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霊能者のお仕事  作者: 津嶋朋靖
呪殺師は可愛い男の子が好き

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警備状況

 しかし、権堂氏が地上げ屋だったという事は、相当の恨みを買っているはずだよな。


 そっちの方から、ヒョーを雇った奴が分かるのでは?


 その事を芙蓉さんに聞いてみると……


「優樹君。一昨日も言ったけど、特定できなかったのよ」

「なぜです? 地上げをやっていたなら……」


 待てよ。こういう人は、他人の痛みが理解できないから、自分が恨まれているなんて考えていないのかも……


「権堂さん。ヒョーを雇った人間に、心当たりはないのですか?」

「ないのじゃよ。坊や」


 坊やって言うな!


「本当に、恨まれる覚えはないのですか?」

「恨まれる覚えならある」

「あるのですか?」

「ただ、覚えがあまりにもあり過ぎてな。どれのことだか……」


 はいはい、あり過ぎの方でしたか……


「これまでも、呪いをかけられた事は何度もあったが、この屋敷は結界が張ってあったので、ちっとやそっとの呪いは跳ね返せるのじゃ。しかし、今回は悪名高い呪殺師ヒョー。今までの結界では心もとないので、協会に護衛を頼んだしだいじゃ」

「権堂さん」


 芙蓉さんが、権堂氏の前に進み出た。


「実は、その事で相談があるのです」

「なんじゃ?」

「今回、この屋敷の周囲に強力な結界を張りました。呪殺師ヒョーの式神でも、この結界は突破できないでしょう」

「それは頼もしいな」

「しかし、以前に呪殺師ヒョーは、協会の張った結界内にいる人を呪殺した事があります」


 え? そんな事があったんだ。


「なに? それでは、結界を突破できないというのは嘘か?」


 芙蓉さんは、首を横にふった。


「いいえ。その時も結界は破られていません。ヒョー本人が結界の内側に入って式神を使ったのです」

「なんじゃと?」

「つまり、結界は式神の進入は防げますが、生きている人間には効果がないのです」

「それでは、役に立たないではないか」

「ですから、先日電話でお伝えしましたよね。屋敷の警備を厳重にしてほしいと。なのに……」


 芙蓉さんは窓の外を見た。


「警備の方が見あたりませんが、どういう事です? 正門と玄関に二人ずついるのは確認しましたが、他の警備員は?」

「正門と裏門、玄関に二人ずつ配備している。全部で六人だけじゃ」

「それでは、全然足りません。塀を乗り越えられたら」

「塀は高圧電流を流していたのだが……」

「そうでしたか。それなら……」

「一時間ほど前に、突然ブレーカーが落ちた。それから直っておらん。業者を呼んでいるのだが、明日にならないと来られないと」


 それじゃあ、間に合わないよ。


「それでは、背に腹は変えられません。取引のあるヤクザに頼んでみては」

「それは、最初にやった。本来なら、あいつらに警備を任せるはずだったのだ」


 ではなぜ、ヤクザがいないのだろう?


 そんなのが、いたらいたで怖いけど……


「日頃から取引のあるヤクザに護衛を頼んだのだが、呪殺師ヒョーの名前を出したら断られてしまった」


 あちゃあ。ヤクザも逃げ出すとは……


 恐るべし、呪殺師ヒョー。


「それでは、庭に番犬を放つようにお願いしましたが、そっちの方は?」


 権堂氏は首を横にふった。


「ワシは犬が苦手なんだ。子供の頃、噛まれたのでな」


 だめだ、こりゃ。


「では、監視カメラの類は?」

「それは大丈夫じゃ」

「赤外線センサーや、レーザートラップの類は?」

「それも抜かりない」


 六人の使用人がノートパソコンを一台ずつ運んできた。折りたたみ机の上に、計六台のパソコンを設置する。


「警備の状況は、このパソコンで確認する事ができる。敷地内に侵入者があれば、すぐに分かるはずじゃ」

「そうですか。では、侵入者が現れたら、私が式神を放ちます。それと、警備員を一カ所に集めて下さい」

「どうするのじゃ?」

「私が式神を放ったら、ヒョーも式神を放ちます。式神同士が戦っている間に、警備員はヒョー本人を取り押さえて下さい」

「うむ。分かった」


 権堂氏はインターホンを取り、警備員に集合するように呼びかけた。


 続いて、芙蓉さんは僕たちの方をふり向く。


「あなたたちは、権堂さんの直援をして。私の隙をくぐってくる式神がいたら、三人掛かりで防ぐのよ」

「「「はい」」」


 返事をしてから、僕は右手をブレザーの内側に入れてエアガンの感触を確かめた。


 これがなかったら、僕は戦力にもならなかった。


 明日、無事に学校に行けたら、先生にお礼をしないと……

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