表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

240/252

大集合でした


 ………………苦しい。


 夜、私は息苦しさに目を覚ましました。

 寝ぼけ眼をこすりながら意識を覚醒させ、その原因を辿って「ああ……」と溜め息混じりに呟きます。


 案の定、私の知り合いが大集合していました。


 ウンディーネやアカネさんは勿論のこと、いつの間にか侵入してきたミリアさんや、シルフィードまで私のベッドで眠っていました。


 ところどころ青色や緑色に光っているのは、眷属の微精霊でしょうか?

 クリスマスの飾りかってくらいに眩しく輝いていますが、睡眠妨害にもほどがありますよね。

 逆にどうしてみんなは気にせず眠っていられるのか……ああ、細かな微精霊まで肉眼で見えるのは、同じ精霊を除いて私だけでしたね。


 そういえば、昼間にシルフィードは『精霊は睡眠が不要だ』と言っていませんでしたっけ? ……あれはどうしたのでしょう。試しに寝てみたら、普通にハマったってところでしょうか?


 まぁ、いいです。


 ……いや、良くないんですけどね。

 現にベッドの主が息苦しさに目覚めるって最悪ですからね。


「よっ、こいしょ……っと」


 皆を起こさないようにベッドから抜け出します。


「……ん……んぅ…………リフィ?」


 と、部屋を去ろうとしていた私の背中に声が掛かります。


「あれま、起こしちゃいましたか? アカネ」

「気に、するな……妾が勝手に、起きただけ、じゃ……ん」


 アカネさんは目を瞑り、唇をもじもじと動かします。

 これはキスをお願いする時の合図です。言葉にして言えない恥ずかしがり屋のアカネさんらしい、可愛い仕草ですよね。


「はいはい。大好きですよ」


 当然、私はそれに応えてあげます。

 とは言え、今は深夜で周りは皆が寝ている時間。キスは控えめにしました。


 ああ、そんな物足りないって顔をしないでください。

 仕方ないじゃないですか。今は無断使用者が多数いるせいで、ベッドが使えないんですもん。


「リフィ……何処かに行くのか?」

「目が覚めてしまったので、散歩ついでにお茶でも飲もうかなと。アカネはどうします?」

「……ん、行く。旦那様を独り占めに出来るならば、喜んで」

「そうですか。では、一緒に行きましょう」


 手を繋いで、二人で部屋を出ます。


 当たり前のことですが、夜の廊下はとても静かです。

 隣にいる相手の心臓の音さえ鮮明に聞こえて、無意識にそちらを意識してしまいますね。


 昼間とは全く違う雰囲気ですが、私はこちらの静かな方が好みです。

 アカネさんも同じ気持ちなのでしょう。チラッと隣を歩く彼女の横顔は、上機嫌に口元がつり上がっていました。


「……祭り、楽しみですね」

「いつも寝てばかりのリフィが珍しいな。祭りなんて面倒臭いと言いそうなものを」

「幼少期以来のお祭りですから、久しぶりに行きたいと思っただけですよ」


 それに、折角のお誘いですからね。

 どうせ行くなら、楽しまなきゃ損でしょう。


 ……まぁその分、帰ってきたら思う存分引きこもる予定ですけど。


「この世界とは異なる世界の祭りか……惜しいな。妾もリフィの幼少期の姿を見たかった」

「……面白いものではありませんよ。こことは違って姿も違いますし。まぁまぁ容姿は良かったと自負していますが、今ほどではありません。きっと、見てもつまらないものでしょう」

「関係ない。妾が好いているのはリフィの全てじゃよ。たとえ姿が異なっていても、妾は変わらずリフィのことを好きであり続ける」


 ──妾はリフィの嫁じゃからな。

 そう言ってはにかむアカネさんを見て、私は素直に嬉しく思いました。


 前世で、私は誰からも必要とされなかった、

 あの世界でもアカネさんやウンディーネのような、私を好きだと言ってくれる人が居てくれたら、私は異なる人生を歩めていたのでしょうか……。


「アカネ。ずっと、私と一緒に居てくださいね」

「何を今更。妾はあの式場で誓った時、生涯を共にすると心に決めた。それはウンディーネも同じ。どのような困難があろうと、妾達は一緒じゃ」

「…………はい。ありがとうございます」


 本当に、私はこの世界で幸運に恵まれましたね。

 もう望むことはない……とは言いません。私がこの世界で叶えたい願いは、まだ沢山あります。


 でも今は、二人の嫁が居てくれるだけで……満足しています。


いつも応援ありがとうございます。


新作の方も沢山のブックマークと評価をいただけて嬉しいです!


毎日更新していますので、まだ読んでいないという方も覗きに行ってもらえると嬉しいです。


新作には下のリンク

『ある日、惰眠を貪っていたら一族から追放されて森に捨てられました〜そのまま寝てたら周りが勝手に魔物の国を作ってたけど、私は気にせず今日も眠ります〜』の文字を押していただけると、そこから飛べます。


興味を持ってくれた方は、ぜひ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ