サイクルの遺物 — 帝国の魂
南方での勝利は、まだ火薬と灰の匂いを漂わせていた。
笑い声と叫び声の残響が混じり、風は冷たい前触れを運んできた。
――盤の向こうで、最も恐るべき駒が動き出していた。
野営地は即席の祝宴と化していた。
たいまつ、音楽、笑い声、そして「大きな何かを成し遂げた」という確信。
仮設台に立ったハルトは、金色のクリスタル製の杯を掲げた。
「我らが失われたと思った魂に…
本日、新たな太陽が昇る。
この光が決して消えぬよう、乾杯しよう。」
召喚者たちが取り囲んだ:
マグノリアは帽子を高く掲げ、叫ぶように乾杯。
モモチは影の中の輪郭で、かろうじて微笑む。
カオリ・ミナセはハルトの側で、杯をしっかりと握る。
アイリス・ノクトヴェイルは好奇心に満ちた目で全体を見渡す。
エルフィラ・ヴァルデーンとエイルリスは祝いの笑顔を交わす。
「暁のために!」とマグノリアが叫び、
野営地は拍手と歓声に包まれた。
しかし、二人だけが静けさを保っていた:
モモチは空を見上げ、
エイルリスは武器に手をかけた。
――彼女たちは知っていた、平和が長く続くとは思えないことを。
その頃、アルビオールの戦略室では――
セレスティーヌが「サイクルの遺物」を握っていた。
それは黒い球体。
その表面には巨大な金のルーン文字が回転し、
内部では凍てつく青い光が震えていた。
「光が広がるとき…
サイクルが始まる:
破壊、再生、支配。」
彼女は槍を掲げ、声を響かせた:
「帝国の魂よ…目覚めよ。」
その瞬間、帝国本部に地震波が走った。
モニターに故障が映り、アラートが出る:
「対象が最大共振状態にあります。」
セレスティーヌは冷い笑みを浮かべた。
「ハルト…もう太陽を定義するのはあなた一人ではない。」
一方、「暁」の野営地では、音楽が低くなり、
密使が人混みの中を滑るように近づいてきた。
汗をかき、手に地図を握るその者が、ハルトにささやいた。
「陛下…
アルビオールで何かが起動しています。
我々はパルスを検知しました…
北と東…ほとんど同時に。」
ハルトの表情が引き締まった。
カオリが彼を見つめる。
「新たな攻勢でしょうか?」
ハルトは頷いた。
「そうだ…そして今夜のようには、我々は準備できていない。」
彼の手の中で、杯が割れた。
祝宴を覆っていた空気に、静寂が降りた。
音楽隊は演奏を止めた。
たいまつの火が揺らめいた。
そして風が、向きを変えた。
「勝利は甘美だった。
だが、この戦いは――
誰が歴史を書くのかを決めるかもしれない。」
月に向けて剣を掲げるハルト。
その遥か遠く、**《サイクルの遺物》**が淡く輝く。
それは――
暁が、自らの影と向き合う時が来たというしるし。
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それはアルビオールに何をもたらし、そして――
暁に何を試すのでしょうか?




