ファイオール公国に関する簡易レポート
ファイオール公国は、多神教と言うよりも宗教に寛容な国家だった。
だった。過去形である。
今は、国内での絶対神信仰と唯一神信仰は認めていない。絶対神ムーブを演じていた神に、この地へ追いやられたのだ。国民感情から言っても許せるものではなかった。現在、絶対神信仰と唯一神信仰は非合法化されている。
人口は日本とほぼ同じ6500万人。元は6000万人を切る程度だったが、多神教を守ろうとする人々が逃げ込んできて、多くなった。言語的には方言みたいなもので、日常生活に不自由はしないらしい。
元の面積は、転移前日本の5割増し程度。国土の3割が山岳で、4000メートル級山脈が北西部に、2000メートル級山脈が南部と東北部に存在する。最高地点は4255メートル。国土は、この地へ転移するに当たって増えている。ただ絶対神ムーブをやっている神の意地が悪いのか、増えた土地は離れた島々だ。
資源は、あまり豊富でないらしい。この点は共感を持てる。
転移後の周辺探査で多数の資源が発見されており、鉱物資源は困っていないらしい。
畜産が盛んで、羊も多い。羊毛は重要な輸出品目だったという。羊毛の在庫が減りつつ有る日本には有り難い。
人種は、ランエール世界に於ける普人族である。寿命は、普人族の普通で平均寿命は70歳程度。健康な人生を送ることが出来れば、80歳を超えることも珍しくないのは転移前日本と同じだ。
魔法を扱える人間が1%くらいはいる。お告げを受け取ることが出来る者もいる。何故か若い女性が多いのは何故だろうか。ほぼ皆無だった日本からすれば羨ましい気がする。
全国に鉄道網が行き渡っているので、物流網はしっかりしている。
食糧自給率は100%を越える。この国も魚よりも肉だ。
一部地域では、川や地下水の水が硬質すぎて飲料水や日用水に向いておらず、近代になって他の地域から水を供給されるまでは、人口希薄地帯だった。その地帯が農業用地として開発されるまでは、飢饉も多かったという。
その水利工事は利根川東遷よりも大規模で、日本では想像も付かない規模である。スエズがパナマかと思えばいいだろう。
政治制度は、代表選挙制による間接民主主義である。議会は上下の二院で、上院が下院の立法を審議する。現日本とほぼ同じである。
元々公国だったまま大きくなったので国のトップは公王であり、一族による世襲制である。現在は、発言力絶大なものの実権は少ない。だが、その発言力は大きく国民も強く影響を受ける。政治的にも無視出来ない。
教育は行き届いており、15歳までが義務教育である。各学校の入学年齢は統一されており、国の補助も豊富なため、地域による教育格差は少ない。進学率が高く、15歳以上の5割が進学している。これも国の補助が豊富なために学費が安く、進学しやすいようだ。
科学技術であるが、現在判明している限りでは、日本やディッツ帝国と多少の差違は有るが同等であろうと想われる。
しかし、日本もディッツ帝国も高学歴者の数では負けており、科学技術が今は同等でも将来的には先を行かれる可能性がある。
そのためにも、日本は高等教育を更に充実させる必要がある。
軍事に関しては、軍報告書参照のこと。
達川さんの下書き程度の物と思ってください。




