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純情は時に面倒臭いです




 その後、何度かアカネさんは気絶を繰り返しながら、子供についてどうするか問題の説明を終えました。


 もう数えるのも面倒なほどループを繰り返していましたが、これが『死に戻り系主人公』の気持ちなのかと、ちょっと貴重な体験ができたのではないでしょうか。……と無理やり思うことにします。



「…………うむむ、子供か……子供かぁ……」


 話を聞いたアカネさんは腕を組み、私が提示した問題について考えてくれました。

 突拍子もないことを言ってしまった自覚はありますが、すぐに気持ちを切り替えて一緒に考えてくれる彼女のことは嬉しく思います。




「まだ考えずとも良いのではないか?」


 と、そう言ったのは、いつの間にか復帰していたミリアさんです。


「まだ結婚すらしていないお前達には早いだろう」



 ……確かに、私達はまだ『婚約者』という段階です。


 しかし、式を挙げるのは数日後になりますし、そうやってまだ早いと問題を先延ばしにしていけば、いつまで経ってもこの問題は解決しません。ご両親から変に思われてからでは遅いのです。



「コウノトリが運んで来てくれるのに一年は掛かるというではないか。ゆったりと構えていれば良いだろう」











 ……………………ん?












「えっと、ミリアさん? 今、何と……」


「だから、コウノトリが子供を運んでくるのは一年掛かるから、二人はゆっくりと構えていれば良いではないかと、そう言っているのだ」





 ────ちょっと、タイムで────





 私は視線のみでアカネさんに語りかけます。

 あちらも意図に気づいたのでしょう。言葉をアイコンタクトを返してくれます。


「…………(どうしますか、これ)」


「…………(妾に言われても困るぞ)」


「…………(夫婦の問題でしょう。しっかりと考えてください)」


「………… (だからって、ここで知識を教えるのか!?)」


「………… (いや、まさか本気でコウノトリが運んでくると信じているなんて思わないじゃないですか)」


「………… (妾だって予想していなかったわ!)」


「………… (ちゃんとした知識を教えなかった魔王軍の皆さんに責任があると思うのです)」


「………… (リフィだって魔王軍ではないか)」


「………… (私が入る以前の問題でしょう、これは)」


「………… (うぐっ、確かにそうだが)」





「何だお前ら、急に無言になって」


 私達が喋らなくなったことに疑問を抱いたのか、ミリアさんは怪しむように眉を寄せました。


 ──あんたのことですよ。

 と言いたい気持ちは山々ですが、本人も自覚していないことなので、文句を言うのは流石に理不尽かもしれません。



「……あの、だな……ミリア? どうすれば、子供が出来ると……思うのじゃ?」


 言葉を濁しつつ、アカネさんが問いかけます。

 あんなに言葉選びで苦悩している彼女を見るのは貴重ですね。



「うむ! それくらいの知識は余だってわかるぞ!

 愛する者同士が長い時間を共にし、肌を合わせることでコウノトリが誕生するのだ! 後はそいつが何処かから子供を運んでくるのだよな!」



 ──なんか、違う。

 微妙に的を得ているところが、全然違うと言えず厄介ですね。


 ああ、どうしましょう。

 ついにアカネさんが頭を抱えちゃいました。



「………… (リフィ、妾には無理じゃ)」


「………… (諦め、はやっ)」


「………… (仕方ないじゃろう!)」


「………… (まぁ、気持ちはわかります)」



 純情を拗らせると、こんなに面倒なのですね。

 見た目はこんなんでも、流石に性知識くらいは知っていると思っていたのですが……これはどうしましょうね。



「………… (これは一度持ち帰り、幹部会議をした方が良さそうですね)」


「………… (そうじゃな。それが良い)」


「「(こくり)」」


 これは私達の手に負えません。

 魔王城へ持ち帰り、ヴィエラさんとディアスさんを巻き込──共に話し合うべきでしょう。





活動報告でも言っていた通り、2月から更新再開します!

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