懸賞の罠
2009年 懸賞に応募した時のお話
私には運がない。
おおよそ籤だとか懸賞品だとか、そういう類のものについて「あたり」を引いたことがないのだ。買える商品なら買ったほうが手っ取り早い。しかし世の中には籤でなければ手に入れることができない「限定商品」というものがある。
それはとあるスポーツドリンクの懸賞企画だった。海外アーティストのデザインした立体造形物が当たるのだという。カッコイイ。雑誌広告を見た私は試しに1本、スポーツドリンクを買ってみたのだった。まずは情報収集だ。
分かった事は3つあった。
1つ、スポーツドリンクは500mlサイズのペットボトルで、ボトルについているシールをめくって、当たりが出ればもれなくプレゼントされる。
2つ、商品はこの企画オリジナルの非売品で全部で5種類。何名に当るかは不明。
3つ、締め切りは約2ヶ月後。まだまだ期間はある。
プレゼントがドリンクメーカーのオリジナル製品であることから、出来はともかくそれなりに数は揃えているはずだ。これは当たるかも。
すぐさま1箱、24本を買ってみる。いきなりスポーツドリンクの箱を抱えてきた私を見て、買い物に付き合ってくれた友人はビックリしていたが、こういうものは思い切りが必要だ。もしかすると1箱に1つ、当たりが入っているかもしれないではないか。
家に帰ると早速ドリンクのシールを片っ端からめくってみる。うふふ、幾つ当たりがあるんだろう。ニヤニヤしながらシールをめくるが、どういうわけか当たりが出る気配すらない。ついに当たりが出ないまま箱が空になってしまうと私は呆然とするしかなかったのだった。どうも雲行きが怪しくなってきた。もしかすると当たりの数は少ないのではないか?それとも、、、恐ろしい記憶がよみがえる。
以前、まだインターネットが発達する前、好きなミュージシャンの資料本が発売されると聞いた私は本屋に買いに行ったことがあった。しかしどこをどう探しても本は見当たらない。店員に聞くとタイトルを検索してこう言ったのだった。
「これね、入ってこないよ?注文しても半年後になるかなぁ」
どういうこと!?欲しい本が入らないって!そんなことがあるの?あきらめ切れない私に店員は追い討ちをかける。
「他の本屋に行っても無駄だよ、この地方に入ってこないんだから」
恐るべし地方都市!
つまり、ドリンクの当たり数が少ない場合、最悪私の住んでいる地方には「当たりがない」可能性があるのだ。地方をなめてもらっては困る!
いや、そんな不公平があるか、チクショー!
当たりラベルの印刷は生産ラインが違うはすだ、生産効率を考えれば全部が当たりの「当たり箱」があってもおかしくない。店員が店内で混ぜているのか。考えれば考える程迷宮に迷い込む。もう面倒だ、もう1箱買ってしまえ!それが男というものよ!さらに24本のスポーツドリンクを購入し、シールをめくる。
、、、全てハズレだった。
どうにもマズい事になってきた。ちょっと計算してみようか。
月間1万名に当たりが出るとしよう。ドリンクの販売店・自動販売機が全国に100万箇所あるとして、週に1箱発注すると生産数は月2400万本、当たる確率は1/2400だ。1本140円だから33.6万円で1個当たる計算だ。5個当てようと思えばその5倍、更に全種類当てようとするとその、、、。
当たる気がしねぇ。
勇気ある撤退。
それが私が選んだ選択だった。もう2度と懸賞に手は出すまい。そして私の家には飲む気もないスポーツドリンクが49本も眠ることになるのだった。
いつも読んでいただいている皆様へ
資格試験受験準備のため、次回投稿分をもってしばらく投稿中止いたします。
再開は2021年10月10日(日)の予定です。




