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当日になりました

あとがきにお知らせを載せています




「今日は最高の日だ!」


 怒鳴り声に似た、叫び声。

 目を瞑っていた私は、それが聞こえたタイミングで目を覚ましました。



「今日はお前に勝ち、アカネを俺様の婚約者として民衆に認めさせる!」


 ……………………はぁ、ねむ……。


「えっと、倍率さん」


「バリツだ!」


「…………獣人さん」


「貴様、俺様の名前を覚える気ないな!?」


 間近で吠えられました。

 寝起きに大声は響きますね……。



「そうやってふざけていられるのも今の内だ! 見ろっ!」


 見ろと言われたので周囲を見回してみると、周りには沢山の人……これは観客でしょうか。場所もちょっと魔王城にある訓練場のようなところに似ています。




 …………どうやら、寝ている間に運び込まれたみたいですね。


 やったのはアカネさんとミリアさんでしょう。

 ──あ、居ました居ました。ビップルームのような場所でミリアさんが踏ん反り返っています。その横にはアカネさん、彼女のご両親、後は使用人さんでしょうか?


 重鎮勢揃いって感じですね。






「なぁんで起こしてくれなかったのでしょう?」


『……いくら呼んでも起きなかったから、まだ寝惚けたリーフィアを着替えさせて運んだんだよ。覚えてない?』



 ──ええ、全く。

 これっぽっちも覚えていませんね。



 でもまぁ、過ぎたことは気にしません。


 決闘の日はいつか来る。

 そして来てしまった今日という日を、どうやって穏便に済ませるか。


 私が考えるのは、そこです。




「それで獣人さん。決闘のルールを早く教えてくれません?」


「どうあっても俺様の名を覚えるつもりはないと……決闘は先に戦闘不能になった方が勝ち! それで文句はあるまいな!」


「とてもシンプルですね。いいでしょう」



 この世界の人はとても面倒なのに、決闘内容はとてもシンプルです。


 卑怯、小細工、何でもありな決闘。

 その考えさえも実力の内ということなのでしょう。



 ですが、彼は一応大きな家の長男と聞いています。

 民衆の前でマイナス評価になるようなことはしないでしょう。






「では行くぞ!」


「え、ちょま──」







 と思っていた時期が私にもありました。






 開始の合図があるかと思いきや、予備動作無しの不意打ちタックル。

 完全に油断して、なおかつ寝起きで動きが鈍くなっていた私は、反応することなく彼のタックルを真正面から食らい、壁際に吹き飛ばされました。



「ふんっ!」


 のっそりと起き上がる私に、追撃の一撃が顔面に打ち込まれました。


 どこかで女性の悲鳴が聞こえたような気がします。

 ……まぁ、体格が二倍くらいある人の拳をモロに受けたのですから、普通なら死んでいますよね。



「オラオラオラオラオラオラ!」


 どこかで聞いたような叫びと共に、拳が激しく叩き込まれます。



 …………時間にして、5分くらいでしょうか?

 それはずっと続き、ようやく彼は私から身を離しました。



「はぁ、はぁ……どうだ!」


 全力を叩き込んだつもりなのでしょう。

 彼は肩で息をしながら、勝ち誇ったような表情になっています。


 石で出来た壁は砕けていて、彼の腕力の強さが証明されていますね。

 流石は、自分のことを『俺様』と呼称するだけのことはあります…………が、それでは足りませんねぇ。




「…………ふっ、俺様も少し大人気なかったかもしれぬが、卑怯だと言うまい? 決闘のルールに不意打ちは禁止されていない。恨むなら、自分の油断を恨むことだ」


「…………いやぁ、別に恨みはしませんよ?」


「──なにっ!?」



 大人しくなったことで、私もようやく動き出します。

 体が埋まってしまったので、無理矢理動かして脱出し、軽く背伸びをすれば体の節々からポキポキと軽快な音が鳴りました。



「見た目と威勢だけは派手な方なのかなと思っていたら、攻撃も激しかったとは…………案外、単純なのですね」


「き、貴様……なぜ……!」


「なぜ? 耐えただけですよ?」


「ふざけるな! あれは絶対に入ったはず──魔法か! 小癪な!」



 魔法は使っていないのですが……それを言うとややこしくなりそうなので、黙っておきましょうか。



「でも、まさか本当に不意打ちをして来るとは思いませんでした。あなたそれでも良いところの長男なのですか?」


「うるさい! ここは決闘の場。勝てば良いのだ!」


「なるほど、なるほど──では、」





「っ!?」





 頷いた私は、体の内にある魔力を解放します。




「勝てば良かろう。その言葉は正しいですね」


 魔力の粒子が手に収束し、形を成したのは一振りの刀。



「その言葉に則り、私も本気を出すとしましょう」


 ゆっくりと、見せつけるように刀を構えます。



「卑怯だと言わないでくださいね?」


 顔を歪ませる彼に私は、ニコリと微笑みました。





はい、ということでお知らせです。


現在更新している全ての作品の更新頻度が落ちます。

急なことで申し訳ありません。


理由は、とある出版社様の新人賞にも力を入れたいと思ったためです。二つのことを並行させるのは厳しいですが、頑張って行こうと思うので応援の方よろしくお願いします!


読者に皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解いただけたら幸いです。


ネット小説も新人賞も頑張るぞ!

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