日本の放浪者の失われた巻物
闇の守護者の敗北は、森に張り詰めた静寂を残した。
オーレリアと他の妻たちは赤ん坊たちを安全な場所へと運び、アストラ・ノックス、セリンドラ、そしてハルトはエルフの古の部屋に集まった。
銀色の髪と森の苔のような緑の瞳を持つ老女、エルフの賢者が、儀式用のテーブルの傍らで彼らを待っていた。
テーブルの上には、金糸で封印された黄色い巻物が置かれていた。
あまりにも厳粛な雰囲気に、ハルトでさえ息を呑んだ。
「ハルト…」賢者は言った。「私があなたに明かすものは、すべてを変えるだろう。」
彼女は糸を解いた。
巻物が開いた…
そして、それは古代の日本語で書かれていた。
賢者は息を吸った。
「何世紀も昔、一人の男がこの世界に現れた」奇妙な服を着た人間…君が来た時の服とよく似ている。
ハルトは驚きで目を見開いた。
「日本人?また異世界か?」
賢者は頷いた。
「彼の名は月原帝人。
巻物には彼の来訪…そして彼が『生ける蝕』と呼ぶ存在との遭遇が記されている。」
アストラ・ノクスは一歩後ずさりした。
「まさか…まさか…」
賢者は続けた。
「帝人は、神が彼をこの世界に運んだと書いていた。
その神は、彼に力と知識、そして新たな運命を与えると約束した。」
ハルトは拳を握りしめた。
「まさに私に起こったことだ…」
賢者は彼の目をまっすぐに見つめた。
「ハルト… お前をここに連れてきたのは慈悲深い神ではない。
守護者でもない。
導き手でもない。」
セリンドラは震えた。
「では… 何だ?」
賢者は重々しい声で答えた。
「彼は蝕の真の神だ。
守護者を創造した者、
狂信者たちを操る者、
そしてハルトをこの世界に連れてきて… 武器として利用した者でもある。」
ハルトは胸に圧迫感を感じ、一歩後ずさりした。
「私を操るために連れてきたのか?!
何のために? この世界を破壊するために?」
アストラ・ノクスは優しく首を振った。
「いや… 破壊するためではない。
それよりも悪い。
書き換えるためだ。」
賢者の手の中で巻物が震えた。
—ミカドは、蝕の神が自らの究極の目的を明かした時のことを語った…
賢者はその文言を読み上げた。
**「我は完璧な世界を望む… 弱い神々のいない… 堕落した人間のいない…
我が影の下にある永遠の世界のみ。」**
ハルトは背筋に寒気が走るのを感じた。
「それで…何が起こっているんだ…
これは彼の計画の一部なのか?」
賢者はゆっくりと頷いた。
「ああ。
彼は君を触媒として選んだ。
隠された領域を解き放ち…
他の神々を滅ぼす鍵として。」
香織は動揺して部屋に飛び込んできた。
「ハルト!早く来い! 他の妻たちが震えている… 宮殿の中に闇の存在を感じたと…」
ハルトは歯を食いしばった。
「彼はもう、我々が真実を突き止めたことを知っている。」
アストラは唾を飲み込んだ。
「ハルト… 今こそ… あの神は君を殺したい… あるいは支配下に置いてほしい。」
賢女は月原帝人が書いた最後の一文を読み返した。
恐ろしい一文:
「この世界は彼によって支配されている。」
皆が静まり返った。
ハルトは目を閉じた。
「そうか。
私は彼の計画に必要な駒なのだ。」
彼は黄金の力に燃えながら目を開けた。
「ならば、来させろ…私は誰にも仕えるつもりはない。」
香織は彼を抱きしめた。
「ハルト、私たちは君を支える。
最後の最後まで。」




