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庶民的飲食店が懐かしいです




「ここは様々な地方の料理が揃えられていてな。魔王城でいつも食べているものはもちろん、見たことのない辺境の地にあるような料理も食べられる店なのじゃよ」


「あ、うん。それは楽しみなのですが……ここですか」


「うむ。ここじゃ!」


「…………ここ、ですか」



 私は視線を下に向け、ポツリと呟きました。


 そこは和の国全体を見渡せる塔。

 その最上階にある飲食店だとアカネさんは言っていましたが、どう見ても最高級レストランです。

 周りの客は皆ドレスコードで、どう見ても貴族関係の人達です。


 はっきり言って、私達が訪れていいのか? と思うほどに気品溢れる場所です。はい、どう見ても最高級レストランです。地球だったら銀座辺りに建っている奴です。お疲れ様でした(?)



 この店は、国のお偉いさん御用達ってところでしょうか?


 確かにアカネさんはお偉いさんの中でもトップクラスです。

 ミリアさんも魔王なので、地位だけは問題ないでしょう。

 ウンディーネは原初の精霊ですし、むしろ入れない理由がありません。


 ──あれ、私は?

 ま、まぁ、細かいことは気にしないようにしましょう。



『わぁ、綺麗な場所だね……!』


 店内を見渡し、嬉しそうな声をあげるウンディーネ。

 彼女は精霊です。人間の価値観なんかに興味はないので、このような高級店に入っても何とも思わないのでしょう。そういうところ羨ましいなとは思いますが、無い物ねだりをしても無駄ですね。



「あの、アカネ……まだ私の予想でしかないのですが、もしかしたらここはこの国一番の店でしょうか?」


「うん? そうじゃよ?」


 予想的中です。

 嫌なことって、本当に当たりやすいんですよねぇ。


 というか、当たり前のように肯定しないでほしいです。


 アカネさんにとっては当たり前のことなのかもしれませんが、こちとら元庶民です。

 このような馬鹿みたいに高い料理ではなく、サイ○リアくらいで十分なのですよ。あそここそが庶民の味方です。生前では、すごくお世話になりました。



「周りの客が気になるか? じゃが、気にすることはない」


 アカネさんは、ふふんっと誇らしげに鼻を鳴らしました。


「完全個室を予約しておるのでな!」


「…………あ、はい」



 どこからツッコンでいいのかわからなくなった時は、難しいことを考えず、大人しく諦め、流されるままに流されましょう。お姉さんからのアドバイスです。



「ミリアさん。絶対に騒いだらダメですよ」


「ふ、ふんっ! 余がそんな子供みたいなことをするわけがないだろう!」


「最悪、溺れさせてでも黙らせます」


「だから大丈夫──って待て! お前、主人を溺れさせる気もがもが……!」


「はいはい、うるさいから黙りましょうね」


 危うく店内で騒ぎかけた魔王様の口を抑えます。

 変に注目されるのは嫌なので、ナイス判断だったと自分を褒めておきましょう。




 …………と言っても、すでに手遅れだとは思いますけれど。




「まぁ、アカネ様とリフィ様よ」


「おお、あのお方が、バリツを倒したと……噂に違わずなんとお美しい」


「まるで女性だ。そこらの娘より遥かに美人ではないか」


「やめておけ。アカネ様に聞かれるぞ」



 まぁ、聞いているんですけれど。

 まさかお偉いさんの間でも認知されているとは。


 …………これは恥ずかしい。



「そこの者、予約したアカネじゃ。席に案内してくれるか?」


 アカネさんはそんなヒソヒソ話を気にしていな──あ、いや、めっちゃ気にしていますね。耳が赤くなっています。私と同じく恥ずかしいという気持ちはありつつ、公共の場だからと我慢しているのでしょう。



 お嬢様なのにしっかり可愛いとか何なんですか。

 どこまで好感度上げれば気がすむんですか、うちの嫁は。



「お待ちしておりました、アカネ様、皆様。どうぞこちらへ、ご案内いたします」


 店員さんに案内された個室に入り、ようやく息を落ち着かせることができました。

 高級なお店って、そこに居るだけで気を使うので苦手なんですよねぇ……と、そう思うのは庶民すぎる私がいけないのでしょうか?


 見た感じ、ミリアさんも普通にしています。

 子供だから店の雰囲気を理解していない可能性もありますが……。



「好きなものを頼んでくれ。今日は全て我が家が出す」


「はぁ、ありがとうご、ぐふっ……」


 メニュー表を見て、私は吹き出しました。


「数字、何桁か間違えていません?」


「これが普通じゃよ。気にせずとも良い」


「…………ああ、はい……では遠慮なく」


 お言葉に甘えて、私は自分の食べたいものを頼みました。

 それでも、やはり値段を気にしてしまい、その中でも比較的安いものを選んでしまいます。


 運ばれてきた料理は、当たり前ですがどれも美味しかったです。

 しかし、緊張していたせいで、味はすぐに忘れてしまいました。



 ……やはり私にはサ○ゼリアがお似合いです。

 それを今日、とても痛感しました。



「ふははっ、みろ、あのリフィが緊張しているぞ!」


 ──この魔王、うっさい。

 とりあえず一発、腹いせに叩きました。





作者はサイゼ○アが大好きです

(どうでもいい情報)

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