夜明けの瞳 ― 嘘の反響
夜明けの瞳 ― 第三章:「偽りの残響」
ある真実は、沈黙を学んだときにだけ生まれる。
そして嘘は…
問いかけずに見つめられる者にとって、最高の鏡となる。
「撃つのは簡単だ。
見て、計算して、狙って、引き金を引く。
でも嘘は…
震える。息をする。瞬きをする。
私は…全部見える。」
暗室。窓のない密閉された空間に、モモチが影のように現れる。
彼女はテーブルの上に一つの魔法のピアスを置いた。
モモチ:
「帝国の裏切り者を捕らえた。
彼は何かを知っている…
だが、頼んでも話さない。」
見るだけ。
聞くだけ。
言葉を使わず、接触せず、攻撃魔法も使わずに真実を引き出せ。
そして忘れるな。
真実と嘘を見分けられぬ影に…この部隊の資格はない。
縛られた男。若く、商人のような服装。震えてはいるが、笑っている。
容疑者:
「俺を見つめて溶かすつもりか?
帝国の尋問官にも耐えたんだ。
お前らなんか、怖くない。」
アイリスが前に出る。
一言も発しない。
瞬きもせず、感情も見せず。
ただ、彼を見つめる。
「嘘をついてる。
姿勢は緊張しているが、左手は1分に3回、太ももに触れている。
質問を待ってるんだ…嘘で答えるために。
でも、質問がなければ…」
彼女は男の正面に座る。
足を組み、魔法のバイザーをテーブルに置く。
そして、軽蔑のため息をつく。
アイリスは一枚の紙を取り出し、三つの円を描く。
一つ目には「忠誠」
二つ目には「生存」
三つ目には「裏切り」
男を見つめ…
三つ目の円を見て、にやりと笑う。
男の様子が乱れ始める。
容疑者:
「な、なんだ? なぜ何も聞かない!?」
アイリスは無言で書く。
「お前の上司たちはすでに話した。
残っているのは…お前だけだ。」
その一文が、男の心を崩した。
容疑者(息を荒げながら):
「ゴーレムの街なんて実在しない!
あれは目くらましだ!
実験は…南の隠された植民地で行われてる!」
口にしてしまったことに気づいた瞬間、
男は黙り込み、顔が青ざめた。
モモチが入ってくる。
モモチ(うなずきながら):
「言葉なしで情報を引き出したか。」
アイリス・ノクトヴェイル。
この部隊の第一の影。
今より、君がこの部隊を率いる。
アイリス(ついに口を開く):
「了解しました。」
だが、退出するとき…
彼女はかすかに、誰にも聞こえぬようにつぶやいた。
「…言葉なしに嘘をつき、
目で真実を語る。
この世界…思ったよりも複雑だわ。」
ハルトは、自室の執務室で報告書を受け取る。
ハルト(読みながら):
「アイリス。弾丸のように正確だ。」
(開いた窓の外を見つめながら)
「これで、ゴーレムの街がただの隠れ蓑だと分かった…」
「だが、その裏で彼らは――
一体どんな“獣”を隠しているというんだ?」
アイリスと彼女の思考に焦点を当てた今回の章、気に入っていただけましたか?
静寂の中に張りつめた緊張が響いたなら、ぜひ評価を。




