表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

188/252

チラッ?




 その後、アカネさんとは色々な神社巡りをしました。


 この和の国には沢山の神社があり、学問だったり安全祈願だったりと、自分の願うところへと参拝するのが普通なようです。


 流石に八百万の神とまではいきませんが、それなりに神が祀られているのは確かなようです。


 よくあるファンタジーものでは一つの宗教が強くて、皆がそれを崇めているというのが定番でしたが、この国はそのどれにも当てはまらないようですね。




「リフィ、次で最後の神社じゃ!」


 数カ所の神社巡りをしてちょっと疲れたなと思い始めたところで、どうやら神社巡りは終わりを迎えそうです。


「次の場所は、どのような神様が祀られているのですか?」


「次はな、恋愛成就の神じゃよ」



 …………だろうと思いました。


 神社巡りの大定番の一つにあたる『恋愛』ですが、今までの神社にはそれがありませんでした。

 ちょっとした系列で効果はあるものの、主軸にしてはいませんでした。



「リフィ。妾はリフィと結婚する身じゃが、妾のせいでお主を縛りたくないと思っている」


「ええ、ありがたいです」


 私は基本、自由に生きるをモットーにしています。

 なので、婚約者だからなんだと言われるのは、正直やめていただきたいです。


 ……まぁアカネさんのことなので、それは言わずとも理解してくれると思っていましたが。



「そこで、じゃ……リフィさえ良ければなのじゃが……その……」


 途端に歯切れが悪くなるアカネさん。

 何かを考えているけれど、それが煮え切らないといった様子です。



「──ウンディーネも共にお参りしないか?」


「え?」

『え?』



 予想もしていなかった言葉に、私とウンディーネはほぼ同時に言葉を発しました。



「急にどうしたのですか?」


 ウンディーネと共に行動するのは色々と問題がある。

 魔王城を出る前、そのように話は纏まったはずです。


 寂しいという感情はありながらも、アカネさんのためなら仕方ないと私は我慢することにしました。そしてまた、ウンディーネもそれを承知で快く受け入れてくれました。



 なのに、どうして今になって…………。



「妾はリフィを独り占めしたくない……と言うと嘘になる。本当はずっと一緒に居たいと思っている。じゃが、それでは妾だけズルいと思ってしまったのじゃ」


「ズルい、とは?」


「リフィとウンディーネは最初から糸で導かれるように出会い、徐々に関係を深くしていった。なのに妾は家の仕来りがなんだと、強引に二人の間に割り込んでしまった。そして今、ウンディーネを差し置いて妾だけが楽しい思いをしているのは、自分でも許せないのじゃ……だから最後くらいは、この『恋愛成就』くらいは、三人で共に参拝しようではないか」



 微かに空気が揺れたところに、ウンディーネの魔力を感じました。



『……リフィ……うち、どうすれば……』


 ウンディーネは判断をこちらに委ねましたが、私は首を横に振りました。


「これはウンディーネが決めることです。アカネの覚悟に背かないであげてください」


 自分でもキツい言い方をしてしまったかなとは思いますが、これは私が決めていいことではありません。


 これは言わば──妻同士の話し合い。


 夫が口を挟むものではありません。

 ……私、女ですけど。



『……うん。うちも、一緒に行きたい。三人で楽しく、お参りしてみたい……!』



 ──三人で。

 ええ。やはり恋愛成就は『三人』でやらなければ意味がありませんね。



「では、決まりです」


 右手でアカネの手を取り、左手でウンディーネの手を取ります。

 これで私が両方から挟まれる形となりました。



「アカネ、ありがとうございます」


『あ、えっと……ありがとう、アカネ!』


「いいのじゃよ。……やはり、リフィとウンディーネが並んでいた方が、こちらも馴染み深いな」



 そう言ったアカネさんの表情は、少しだけ曇っていました。



「それは違いますよ」


「え……?」


「もう貴女は私のものです。これからは、この位置がアカネの場所ですよ」


『リフィ、意地悪』


「そう言わないでくださいウンディーネ。むしろ、言わなかったら怒るくせに」



 私はウンディーネのことなら、なんでも知っています。

 彼女が望む言葉も、行動も、全てが丸わかりです。……若干、スキルに頼っていると言っても過言ではありませんけれど。



『うんっ、やっぱりリフィ大好き!』


「ええ、私もですよ」



 ──あ、早速イチャついてしまいましたね。



 やっぱりこの国に滞在している間は接触禁止じゃー!

 とか言われるのは勘弁願いたいのですが……怖くなったので、ちょいとアカネさんのお顔を拝見。



「って、アカネ。どうしたのですか?」


 アカネさんは怒るでも悲しむでもなく、ただ呆けたように突っ立っていました。



「…………本当に、妾も加わっていいのじゃろうか?」


「『え、今更?』」


 今度は私達が驚く番でした。



「先に言ってきたのはそっちなんですから、今更離しませんよ?」


『アカネはいいライバルになると思うから、これからもよろしくね?』


「ウンディーネ、それちょっとだけ喧嘩売ってません?」


『ち、違うよ! うちはリフィもアカネも大好きで、お互い頑張って、お互いを取り合うって意味で、ライバル……あれ? 何を言っているのかわからなくなっちゃった……』


「心配しないでください。私も訳わからなくなっていました」


 正直なことを口にすると、ウンディーネは『むぅ……』と頬を膨らましました。



「なんだそれ、可愛いな」


 と、次は赤面しました。

 いいですね。久しぶりで弄り甲斐があります。



『うぅ……リフィなんて嫌い!』


 そっぽを向かれてしまいました。


「そんなことを言わないでください。ウンディーネってば」


『…………(ツーン)』


「私はウンディーネのこと、大好きですよ?」


『…………(えへへ)』



 いやだから可愛いな。



「おい、早速イチャイチャを始めるでない」


「私は悪くありません」

『うちは悪くないもん』


「二人揃ってなんじゃ……全く、仕方ないな」



 アカネさんが笑ってくれました。



『うんっ。やっぱり、三人だと楽しいね……!』


「ええ、三人だと今後も楽しめそうです」


「『…………チラッ?』」


「なんじゃ、二人してこっちを見て。言わぬぞ。そんな恥ずかしいこと」



 アカネさんは仏頂面になっていました。

 あれは恥ずかしさを必死に隠しているやつです。




「『…………』」




『うんっ。やっぱり、三人だと楽しいね……!』


「ええ、三人だと今後も楽しめそうです」


「『…………チラッ?』」


「あー、もうっ! わかったわかった。三人だと楽しいな! やはりデートというのはこうでなければなぁ! ──うむ、これでいいか!?」



 そこまで望んではいなかったのですが、口に出すとヘソを曲げそうなので黙っておくことにしましょう。



「では、行きましょうか」


 ようやく、私達は歩き出します。


 神社巡りは最後ですが、デートはまだまだ続きます。

 時間が許すまで、三人でめいいっぱい楽しむことにしましょう。






 ──でも、どうしてでしょう。

 なぁんか忘れている気がするのですよねぇ。





なんか、久しぶりな気がしますね……申し訳ありません!!!


明日も続けて更新するので、お楽しみに!

…………お知らせもありますよ(ボソッ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ