記憶14 団体行動の大切さ
五人は裏口を目指して公民館内を走る。
すると、裏口の鉄の扉にたどり着いた。扉の上では非常口の看板が光っている。
「開かない!?」
和花が扉を開けようとするが鍵がかかっていて開かない。
「ショットガンを使えば良いんじゃないか?」
利之が亜理砂の持っている上下二連式散弾銃を指差す。
「駄目だよおっさん。跳弾が怖い」
「そんなもんなのか・・・」
「とにかくぶち破るわよ!」
ガァン
和花が扉にタックルをした。
「見てないで手伝いなさいよ!」
「あ・・・あぁ・・・」
「お・・・おう・・・」
三人でタックルをした。
「せーの!」
バガン
扉が開く。
バリィン
「今の音は!?」
「正面が破られたんだ!」
「急いで!」
五人が公民館から出ると、和花が扉を閉める。
ドン!
「っつ!」
和花が押さえている扉にゾンビが体当たりをした。
「そこの自販機を倒して!」
扉を押さえるのに優衣と、亜理砂も加わった。
「行くぞおっさん!」
頼斗と利之が自動販売機の側面につくと倒し始めた。
「いっせーので!」
ドン
「あぶなっ!」
自動販売機が倒れて扉をふさいだ。
「潰されるところじゃないの!」
「倒せっていったの誰だよ!」
「・・・まぁまぁ、そこら辺にして・・・」
公民館の裏口の扉からは扉をたたく音が休むことなく聞こえてくる。
「早く南エリアに行かないと日が沈みますよ」
「そうね・・・でも車がないと・・・」
「正面ならパトカーが有るんだけどね・・・」
「かれこれ和花先輩は2台の車をお釈迦にしてるんだけどね・・・」
「何か言った?」
「別に・・・何も・・・」
「良いから探そうか」
「そうですね」
公民館の裏を抜けて少し広めの道に出ると、ゾンビが数対うろついていた。
「どうします?」
「引き返すにも引き返したら公民館の駐車場に向かうことになるし・・・」
「派手にやるか」
利之がグロック18を取り出す。
「できる限り固まって行きましょう」
五人は銃をそれぞれ構えながら進む。
タン
頼斗がドラグノフを撃つ。
バシャッ
ゾンビがその場に倒れる。
「ヒュ~」
利之が口笛を吹く。
「茶化さないでくださいよ」
パンパン
「そんなことしてないで手伝いなさいよ!」
優衣が文句を良いながらゾンビに向かってM2013を撃つ。
すると、路上にシルバーのワンボックスカーが目に入った。
「あった!無事な車!」
亜理砂が車に向かって走り出す。
「ちょっと!危ないわよ!」
和花が叫ぶが亜理砂には聞こえていないようだった。
「これで歩かなくて済む・・・」
すると、ワンボックスカーの影からゾンビが飛び出してくる。
「きゃぁぁぁぁ!」
亜理砂が悲鳴をあげる。
「銃を使え!」
頼斗が亜理砂の所へ走りながら言う。
(銃・・・?)
亜理砂は無我夢中で上下二連式を構えて撃つ。
ドン
ゾンビが少し吹っ飛んで倒れる。
「・・・ハァ・・・ハァ」
亜理砂はワンボックスカーに寄り掛かる。
「大丈夫?」
和花達が追い付く。
「なんとか大丈夫です」
「もう一人で突っ走らないこと。良いね?」
「・・・はい」
和花はもう車に乗り込んでいた。
「また事故るんじゃないですか?」
「え?事故るのか?」
「この人のせいで死にかけたんですから」
「何か心配だな」
それぞれ車に乗り込んで安全のために全員シートベルトをした。
「どこに向かう気ですか?」
「ここからだと東大橋が近いけど、特に主要な建物はないし、橋を越えてしばらくしたら、あのファッションビルもあるから中央大橋から行きましょ」
「運転手にお任せします」
車はゆっくりと走り出して西大橋に向かった。
北エリアを走るが、町は静まり返って、車のエンジン音と、車が水を掻き分けて進む音くらいしか聞こえない。
「静かね・・・」
「生存者はいないんですかね?」
「いたとしても今の私たちじゃ助けることなんてできないわ」
「そうですよね・・・」
次第に中央大橋が見えてくる。
中央大橋には車線を塞ぐようにしてパトカーでバリケードが作られていたが、生きている人は誰もいなかった。その代わりにゾンビがうろついていた。
「通れませんね」
「西大橋しか無いわね」
車はそのまま中央大橋を通り過ぎると西大橋に向かった。
少し更新が遅い場合がありますが勘弁してください。
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