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圧倒的な力です




「邪魔を、するなぁぁぁ!!!!」


 凄まじい覇気が漆黒の魔力と合わさり、大気中の空気が大きく震えました。


 これはヤバイやつです。

 肌がピリピリします。




 だからって、引くわけにはいきません。




 アカネは私の大切な婚約者です。


 危険?

 ヤバイ相手?


 ──それがなんですか。

 アカネを守るためならば、私は喜んで彼女の前に立ちましょう。




「リーフィア・ウィンドおおおおおおおお!!」


「アカネは渡しませんよ」


 力任せの拳を受け止め、その衝撃によって足元の地面が砕けました。

 以前に戦った時とは比べ物にならない力です。これも不気味な魔力を得た影響なのでしょう。


「…………にしても、これは……ちょっときっつぃ、かも……」


 筋力強化がある私でも、ギリギリ押されてしまう。

 それなりに身体能力も上がっているとは予想していましたが、まさかこれほどとは……。



「随分と見ないうちに強く、っ!」


 腹に感じた鋭い衝撃。

 気が付けば私は、地面を転がっていました。


「けほっ、ゴホッ……!」


 吐き出した肺の中の空気を取り込もうと何度も咳き込み、咄嗟に体を捻らせて横へ飛び跳ねます。それから一拍遅れて、地面を砕く衝撃が私の居た場所へ降ってきました。


「完全反応……なければ、どうなっていたか」



 流石に死なないにしても、重傷を負っていたでしょう。

 回復魔法を使えるとはいえ、かなり厳しい状況になっていたのは間違いありません。



「リーフィアァァァアアアアアア!!!!!」


 …………にしても、すっごい殺気ですね。

 こんな熱い情熱をぶつけられたら、火傷してしまいそうです。


 私、熱い男は好みじゃないんですよ。


 よろよろと立ち上がり、さてどうしようかと悩みます。

 ここでも私の火力不足が足を引っ張ってきました。何か良い手はないかと探してみようとしますが、その暇も無さそうです。



 ほら、こうしている間に、バリツさんはこちらに──。



「リーフィア! 下がっておれ!」


 再び私のほうへ追撃しようと飛び込むバリツさんの前に、ミリアさんが立ちはだかりました。


「己ぇ……よくも余の大切な部下を!」


 その瞳が真紅に輝く時、魔王の本気が垣間見える。

 彼女の魔眼の前では、誰もが平伏する。




 ──そうなるはずでした。




「ぬ、っ──が!」


 ミリアさんの瞳がバリツさんを捉えるより早く、彼女の体は大きく吹き飛ばされました。

 何度も地面をバウンドし、木にぶつかってようやく止まります。


「くそ……油断、した……」


 力なく倒れ伏したミリアさんの小さな体からは、大量の血液がこぼれ落ちています。

 このままでは危険だと判断した私は即座に駆け寄り、回復魔法を────


『リーフィア! 危ない!』


 ふっ、と私の頭上が影を帯びました。

 完全反応が激しく警鐘を鳴らし、咄嗟にミリアさんの体を抱きかかえます。


『リーフィア!』


 固いもの同士がぶつかるような音。

 振り向けば、私とバリツさんの間に半透明の壁が出現していました。


『よくもミリアちゃんを! 許さない!』


『落ち着きなさいディーネ! っ、援護するわ!』


 背後で轟く戦闘音。

 わざわざ見なくても、ウンディーネ達の戦いが苛烈を極めるものだとわかりました。


 いつもならば耳を塞ぐような激しい音のはずなのに──その全てが、私の耳に入ってきませんでした。




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