第15話
皆様、お久しぶりです。
すみません!ツイッターや活動報告でご存知の方もいると思いますが、仕事が忙しくて【魔法学園のFPSプレイヤー】の方が間に合いませんでした。
それでは作品をどうぞ!
~~~ 勇者 大輝 side ~~~
「クソッ、このやろうっ!!」
俺は魔人に向かって全力で切りかかるが、黒い物体が現れて甲高い音を立てて阻まれてしまう。
「甘いですね」
「ッ!?」
黒い物体が針を突きだし攻撃を仕掛けようとしたのが分かったので、バックステップを踏みなんとか攻撃を避けるが脇腹を掠める。
「ハァ、ハァ」
あ、危なかった! なんとか回避出来たけど、このままじゃこっちが持たない。
「うわっ!?」
そう思っているとドーゼムがいつの間にか目の前にいて、黒い槍を俺に向けていた。
「油断は禁物ですよ」
マズイッ!! 殺られるっ!!?
「大輝っ!! 【ファイアアロー】ッ!!」
「フッ!」
美海の魔法のお陰で俺は退避が出来たのだが、ドーゼムはあの黒い槍を自分の前で四角く形を変えたのを自分の前に出してファイアアローを防ぐと余裕の表情を見せてくる。
「大輝、大丈夫?」
「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・俺は大丈夫だ。サンキュー、美海!」
美海にそう言うが本当は余裕なんてこれっぽっちもない。
「大輝。回復魔法掛けてあげる」
「伊織、すまない」
彼女は俺の脇腹に手を当てると、【ホーリー】と言い手に淡い光を纏わせると、脇腹に受けた傷が消えていく。
「・・・・・・なるほど、これが勇者の実力ですか。聞いてくれいた通りですね」
「どう言う意味だ?」
「良いことを教えて差し上げましょう。この前撃退した私の仲間であるソルドなんですが・・・・・アナタ方は覚えてますか?」
「・・・・・・ああ、覚えている。皇帝陛下を殺そうとしたアイツの事だろ」
コイツはいきなりなにを言ってるんだ? と思いながら答える。
「私達が最初に戦った魔人。それがどうしたの?」
「そう、それなら話は早いですね。彼の強さは我々の中で、どのくらいの強さだったかご存知ですか?」
「強さ?」
あの時にソルドと戦っていて苦戦をしたのを覚えている。その事を踏まえて考えると・・・・・・。
「まん中ぐらいの強さじゃないのか?」
「フッフッフッフッ! なるほど・・・・・・アナタ方は勘違いなされてたんですね」
勘違いをしている? 大輝達がそう思っている中で彼は話しを続ける。
「私達の中で彼の実力は・・・・・・一番下だったのですよ」
「一番・・・・・・下?」
ドーゼムの言う事がウソではなかったら、俺達は下っ端を撃退して喜んでいたと言う事なるのか・・・・・・。
「彼をどなたが倒したのかは存じませんが殺されてしまいました。まぁ彼は私達の中で邪魔者だったので居なくなったところで、どうと言うことはないんですけどね・・・・・・そして」
彼がそう言った後に両手を広げると地面から3っの黒い物体が複数伸び始めて形を作り始める。
「私の力の一端を、どうぞ存分にご覧下さい」
「そ、そんな・・・・・・ウソでしょ?」
美海がこう言うのも無理はない。そう、俺達の目の前に同じ格好をした黒い物体が立っているのだから。
そんな中で伊織はドーゼムに向かって言葉を投げかける。
「もしかして・・・・・・影?」
影? これが影なんてあり得ないだろ! 影が武器や防具、ましてや影に触れられるなんておかしい事が出来るわけがないっ!!
「ご名答です。私は自分の影を使い自由に操る力を彼の方から頂きました。影を実体化が出来、武器や防具、そして人にも形を変える事が出来ますよ・・・・・・さて、お話が長くなりましたが始めましょうか」
ドーゼムのその言葉と共に俺達の形のした影が武器を構えて襲いかかってくる。
「このやろう!」
そう言いながら影に斬りかかるが影の剣に阻まれてしまった。そして力の押し合いになるが、だんだん自分の方に刃が近づいて来てしまう。
コ、コイツ!? ・・・・・・力が、強すぎる!
「大輝! ガァッ!?」
「美海っ!!」
美海に目を向けて見てみると腹を押さえて踞っているところに美海に似た影が止めを刺そうと槍を構えていた。助けに行こうとしてもこの状態じゃ助けられない。
「【ホーリーアロー】!」
そんな中で無数の光の矢が影に向かい飛んで行くが避けられてしまうが、伊織がその隙を突き美海の側に行く。
「伊織、大丈夫。蹴られただけだから」
「で、でも!」
自分の武器である槍を杖代わりにして立ち上がるその姿を、伊織は心配したようすで見つめていると美海は眉を吊り上げる。
「いいから敵を見なさいっ! アイツらが来るわよっ!!」
「ッ!? 【セイクリッド・シールド】行ってっ!!」
彼女は魔法を詠唱して目の前に障壁を出して向かってくる敵にぶつけてなんとか防ぐ。
「聖属性の障壁ですか。しかし薄いですね」
ドーゼムがそう言うと美海と伊織の形をした影はそれぞれの武器を振りかぶり、そして勢いよく叩きつけると凄まじい音を立てるのと同時にヒビが入り始め、そして。
バリンッ!!
「えっ!?」
自分の作った障壁をたった一撃で壊されてしまった伊織は、 信じられない。 と言いたそうな顔をしていた。
「ウ、ウソでしょ? 伊織が作った障壁が壊されるなんてぇ・・・・・・」
あり得ない。あの障壁はアイアンゴーレムの拳を止められるほどの強度なのに、こんな簡単に壊されるだなんて・・・・・・。
「どうですか? これが私の力の一部です」
このままじゃ勝てない! 敵が強すぎるっ!!
俺は何とか影の持つ剣を振り払って美海達の側まで走る。
「二人共、ここから逃げるぞ! ついて来いっ!!」
土属性で作ったあの壁さえ壊せば、ここから脱出が出来る!?
「分かったわっ!!」
「ん!」
返事をする二人と共に土属性で出来た壁を目指して走ろうと振り向くが、階段の前には俺達の形をした影達が立ちはだかっていた。
「そう簡単には逃がしませんよ」
クソッ!? 力だけじゃなくスピードも早かったのか!!
「み、みんな・・・・・・後ろ」
「「は?」」
美海がそう言うので後ろを振り向くと、三人影が武器を構えて立っていた。
「なっ!? なんだよ、一体これはどう言う事なんだよっっっ!!?」
自分達の形をした影が前と後ろ合わせて六体いるなんて、どういう事なんだっっっ!!?
「フッフッフッ・・・・・・」
「なにがおかしいっ!!」
「簡単な事ですよ。アナタ達が逃げると思ったので、あえて一番近い土壁に作って床に隠していたのですよ」
クソッ!? 読まれていたのかよ。
「さて、私の実力を充分堪能したでしょう。それでは・・・・・・」
その瞬間、ゾッとするような笑みを浮かべながら俺達を見てくる。
「アナタ方にはここで死んでもらいましょうか。その後ゆっくりソルドを倒した者を探せますからね」
完全に囲まれたっ!! どうする? 本当にマズイ状況だぞ・・・・・・どうにかして二人だけでも助けないといけないが・・・・・・どうすれば良い?
俺を不安な顔で見てくる美海と伊織の二人。そしてゆっくりと近づいて来る影を交互に見て打開策を考えるが、なにも良い方法が思い付かない。
「終わりです。大人しく私の糧になりなさい」
影達が武器を構えて俺達にとどめを刺そうとゆっくり向かってくる。
どうしてこうなった? もしもここに来る前に魔法用紙買って迷宮に入っていれば二人だけでも逃がせたんじゃないのか?
俺がもっと強くなっていれば対処出来たんじゃないのか? いや、ここに入らずに草原とかで鍛えていれば良かったんじゃないのか?
頭の中を様々な思考が飛び回る中で最後に行き着いた答えは簡単な一言だった。
もうダメだ。
その答えと共に彼の身体から力が抜けて地面に膝を着き、剣すら手放してしまう。
「俺達は・・・・・・ここで・・・・・・・・・・・・ここで死んでしまうんだ」
「な、なに馬鹿な事を言ってるのよっ!!!? 大輝、早く立ちなさいよっ!!!!」
「大輝、諦めないで立ってっ!!」
二人は身体を揺さぶって起きるように言うが本人は全く反応がない。そんな姿をドーゼムは寒気のするような歪んだ笑みで見つめる。
「彼のように潔く死のうとした方が良いのでは?」
「誰がアンタの為に殺されるもんですかっ!!」
「・・・・・・そうですか。そう仰るのでしたら。どこまで堪えられるか見せて頂きましょうか」
「【セイクリッド・シールド】!」
伊織は周囲を障壁で囲うと、襲ってくる影の武器とぶつかり甲高い音を立てる。
「ウグッ!? ・・・・・・ァァァアアアアアアッッッ!!!?」
ヒビが入り壊れそうな障壁に力一杯魔力を注ぎ込み、なんとか防ぎきろうとするがかなり辛そうにしているのが分かる。
「伊織、負けないでっ!!」
「ウリャァァァアアアアアアッッッ!!!?」
そのかけ声と共に自分達を守っている障壁をそのままふき飛ばして、影とドーゼムにぶつけて周囲から遠ざける。
「ナイス伊織! この隙に逃げるわよっ!!」
美海はそう言いながら伊織を見ると肩を上下させながら息をしているので、美海はもう魔法が使えない状態だと察した。
「ハァ、ハァ・・・・・・美海・・・・・・だけでも、ハァ、ハァ・・・・・・逃げて・・・・・・」
「なに言ってるのよ伊織! 早く立って走ってっ!!」
「もう、ハァ・・・・・・ハァ、身体が、ハァ、ハァ・・・・・・動か、ない」
「ウソ・・・・・・」
大輝と伊織の二人を担いで逃げるほど美海には力がない。まして二人を担いで走る事が出来たとしても追い付かれてしまうのが目に見えているのだ。
どうしよう? 私は一体どうしたら二人を救えるの? それともここで見捨てる? そんな事私には出来ない。
「全く、こんな力を残していたとは思いませんでしたよ」
「ッ!?」
美海は声のする方向に顔を向けるとドーゼムが立ち上がろうとしていた。
「しかし戦える状態でいるのはアナタしかいませんね」
確かに敵の言う通りだ。大輝は絶望して使い物にならなくなってしまった上に伊織が魔力切れを起こして動けなくなっている。
その伊織自身のアイテムボックスに魔力ポーションが入っているが伊織が魔力ポーションを飲んでいる間に殺られてしまうのが落ち・・・・・・もうどうする事も出来ない。
「行きなさい」
ドーゼムのその言葉と共に手を差し伸べると、先ほど吹き飛ばした影達が自分達に向かって来た。
私、なにも出来ずにここで死ぬの?
絶望を感じながらそう思った瞬間だった。突然凄まじい爆発音と共に煙が部屋の中充満するので、煙を吸わないように袖を口に当てる。
「ケホッ!? ケホッ!?」
「ゴホッ!? ゴホッ!?」
大輝と伊織は煙を吸ってしまったのか、むせている。
「え、なに? 一体なにが起きたの!?」
まさか、ドーゼムがやったの? そう思いながら見てみると。
「エホッ!? ウェホッ!? アナタ方は一体なにをしたんですかっ!!」
ドーゼムもまた大輝や伊織と同じようにむせているのだ。
アイツじゃないの? じゃあ一体誰がやったの?
パシンッ!? パシンッ!?
「・・・・・・え?」
「なっ!?」
そう思っていると自分達とドーゼムの間いる影が右に揺れるのと同時に頭の右側が中から爆発をしたかのように穴が開き、倒れる。それを皮切りに先ほど同じ音を立てる度に影が倒されて行く。
「な、なにが起こってるの?」
「私の・・・・・・私の影がこんなに容易く倒されてしまうなんてぇ・・・・・・」
自分が作り上げた人形の影がすべて倒される光景を、ただただ信じられないと言う顔をしながらドーゼムは見つめていた。
「なるほど、あの黒い塊は影でアナタがそれを操る張本人で勇者達の敵ってわけかな? まぁなんで影があんな風に倒れたのかは察しがつくけど」
「誰だっ!?」
「勇者を助けに来た人ですが、なにか?」
ドーゼムはそう言いながら顔を私達の後ろに向けているので、自分達も同じ方向に顔を向けると一人の白い髪が目立つ少女が立っていた。
いかがでしたか?
仕事が忙しくて余り筆頭に集中する時間がありませんでした。
魔法学園のFPSプレイヤーの方も書き続けているので、安心してください。
そして、LCTからG3のエアガンが発売するみたいですね!発売されたら持って見てみたいですね!!
それでは次回お会いしましょう。さようなら!




