表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

189/252

お子様の追加入りまーす




「呼ばれた気がしたのだ!」


「あ、呼んでないです」


「えっ!?」



 ──ドンッ!!!

 という衝撃が神社内に響いたかと思えば、聞き慣れた子供っぽい声が聞こえました。


 クレーターのように抉れた地面の中心部には、我らが魔王が偉そうに腕を組んで胸を張っていました。


 なんかすっごい久しぶりに見た気がするのですが、気のせいでしょうか。

 ……面倒臭いので、そういうことにしておきましょう。



 私は小さく溜め息を吐きながら、ジト目で主人を見つめます。



「何しに来たのですか、ミリアさん」


「呼ばれた気がしたから、飛んで来たのだ!」



 ──だから呼んでいないってば。


 この人はエスパーか何かですか?

 いや、当たってすらいないので、ただの勘違い残念魔王ですね。



「あーあ、公共施設をこんなにしちゃって……全く」


 とりあえず、魔法でちゃちゃっと地面を修復します。

 係員が来る前に全ての証拠をどうにかしてしまえば、こちらはシラを切れますからね。



 神聖な境内で何してるんだか、全く……。



「お願いですから、登場から派手なことするのは控えてください。あんたは魔王なのですから、そこら辺の意識をしっかりですね?」


「余は魔王である! ぴゅーって飛んで来て着地しただけなのに、簡単に抉れてしまった脆い地面が悪いのだ!」


 おおっ、今のは魔王っぽい台詞──って、違う違うそうじゃない。


 確かに魔王としてはそれが正解なのでしょうけれど、私達は一応来賓として来ているのですから、他国に迷惑を掛けるのは良しとしません。


 そんな子に育てた覚えはありませんと、アカネさんやヴィエラさんなら言いそうです。



「反省しないようであれば、」


「すまんかった! 余が悪かったから、この通りだ!」


 片手をスッ……と挙げると、ノーモーションからの土下座を繰り出した魔王様。


 まだ『お尻ペンペン』のトラウマはあるのですね。

 痛みと恥ずかしさのコンボがここまで効果があるのは、流石に私も予想していませんでした。


 私が苦戦した『魔女達の成れの果て』を一撃で焼却した魔王が、最も恐れるお仕置き──その名も、お尻ペンペン。



 もしや最強では?

 ……流石に無いか。



「一応聞きますが、あっちの方では何も壊していませんよね?」


 ミリアさんのことです。

 本能に従って飛び出す子供なので、壁を貫通して飛んで来た……ということもありえます。


 ですが、その考えは杞憂だったようですね。


「ちゃんと窓から出たぞ! 褒めろ!」


「はいはい良い子良い子」


「適当!?」


 ……にしても、折角三人で回れると思ったのに、ミリアさんも加わってしまいました。


 ここで追い返すわけにも行きませんし、どうしましょう……と後ろを振り返れば、アカネさんとウンディーネも同じことを思っていたらしく、呆れたように苦笑していました。


「こうなるとは思っていたが、やはり集まってしまったな」


『ミリアちゃんなら、来ると思ったよ……ふふっ、結局、全員で回ることになったね』


「お二人には申し訳ありませんが、ミリアさんも一緒でよろしいですか?」


「あー、気にするな。ここで仲間外れにする方が後で面倒じゃ。……最近はミリアに構ってやれんかったし、全員で観光するというのも悪くないじゃろう」


『うちも、みんなと一緒がいいな。三人で回れなくなったのは残念だけど、こっちの方が楽しいもん』



 ……では、決まりですね。



「ミリアさん。絶対に暴れないと約束してくれますか?」


「うむっ! 余は約束を守る大人だからな!」


「子供の間違いでしょう」


「大人だ!」


「…………さいですか」



 ミリアさんは意気揚々と、私とアカネさんの間に割り込んで来ました。


 ウンディーネは私の後ろに移動し、首に手を回して抱きついてきます。

 彼女が精霊で、浮遊しているからこそできることですね。


 にしても、久しぶりに触れ合えるからと行動が大胆ですね。

 可愛いので引き剥がすようなことはしませんけれど。



『〜〜っ♪』


「…………なんじゃあれ、羨ましい」


「…………よ、余は別に羨ましくないぞ!」


「何を張り合っているのですか?」





やっぱり来てくれた魔王様。



お知らせです!

新作を二つ、二つ!公開しました。

『魔王復讐記 〜転生者に全てを奪われた少女は、復讐の剣を胸に抱く〜』

『少女は二度目の舞台で復讐を誓う』


復讐祭りってことで、復讐をテーマにした作品を同時公開です。

復讐少女の方はリメイク版となります!


よければ、そちらの方もご覧ください!では!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ