表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
234/245

オーレリア島沖海戦 空戦

4月20日。艦名を間違えたため、訂正。

初月→照月

 陽動隊から発進した攻撃隊は、一路敵艦隊に向かっている。はずだ。

 正確な敵艦隊の位置が不明なので、送り狼作戦を採っている。途中の偵察機からも針路は間違いないとの報告だ。


『ツバメ四より、赤備え。応答せよ』

「こちら赤備え。内藤中佐」

『敵電探波探知。艦艇用と思われる。発振元へは針路を5度左に取られたし』

「赤備え。了解。謝す」

『ツバメ四以上』


『赤備え。こちらツバメ四。敵機接近。回避する。健闘を祈る』

「ツバメ四。赤備え。貴機の無事を祈る」


 敵が近いか。もう少し遠いと帰りの燃料が危ないが。


『内藤中佐。ツバメ二。敵電探波探知。機載電探と思われる。方位正面。距離不明』

「ツバメ二番、こちら内藤了解」

「内藤だ。戦闘機隊は少し拡がってくれ。敵が近いと言うことだ」

『戦闘機隊、香川少佐です。本隊にはどの位直衛機残しますか』

「出来れば20機いると有り難い」

『了解です。ツバメ一をお借りします』

「了解した」


 さらに5分飛んだ。そろそろか。あと30分も行けないぞ。


『ツバメ一より各機。敵機接近。推定機数20機。ミサゴ一番は高度を1000上げて、10度右へ』

『ミサゴ一番、了解』

『ツバメ一より本隊。敵艦載電探と思われる電探波探知。正面』


 前で始まったか。敵艦隊も近いな。帰りは無理な飛び方を強いなければ大丈夫だ。戦争で無理をするなとか何の冗談か。


『ツバメ二より内藤中佐。敵艦載電探と思われる電探波探知。正面』

「内藤了解」


 後150海里くらいか。きついな。


『ツバメ二より内藤中佐。電探波強度上昇。敵近い』

『ミサゴ二番より内藤中佐。敵戦闘機4機、そちらに向かう』

「内藤了解」

「内藤だ。ミサゴ三番。聞いたな。迎撃に向かえ」

『ミサゴ三番了解。8機向かわせる』


 攻撃隊は、戦闘機がミサゴ三編隊。各20機計60機。攻撃機がサギ三編隊。やはり各20機計60機。それに偵察機が2機。

 攻撃機の護衛は後12機しかいない。

 いざとなれば、爆弾を投棄して戦闘機にもある程度は対抗できる。したくは無いが。


『こちらサギ二、三上少佐。前方に艦影』

「サギ二。内藤了解」

「内藤だ各機。突撃。喰われるな」

『『『了解』』』


 魚雷でも有ればいいのだが、ジェットでは装備が出来ない。誘導弾はまだ未完成だと聞く。爆弾をばらまくしか無い。

 敵艦が撃ってきた。計算上は滅多に当たることは無いらしいが、戦場では何があるか分からない。




『ツバメ六より、岐阜城。敵編隊を探知。速度からしてプロペラ機と思われる。推定機数200から300機。岐阜城に向かう。反応位置*****』

「岐阜城。ツバメ六、確認したい。機数に間違いないか」

『ツバメ六。その大きさの反応が有る』

「岐阜城了解。接触を続けられたし」

「ツバメ六了解」


「司令長官」

「おお来たな。ジェットを剥がしてプロペラで勝負か」

「こちらも同じ事をしていますが」

「迎撃は、航空戦隊に任せる」



『戦闘機隊各機、清洲城。敵編隊は、距離80海里、方位240にて250ノットで接近中。推定機数変わらず。200から300。100機ずつの3梯団。向かって左から、一番二番三番とする。これより迎撃管制は雲龍二番、野島中佐に引き継ぐ。以上』

「清洲城。287空、大木。了解」


『戦闘機隊各機。雲龍二番、野島中佐。迎撃管制をする。呼び出しはノジマ。日本海軍戦闘機隊は、高度を上げつつ直進。2番の梯団を目標』

「各機。雲龍の大木中佐だ。日本海軍戦闘機隊は、俺に続け」

『こちらノジマ。ディッツ帝国海軍戦闘機隊の内、フリーン隊ロブン隊は、高度を上げつつ左から接近1番の梯団を目標』

『フリーン隊了解』『ロブン隊了解』

『こちらノジマ。フノス隊、ゲルセミ隊は三番の梯団を目標』

『フノス隊了解』『ゲルセミ隊了解』

『こちらノジマ。ディッツ帝国海軍から後続機が上がってくる。無理に阻止せず、彼らに任せろ』

『『『『了解』』』』


 ディッツの空母はデカい。1隻当たり戦闘機を80機積んでいる。今上がっているのは、各空母から40機ずつか。こっちは1隻24機しか戦闘機を積んでいない。雲龍は図体の割りに積めないからな。居住性は良いのだが。上がったのは各空母16機。64機の戦闘機で、100機を阻止か。厳しいね。後続に任せる分が多そうだ。ディッツが機数は有るから、左右を締めてばらけさせないようにするのか。

 

『こちらノジマ。大木中佐。敵高度変わらず。あと少しで視認可能距離』

「大木了解」

「大木だ。各機試射は済ませたな。済んでない奴は急げ」

『『『済んでいます』』』

「間抜けは、いなかったようだな。良い事だ。敵編隊との高度差は500と程良いが、敵戦闘機も高度を上げるだろうから。もう少し上がる」

『『『『了解』』』』

『蒼龍三番島田。敵機前方。上下に別れました』


 見えたのか。俺はまだ見えんぞ。


「飛龍隊、蒼龍隊、天龍隊で上の編隊を迎撃せよ」

『『『了解』』』

『大木隊長。長島大尉です。雲龍隊は』

「おそらくしたのは攻撃機だ。それをやる」

『了解です』


『こちらノジマ。二番梯団は上下に分かれた。他の梯団も分かれた。各戦闘機隊は機数を分けて対応されたい』

『『『了解』』』



「艦隊撃ち方始め」

「艦隊撃ち方始め」



 

 双方ともジェットにはジェットをぶつけると同じやり方をしたが、対艦攻撃方法が高速で爆撃するしかない現状では、お互いにジェット機での対艦戦闘ははかばかしくなかった。

 対艦戦闘なら魚雷を扱えるプロペラ機が、まだ戦果を上げやすかった。損害も多いのだが。

 黒煙を上げてのたうつ艦影が有る。複数だ。


「飛龍、総員退艦命令出ました」

「うむ。救助急げ」

「了解」


 奴等の攻撃は二段構えだった。まさか全機投入してくるとは。奴等の気構えを教えられたような気がする。


「照月、横転」

「霜月、停止します」

「蒼龍、炎上中。鎮火まで時間が掛かると通信来ました」

「ゲルセミ、火災鎮火」

「翔鳳、停止」


 奴等の攻撃機は、まるで流星の如くデカかった。そして同じように重い爆弾を投下していった。雲龍級では耐えられなかったのだろう。翔鳳は艦首・中央・艦尾と3本喰らい、浸水対策に艦を停止せざるを得ないと報告が有った。


「飯野、左舷機2軸停止。出しうる速力10ノット」


 飯野は艦尾に魚雷を喰らった。左舷スクリューシャフトが2軸とも動かなくなった。機械室も浸水していると報告が。


「デュオストス。退艦命令出ました」

「アンドロマケー、傾斜戻せないそうです。出しうる速力15キロ」


「ツバメ8より入電。敵戦艦部隊接近中」


 やる気か。向こうは動けない船を置いてきたのだろう。ならば受けるだけだ。

 損害は日本だけでは無い。酷いやられようだが、相手にも相応の損害を与えた。これからは空母を分離、水上艦による戦いになりそうだ。


「ディッツの第二機動艦隊旗艦に通信」

「ディッツ帝国海軍第二機動艦隊旗艦エーギル繋がりました」


「水上砲戦の指揮を執られたし。陽動艦隊司令長官鈴木一郎大将は水上砲戦指揮権をディッツ帝国海軍第二機動艦隊司令官ヴィトゲンシュタイン中将に委譲する」




次回更新 4月25日 05:00 予定

まだ対艦誘導弾は実用化されていません。開発はしている。

空戦場面は、はしょってしまいました。想像してお楽しみください。

やられた船を避難させなければいけません。海戦に登場しないように。


早速やってしまった。

初月は後退したはずなのにね。照月に訂正しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ