日蝕の前に生まれた憎悪
太陽帝国に夜が訪れた。
評議会が戦争の準備を整え、香織が仲間を集め、オーレリアが赤ん坊に授乳する中…
ハルトは一人だった。
仮の壺に封印されたアガメントス王の頭部を見つめていた。
その時、ある光景が彼を襲った。
記憶。
彼のものではない。
勝郎の記憶。
日蝕がその起源を明らかにしようとしていた。
回想 ― 数年前の日本
カツロ・シンデンは、あらゆる面でトップだった。
最高のアスリート。最高のGPA。最高のルックス。一番の人気者。
幼い頃から父親に躾けられていた。
「弱者は生きる資格がない。」
「失敗してはいけない。」
「他人を支配して初めて、人生に価値がある。」
カツロは完璧主義の檻の中で生きていた。
彼はナンバーワンでなければならなかった。
負けるわけにはいかない。泣くこともできない。
怖がることもできない。
そして…
相沢春人が現れた。
静かで、控えめな、取るに足らない男…
それでも…
克郎が決して得られない注目を浴びていた。
心からの注目。
友達から。
先生から。
そして最悪だったのは、香織から。
中学校のある日、春人は文芸部の書類を集めていた。
克郎が通りかかり、書類を地面に叩きつけた。
過去の克郎
「相沢、お前はここにいるべきじゃない。」
「お前みたいな奴は目障りだ。」
春人は彼を見ることもなく、書類を拾い上げた。
過去の克郎
「邪魔はしてない。あっちへ行け。」
克郎は初めて、何か新しいものを感じた。
怒り。
純粋な怒り。
どうしてこんなことが?
ハルトのような虫は、彼を怖がらなかった。
震えてもいなかった。
泣いてもいなかった。
逃げてもいなかった。
ただ…彼を無視した。
ある日の体育の授業中、克郎は皆の前でハルトを突き飛ばした。
ハルトは倒れた…
しかし、何も言わずに立ち上がった。
その時、ハルトの近くにいなかった香織が叫んだ。
香織(過去形)
「克郎、やめて!我慢できない!」
クラス全体が静まり返った。
克郎は自分の中で何かが壊れるのを感じた。
ハルトが強いからではない。
ハルトが反抗しているからではない。
ハルトが彼に逆らっているからでもない。
さらに悪いことに、
ハルトは誰の承認も必要とせずに存在していた。
ハルトは自由に生きていた。カツロはプライドに縛られて生きていた。
そしてハルトからの冷淡な視線の一つ一つに…
カツロは、自分が決してなれない姿を映し出していた。
ある雨の午後、カツロは父親と口論した。
カツロの父
「負けるわけにはいかない! ありえない! お前は震電の使い手だ!」
カツロ
「お前の望むことは何でもやってやる! 俺は機械なんかじゃない!」
父
「相沢ハルトはお前より勉強が足りない…なのに、人気者だ。」
「どんな気分だ…チャンピオン?」
その日、カツロは悟った。
自分は決して愛されない。
ありのままの自分を称賛されることも決してない。
ただ恐れられるだけ。
そして、ハルトを破るために人生を捧げようと決意した。
現在に戻ると
ハルトは目を開けた。
記憶は消えた。
しかし、胸は痛んだ。
恐怖からではない。
だが、ついに真実を理解したのだ。
克郎は晴人の行いを憎んでいたわけではない。
彼が憎んでいたのは、存在そのものだった。
香織が彼の背後に現れ、肩に手を置いた。
香織
「…見たでしょう?」
ハルトは頷いた。
香織は視線を落とした。
香織
「克朗はいつも君に嫉妬していた。」
「君の強さではなく…君という人間性に。」
ハルトは目を閉じた。
ハルト
「ならば…このことに終止符を打たなければならない。」
香織は彼を抱きしめた。
香織
「そして、私も君と一緒にいる。」
日が沈んだ。
そして、ハルトがかつての戦友に抱いていた最後の慈悲も、同時に消え去った。




