表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

216/252

正解の扉を見つけた先には




 二度の水濡れでタイムロスした私達は、急いでアカネさんとミリアさんの救出に動き出しました。



「私は痕跡とか魔力の淀みとかわからないので、そこはお二人に任せます」


『うんっ、任せて!』


『大船に乗ったつもりでいなさい』



 ウンディーネとシルフィード。

 二人の魔力が可視化されるほどに高まりました。


 肌がチリつくような感覚を間近で触れた私は、思わず息を飲み込みました。


『────────』

『────────』


 二人は目を閉じ、極限まで集中しています。


 どちらも聞き取れない言葉ですが……精霊の言葉でしょうか?

 【言語理解】を取得している私ですら翻訳不可能とは、これぞ『人智を超越した力』というものなのかもしれませんね。




『『見つけた』』


 声は同時に。二人は目を開け、一点を見つめます。


 そこは、森の入り口だった場所。

 無数にある扉の正解は、最も始まりに近い場所だったというわけです。



 ほんと、ふざけてますね。


『リーフィア、あそこに扉がある……気がする。変な淀み。特に強くなっているから……』


『あそこが正解で間違いないわ』



 と、言われても私には何が何だか。

 二人の見ている方向を見ていますが、何も感じません。


「私はどうすればいいですか?」


『リーフィアは補助に回ってくれるかしら? 今から私達が扉を開くから、足りない分の魔力を頂戴』


「お安い御用です」


 二人の間に立ち、手を握りました。

 そこから均等になるよう、私の魔力を注いでいきます。


『……これは、想像以上に凄いわね。精霊と波長が合うどころの話じゃないわよ』


『温かい……リーフィアの魔力、大好き』


 おそらく、それは【精霊の加護】による影響なのでしょう。

 このスキルがあるおかげで私は精霊に好かれる体質になりました。ウンディーネと出会えたのも、精霊の加護のおかげなので、この世界に来て一番感謝していると言っても過言ではありません。


『っ! り、リーフィア……! 恥ずかしいよぉ……』


『熱々ねぇ。見せつけられているこっちの身にもなってほしいわ』


 あら、私の思っていることが魔力にのって流れていたようですね。

 ウンディーネは顔を赤くして、シルフィードは呆れたように笑っています。まぁ、今の内にウンディーネは私のものだと主張しておくのも良いでしょう。


『リーフィア……!』


「おっと、失礼」


 どうにもウンディーネのことを考えると、変な方向に行ってしまいます。


 ここは集中しましょう。

 アカネさんとミリアさんのためと思えば、頑張れます。


 ……でも、いつまで魔力をやっていればいいのでしょう。

 注ぎすぎてキャパオーバーされても困りますし、少なすぎても足を引っ張ってしまう。二人は集中し始めちゃったので、途切らせるのも申し訳ないです。


 とりあえず、こちらがガス欠しない程度に注ぎ続けましょう。






 ──と言ってから、一時間が経ちました。


 流石に長くないです?

 ずっと絶え間無く魔力を送り続けていますが、もう送るというよりも吸われている感覚です。


 というか、一時間も二人に魔力を送り続けている私って凄くないですか?

 まだまだ余裕ではありますが、若干疲れてきました。負担にならないように魔力を与えるのって、意外と精神使うんですよ、これ。



「あの、お二人とも? そろそろ進捗の方は……」


『っ、なにこれ!』


「ひえっ、申し訳ありませ──何があったんです?」


 突然、シルフィードが顔を強張らせました。

 私が原因で何かが起こったわけではありませんよね? ね??


『……内側からっ……破られる!』


 ウンディーネの悲痛な叫び。

 それと同時に、ガラスが割れるようなけたたましい音が間近で鳴り響きました。


 驚きに耳を塞いで目を閉じ、ゆっくりと開くと、そこには────



「は?」

「む?」

「ぬ?」

『え?』

『あら』


 重なる五人の声。



「あ、は……はぇ?」


 私は訳が分からず、変な声を出します。

 ですが、それは仕方ない。


 私達の前の前には、二人の人影がありました。


 片方は背が小さく、どこか勝気な雰囲気を保った少女。

 もう片方は、私と同じくらいか少し小さい背丈の、額に二本の美しい角が生えた女性。


 その人物は、私が探し求めて二人で──。


「お? おおっ、リーフィアがいるぞ!」


「外に出られたのか? ……何はともあれ、会いたかったぞ。リーフィア」




「ミリアさん? アカネさん……?」


 私は、やはり現状を理解できませんでした。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ