猫にマタタビ、物書きに活字
2021年 小説投稿サイトの読者数を増やそうと画策していた頃のお話
小説投稿サイトにエッセイの投稿を始めると、その傾向を探るため、毎日のように他人の作品を読むようになった。
初投稿から3ヶ月、感想ゼロにポイントゼロ、投稿日の読者が10人程度、それが私の評価だった。何とかせねば。
まずはリサーチだ。投稿サイトの「エッセイ」では何が人気で、どんな作品が投稿されているのか。ランキングはもとより新作を片っ端から読んでみる。毎日のように新作が投稿される。負けるか!気付けば私は熱心な読者になっていた。
、、、違う!私は作品が書きたいんだ、私の時間を返せ。
いくら不人気ジャンルといえども1日の新作投稿数はかなりのものだ。危ない危ない、活字好きにこの罠、猫にマタタビのようなものではないか。
読んでみて分かったのは、特定のテーマが多いこと、短編作が多いことだ。私の作品は両方から外れているな。少年誌に少女漫画を応募してしまったかのような場違い感だが、今更どうにもなるまい。
だいたいエッセイジャンルに人気がない。では私が盛り上げてやれば良いのではないか。面白いエッセイの書評を作品にして投稿するのだ。ジャンル自体の底上げだ。第一弾はもちろん私の作品、それが役得というものよ。
面白いエッセイを探すうち、ある作品のタグに「ネット小説大賞九感想」なる文字を見つけたのだった。何だそれは。調べてみると、どうやらサイト内のコンクール応募作品のようだ。そんなものがあるのか。応募規定を見ていた私はある1文に目が引きつけられる。
「感想プレゼント」
応募するだけでスタッフから感想がもらえる(こともある)らしい。欲しいな!初めての感想。この小説投稿サイトは知れば知るほど良くできているな、書き手の心を鷲掴みではないか。たとえ感想がなくても審査員が読むことは確定だ、やらない理由がどこにある。
読者1名様ご案内~。
さらに次なる手を打つ。
連載で投稿済みのエッセイ10編を「短編」として再投稿するのだ。短編の新作は20本がトップページに掲載され、人目につきやすい。そこから本編に誘導するのだ。
投稿してみるとその夜、誰かが評価してくれたようだ。初評価!?そして翌朝、その1編はエッセイの日間ランキングに入っていた。
!?!?
想定外だ、使い捨てのつもりだったのに何が起きた。再投稿した「短編」が次々とランクインしていくのに本編は未だ評価がない。完全に誤った。そして何てことだ!不人気ジャンルであるがゆえに1人が評価をすればランキング入りしてしまうらしい。これは岩盤支持者(ステマ含む)が1人いれば常にランキング入りしてしまうことを意味する。闇か。ダークサイドが手招きをしているようだ。
しかし考えようによっては、私が「私好みの作品」を大量に評価することができたなら、ランキングの1/3くらいは自由に操作できるということか。なにしろランキングの半分以上が1人評価の作品なのだ。おお!テンション上がってきた!めざせ!ランキングメーカー!
その日からの私は、暇を見つけては大量の作品を読み、評価し、感想を書いた。やってやるぜ!気付けば私は熱心な読者に戻っていた。
違う!なぜこうなるのだ!目の前でマタタビをちらつかせるんじゃあない!
しかし困ったことに評価したい作品を見つけるのは難しい。どうやって検索すれば良いのだろうか。50本はまとめて評価したいが、見つけたところで読む時間もないのだった。
一方の短編再投稿は次第に機能し、本編の読者数は増えていった。私が感想を書いた作品の作者が読みに来てくれたこともあった。ありがたい。読んだうえで「面白くない」という判断なら、私の作品に力がなかっただけのことだ。
いやちょっと待て、私の作品を面白いと言ってくれる者が書いた作品なら、それは私にとっても面白い作品なのではないか?センスが似ているのではないか?笑いのツボが同じなのではないか?ちょっと覗いて、、、。
マタタビは尽きない。
投稿延長のお知らせ
本来このお話には少しばかりのエンディング部分があり、その後に4か月の投稿休止期間に入る予定でした。
しかしそんな時、この作品にレビューしてくれる方々が現れました。
ひだまりのねこ さま
しましまにゃんこ さま
↓ レビューはコチラ ↓
https://novelcom.syosetu.com/novelreview/list/ncode/1749070/
神は実在した!
改めて、お2人には感謝を申し上げます。
お2人のレビューにより、たくさんの方々に作品を読んでいただくことができました。それなのに投稿休止?ありえんな。
急遽、お2人の恩に報いるため、新たに読んでいただいた方々への感謝を込め、6本の作品を仕上げました。そのうち1本ずつをレビューしていただいたお2人へ捧げたいと思います。投稿ペースは今まで通り10日に1本、あと2か月間の投稿延長となります。
あ、今からレビューを書いてくれても、もう何も出せませんよ?誘ってなんかいないですよ?ホントですよ?
と、いうわけで次回!6月20日の投稿は、ウンコの話で笑っていただいた「ひだまりのねこ」さまに捧げる「帰ってきたウンコとの4日間戦争」です。
お楽しみに!




