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仲間に裏切られたガチャ中毒の俺、異世界で無限召喚スキルを手に入れ、最強の軍勢で世界を征服する  作者: ジャクロの精霊


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影の下の誓い

月は静まり返っていた。あまりにも静かだった。


風は吹かなかった。


エルフの森のざわめきも聞こえなかった。


夜行性の生き物たちの歌声も聞こえなかった。


ただ…静寂だけが広がっていた。


ハルトは、それが起こる前にそれを感じていた。


この世のものとは思えない悪寒が背筋を駆け巡った。


足元の影が長くなった。


そして、そこから顔のない人影が現れた。目があるはずの場所に、真紅の輝きを宿していた。


蝕の神。


彼は歩かなかった。

口を動かして話すこともなかった。


まるで彼の声がハルトの心に直接響いたかのようだった。


蝕の神


「やっと会えたな、相沢ハルト。」


ハルトは拳を握りしめた。


本能が妻たちを守ろうと駆り立てたが、彼女たちは遠く離れた安全な場所にいることを彼は知っていた。

今のところは。


ハルト


「何が望みだ? 使徒は既に滅ぼした。」


暗い人影は、まるで微笑むかのように身を乗り出した。


蝕の神


「お前の王国は要らない。」


「お前の領土も要らない。」


「召喚獣も。」


ハルトは歯を食いしばった。


蝕の神


「お前の絶望が欲しい。」


影が震えた。


そして、その中で幾千もの儚い目が開いた。


蝕の神


「仲間が死ぬのを見てほしい…」

「愛する人が裏切るのを見てほしい…」

「この世界に繋がる全てを失う痛みを味わってほしい。」


「そうして初めて、お前は真の姿を取り戻せる。」


ハルトは怒りに燃え、一歩前に出た。


ハルト


「俺の家族に触れられるとでも思っているのか?」


神は形のない顔をハルトの顔に近づけた。


日食の神


「もう触れている。」


その時、ハルトは目にした光景。


砂漠で泣く香織。


赤子を守ろうと血を流すオーレリア。


影の前に跪くミラージュ。


必死に戦うフロストレイン。


闇に包まれるハルトの子供たち。


ハルトは息を切らし、膝から崩れ落ちた。


日食の神


「カツロはお前を憎んでいる。」


「小町女王はお前の心臓を引き裂きたい。」


「そして俺は…お前の太陽が砕け散った時、どこまで届くのか見てみたい。」


ハルトは怒りに震え、歯を食いしばった。


ハルト


「誓う…お前を滅ぼしてやる。」


「誓う、カツロを仕留めてやる。」


「レイナを必ず始末する」


「そして、お前の存在をこの世から消し去ると誓う」


影は後退した。


蝕の神


「ならば、我のもとへ来い」


「そして、お前たちの死体も連れて来い」


影は異様な音を立てて爆発し…

そして消え去った。


ハルトは一人残された。


震えていた。


汗ばんでいた。


しかし、彼の目には新たな決意が宿っていた。


金色と黒色の炎。

その夜を境に、ハルトは数日を家族と過ごすことにした。


危険はまだ残っていた…


しかし、彼は何のために戦っているのかを思い出す必要があった。


オーレリアは双子を腕に抱きしめた。


一人は金髪、もう一人は銀髪だった。


二人とも、新しい星のように輝く瞳をしていた。


香織はハルトの背後から近づき、胸を背中に押し当てて抱きしめた。


香織


「疲れているみたいね…

少し抱っこしてあげようか?」


ハルトはため息をつき、数日ぶりにリラックスした。


ミラージュが紅茶を持って現れた。


フロストレインはいつものように真剣な顔をしていたが、少し丸みを帯びたお腹は妊娠していることを示していた。


クレセは彼女の隣に座って、眠っている赤ん坊を撫でていた。


五人全員が優しく彼を見つめた。


オーレリア


「ハルト…一人で世界に立ち向かってはいけないわ。」


「どんなことがあっても、一緒に戦うよ。」


ハルトは彼女たちにキスをした。


香織の唇に、長く甘いキス。


オーレリアの額に、感謝の気持ちを込めてキス。


ミラージュの頬にキスをし、香織の頬を赤らめた。


フロストレインの首にキスをし、かすかな息を奪った。


クレセの手に、愛情を込めてキスを。


ハルト


「君がいなかったら…僕はとっくに負けていた。」


少女たちは笑ったが、中には泣き出しそうな者もいた。


香織は彼の膝に座り、肩に頭を預けた。


香織


「約束して…」

「この全てが終わったら…」


「二人きりで、戦争も脅威もなく旅に出たい。」


「君と僕だけ。」


ハルトは香織を強く抱きしめた。


ハルト


「約束する。」


赤ん坊たちが笑い、陽光が温かく降り注ぎ、妻たちが彼を取り囲む中…


ハルトは理解した。


これが日蝕の神が彼から奪おうとしているものなのだ。


だからこそ、彼が負ける前にこの世界は燃え尽きなければならないのだ。

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