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東大陸第一陸人発見

舞台は東へと

今日は4話です。 05:00 2話 06:00 2話

 アルスは信じられなかった。

 なんだアレは。

 皆も同じだった。

 空を飛んでいる。羽ばたいていない。音がうるさい。

 人が乗っている。乗り物なのか。

 翼だろうか。赤い丸が書いてある。

 胴体にも赤い丸が書いてある。

 さっきから何回も上空を飛びかっている。

 自分たちを襲うでも無い。何をしているのだろう。


 何か同じ奴が二つ来た。こちらに近づいてくる。近づいて回るを繰り返して、来た。直線で近づいてくる。

 襲うのか?

 いや違う。

 何か落とした。

 二つに割れた。片方は落ちた。片方はなんだろうアレは。ゆっくりユラユラ落ちてくる。

 あ!何か膨らんだぞ。

 海に落ちたな。

 浮かんでいる?

 気がついたら先ほどの二つは遠ざかっていく。もしかしたらアレを持ってきただけなのか。

 

 最初からいた奴が近づいてくる。低い近い。攻撃か?思わず身構える。

 何か落とした。二つ落とした。先の奴と同じようにゆっくりと落ちてくる。一個は海に落ちたが一個は船に落ちた。

 なんだろう。


「ワムル、何か感じるか」

「感じない、罠ではなさそうだ」

「どうする」

「俺が持とう」

「船長」

「あれが神の助けならいいな。もうこの船が駄目なのはわかるだろう?」

「まあな」

「どうせ死ぬなら、可能性に賭ける。冒険者もそうじゃないのか」

「同じだよ」


 アーノルドが止める暇も無く落ちてきた物を持った。筒のようだ。開けた。毒も無いし、ナイフも飛び出てこない。


「罠じゃ無いと言ったろう」

「信用してくれてありがとよ」

「アーノルド、何か書いてあるの」

 

 ササラが聞く。


「あの海に落ちた奴な。水と食料らしい」

「なんだと」

「奇跡かよ」

「1個は近いが、1個は少し距離があるな」

「よし俺が行く」


 ワムルがいろいろ脱ぎ捨てて海に飛び込む。


「おい、不注意だぞ」


 サザラーンが注意する。


「水と食料だぞ。もう船には無いじゃ無いか」


 ワムルはそう言って近い方に泳いでいき、取り付く。

 自分をボートに持ち上げて気がつく。柔らかいな。何かの混沌獣の素材なのか

 何かで包んである。小さなナイフが貼り付けてある。これで切り裂けと言うことか。

 ナイフで切り裂いて中身を見る。見たことの無い文字だ。ん?なんだこの紙は。共通語か。有り難い。

 水と食料が入っているとなっている。中身を見ると確かにそうだった。

 毒は感じられない。罠も感じられない。

 よし開けるか。樽に入っているのが水だな。飲んでみるか。旨い。二日ぶりの水だ。二口で止めておく。いっぺんに飲むと体に悪いしな。

 紙を見ると、信じられん。砂糖が入っているだと。


「おーい、水と砂糖があるぞ」

「「「「なんだとー」」」」


 カーラが弓を引き絞る。ワムルに届け。いや違うのよ。ワムルじゃ無いの。奴はどうでもいいの。あの船よ。水と砂糖よ。

 行けー。

 希望をつなげる紐は、矢と共に希望のボートに向かう。届いた。

 ワムルがボートに紐を結びつける。

 紐を送り出してより太い綱になった。綱をボートに結びつける。


「曳くぞ。手伝ってくれ」

「当たり前だ。水だぞ」

「「「砂糖よ」」」 女3人の声だった。


 全員で曳けば早かった。船から網を降ろして荷物を上げる。こんな嬉しい荷物は無い。

 もう1隻のボートは、ゴンゾが空になったボートに乗り移りオールを漕いで回収に向かう。

 気がつけば、上空の奴はいなくなっていた。荷物の受け取りを見てからいなくなったのか。ありがとう。見知らぬ人。

 もう1隻も回収出来た。

 たっぷりの水と食料。有り難い。

 荷物を見ていた薬師のササラがうなる。


「こういうやり方がいいのか」

「なに、どうかした」


 水を飲んで少し落ち着いたカーラが問う。


「えーとね、長い間水や食べ物を口にしていないときは、最初にこの紙に書いてある通りに優しい水を作って飲めと書いてある」

「もう飲んじゃった」

「でも遅くないみたい。今から作るわ」


 簡単だった。紙に書いてある。小さいスプーンに塩。大きいスプーンに砂糖。このコップに水。良くかき混ぜる。出来上がり。誰に飲まそうか。自分じゃ無いの。あんま旨そうじゃ無いのね。それじゃあ、マッシュにしよう。あいつ警戒心が足りないから。そうね。そうしましょう。


「マッシュ♡」

「聞こえたぞ」

「えへへ」

「まあ飲んでやるよ。毒じゃ無いしな」

「感想よろしく」


 マッシュは少しずつ飲んだ。


「旨くは無いが、まずくも無い。ただ、体に染み入るぜ」

「へー」

「へーって。飲めと言ったじゃないか。なんか体が軽いような気がする。飲む前より動ける」

「うっそ。こんな簡単な飲み物で?」

「嘘じゃ無いよ。お前達も飲めばわかる」

「私たちが9人で、船の人7人ね」

「コップは20個在るから大丈夫」


 全員飲んだ。船員でかなり体調が悪かった者も少し元気が出たようだ。

 またさっきの奴がやってきたのか音が聞こえて空を飛ぶ奴が見えた。

 俺たちのまわりを飛び始めた。

 空が暗くなってきた。皆が上を見ている。なんだ?嘘だろ。上の奴が明かりを点けている。


「船長、近づいてくる物があります」

「なんだ船か?」

「船みいたいですが、帆がありません。少し煙が上がっています」

「蒸気船か?」

「蒸気船だと」


 そんなたいそうな物はこの近辺には無いはずだ。もっと北なら有るかも知れないが、少なくとも自分たちの港周辺には無かった。


「でかい、2隻も」


 見たことが無いような大きさだった。上にあるのは、おい、銃なのか。でかいな。あんな物で相手をするのか。どんな相手だ。

 かなり暗い灰色だった。均一に色が付いていた。汚れているのでは無くて、わざと塗装しているのか?

 近づいてきて顔がわかるほどの距離で止まった。


「おーい、助けは必要か」


 助けが必要だと。当たり前じゃ無いか。これ見ればわかるだろう。


「助けてくれ」

「わかった。今からボートを出す。乗ってくれ」

「荷物もあるのだが」

「人が、怪我人と病人が先だ」

「わかった」


 1隻からボートがやってきて、怪我をした船員や体調の悪い船員を乗せて戻っていく。上の奴は何処かへ飛んで行った。

 もう1隻は離れた所を回っている。何か警戒しているのか。この海域の危険性はわかっているようだ。こういう連中なら安心出来る。

 もう1隻で何か光っている。なんだろう?

 

「ああ、アレか。えーと。着いたか」

「なんだ?」

「この船よりずっとでかい船が来る。あんたらにはそちらに乗り移って貰う」

「この船じゃ駄目か」

「駄目じゃ無いが、そっちの方が揺れないし広いぞ」

「わかった。移ろう」

「分かってくれればいい」


 驚いた。この船でもでかいと思ったら、それ以上にとんでもなかった。

 回収出来るだけの荷物をハシマールから持ち出して、俺たちはとんでもなくでかい船に移った。

 

「ようこそ、この船の艦長、吉田だ」

「救助ありがとう。感謝します。ハシマール船長のハイランドだ」

「海だ。当然のことだよ」

「怪我人はどうしているか教えて欲しい」

「今医者が診ている」

「医者がいるのか」

「あの小さい船にもいるぞ」

「凄いな。うらやましい。それと願いがあるのだが、いいだろうか」

「港なら行く。心配するな」

「ありがとう」

「でだ、夜はこの船で寝るといいが、明日夜明けには他の船に移って貰う」

「他の船?」

「この船は見てわかると思うが軍艦でな。ちゃんとした交渉相手が乗っている船がある。それに乗り移って貰う」

「他にも船があるのか」

「驚くと思うが、今はゆっくり休んで欲しい」

「ああそうだ。ハシマールはどうする?曳航するなら出来るが」

「少し考えさせてくれ」

「明日の朝までに頼む」

「わかった」


 吉田に案内されて皆の所に行く。全員揃っていた。怪我をした奴や、元気の無かった者までいる。

 何より船内が明るい。ケチった魔石の使い方をしていないらしい。金持ちだな。

 

「船長」

「怪我はいいのか」

「やはり骨折でした。見てください、このごつい腕」


 何か白いので囲われている。


「いい塗り薬を塗って貰いました。五日いつかくらいで直るそうです」

「骨折で五日?塗り薬?」


 薬師のササラが悩む。


「如何したの」


 レイラが聞く。


「それ凄く高い薬だよ。混沌領域にある薬草が元になるの。だから手に入りにくい」

「あー、アレか?前に受けたような気がする。採集依頼だ」

「混沌領域はやばかった。二度と受けん」

「と言うことは、この連中は混沌領域に入って薬草を採集出来ると?」

「そういうことになる」

「ひょっとしたら凄い人達に助けられたのでは」

「こんな船を持っているのだ。凄いに決まっている」


 話込んでいる内に食事の用意が出来た。こちらへ持ってきてくれるという。


「今日は少し高級な魚の肉です。これはわざわざ出したのでは無く、予定の献立ですので遠慮無く食べてください」

「少し高級というと、どういう魚ですか」

「混沌領域にいる、40メータくらいの魚です。これですね」


 絵?なんだろう。ずいぶんはっきりしている。うーん。知らないな。だいたい混沌領域の魚だと?冗談じゃ無い。出会ったら命が無いと言われるくらいだ。


「これは、ボラールでは無いか」

「知っていますか。ハイライド船長」

「出会って、船が沈まなかったら奇跡と言われている」

「では食べたことは」

「こちらが食べられる方です。年に1回か2回水揚げがあったと噂される程度です。食べるのは王侯貴族や大商人と捕った者達だけですよ」

「では、存分にお召し上がりください。おかわり自由です」

「「「「おおおおおー」」」」


 旨かった。あいつがこんなに旨いとは。皆腹一杯食べようとするが、ササラが抑えた。二日間飲まず食わずだから、今、腹一杯食べたら危ない。と。




次回こそ東大陸上陸、出来るといいな。


冒険者登場しました。

アルス   剣士  リーダー

レイラ  魔法使い

ワムル   探索

ゴンゾ   剣士

サラザーン 盾

アーノルド 重戦士

ササラ   薬師

カーラ   弓士

マッシュ  剣士


そこそこバランスはいいような気がします。

そう言えばケモ耳はだれにしようか。


問題は西、カラン村。南、謎の帝国。東、文明圏。


三カ所平行でいけるのかな。作者の能力で足りるのか?当然足りませんでした。

国内も少し書きたいし。

人の名前は苦労します。

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