イチャイチャしてなにが悪い
はい、お祭り当日です。
ギリギリの時間まで眠ってやろうと思い、解散してから爆睡していた私は今、アカネさんに叩き起こされてお出かけの準備をしています。
集合時間はお昼の13時。
宿の入口で集まって、まずは適当に見つけた場所で昼食でもする予定です。
そのあとは……特に決まっていません。
どうせミリアさんが勝手にそこら辺を歩き回ると思うので、私たちはそれに付き合えば大丈夫でしょう。
一日目はそんな感じで全員でゆる〜く楽しみます。
二日目は自由行動なので、ウンディーネとアカネさん、私だけでデートをする予定です。
こちらも行き先は決まっていませんが、今日辺りで良さげなデートスポットを見つけたいですね。
「ほれ、両手をあげるのじゃ」
「……はーい」
「今日の服装は……うむ、これにしよう。リフィもこれで良いか?」
「……いいですよぉ」
「…………全部とは言わぬから、少しでも考えてくれぬか?」
「んー、アカネさんを信頼してるのでぇ……アカネさんが選ぶものなら、私はなんでもいいですよ〜」
「っ、そ、そういうところがズルいのじゃ!」
毎日のことですが、私のお洋服は全てアカネさんが決めています。
ファッションに無関心で、いちいちお着替えするのも面倒臭いという私の性格を理解したのか、放っておくと毎日同じ服しか着なそうだからと、いつしかアカネさんが身の回りのお世話をしてくれるようになりました。
おかげで私のマジックボックスには、私用のお洋服が沢山入るようになりました。
全てアカネさんが洋服屋で買ってきたものです。私に似合う服をコーディネートしてくれたと思うと、これらを無下に扱うこともできませんね。
『リーフィア、アカネ……ミリアちゃんたち、もう準備できたみたいだよ?』
「予想より早いな。……すまぬ。まだこちらの準備は終わりそうにないと伝えてきてくれるか?」
『えっと、どうせ遅くなるだろうからって、今日の予定を立てておくからゆっくりでいい、って……ヴィエラが言ってたよ』
「こうなることを見越していたか。さすがはヴィエラじゃな。ウンディーネも伝言役ありがとうじゃ」
『うんっ! どういたしまして!』
和気藹々と話しながら、連携を取る二人。
それを見守りながら、再び夢の世界へ行こうとする私。
今日も夫婦は平和です。
〜Fin〜
「勝手に終わろうとするな」
「あいたっ」
ぺしっ、と頭部を叩かれます。
「なにをするんですか、もー」
「もー、ではない。余計なことを考えているお主が悪い」
いや、そもそも……よく私の考えていることがわかりましたね?
何ですか。アカネさんはエスパーの素質でもあるんですか。
「愛する者のことくらい、顔を見ただけでわかるに決まっている」
「え、まじですか……」
「当然じゃ。のぅウンディーネ?」
『えっ!? あ、う、うんっ! もちろん、だよ!』
完全に目が泳いでいます。
無理なら無理って正直に言えばいいのに……。
『む、無理じゃないもん! リーフィアと付き合いが長いのはうちだから、考えていることなんてすぐに、わ、わかるんだから……!』
「へぇ? では、私が今なにを考えているか、当ててくれます?」
『……え?』
「私の考えがわかるのでしょう? なら、当ててみてください」
ウンディーネはたじろぎ、圧に屈したのか一歩下がります。
「まぁまぁ、そうウンディーネをいじめてやるな。可哀想じゃろう?」
「ちなみにアカネさんは『リフィ大好き愛してるずっと一緒にいたい。もっと好きって言ってほしい』と考えていますよね?」
「!?」
「あ、ウンディーネも同じ考えですよね?」
『!?』
途端に顔が真っ赤になる二人。
あらあら、可愛いですね。この表情を永久保存したいくらいで────。
「イチャイチャしてないで早く準備しろーーーー!!!!!!!」
うわー、うるさい人きたー。




