祖父の形見です!」

「散弾銃もか?」

「そうです!」

「・・・。」


自衛隊員はしばらく黙り混む。


(・・・ダメか?)


「所持を許可しよう」

「本当ですか!?」

「しかし、安全装置をしっかりとかけておけよ。暴発でもされたら困るからな」

「ありがとうございます!」


頼斗は頭を下げる。


「それでは病院内に案内しますのでついてきてください」


気が付くと他の自衛隊員が来ていた。

頼斗達はその自衛隊員に着いて病院内に入った。

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