表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
霊能者のお仕事  作者: 津嶋朋靖
事故物件3

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

266/289

視聴者さんからの相談

 レニーズは、学校から徒歩十分のところにあるファミレス。


 バイクならすぐに着くのだけど、今日はバイクを家に置いてきたので徒歩で向かっていた。


 基本僕はバスで通学している。バイクを使うのは霊能者協会の仕事がある時だけで、今日みたいに緊急の霊的相談があるときは、近くのファミレスなどで依頼者と会うことになっていた。


 通常は徒歩三分のところにあるファストを使うのだが、魔入さんと鉢合わせする危険があるので、今回はレニーズにしてもらったわけだ。

 背後から、バイクのエンジン音が聞こえて来たのは学校を出てすぐの事。

 真っ赤な大型バイクが僕の傍らで停止する。


 いつもの赤い繋ぎのライダースーツではなく、学校の制服姿のままバイクにまたがった樒が僕の方を振り向く。


「優樹。あんた、レニーズに行くの?」

「そうだけど、樒も?」


 そう言えば、今回の仕事の詳細を聞いていなかったけど、樒も呼ばれているとは思わなかった。


 そりゃあ、最近は樒と行動する事が多いけど、霊的相談ぐらいならたいてい僕一人でやっていたし……


「そうよ。しかし、なんで今回レニーズなのかしら? ファストならすぐなのに」

「ああ……それは……」

「まあいいわ。後に乗って」

「え? いや、いいよ。歩いていくから」

「よくないわよ。あんたがチンタラ歩いている間、私は店で待ちぼうけを食らうのよ。私の時間を節約するためにも乗りなさい」

「え……いや……でも、二人乗りなんて……恥ずかしいし……」

「今さら恥ずかしがる事ないでしょ。さあ乗って」


 樒に手を引かれ強引に乗せられた。


 おかげで、店まで一分もかからなかったけど……


 駐輪場で降りてから、店へ向かう途中で樒が口を開いた。


「それにしても、優樹が来る気になってくれて良かったわ」


 え? どういう事?


「今回は、仕事を断ると思っていたわよ」

「なんで?」

「だって、事故物件の仕事の後で優樹言っていたじゃない。『もうヤダ! 魔入さんの仕事なんて受けない!』って。だから、魔入さんの依頼は断るだろうと」

「へ……?」


 いや、魔入さんの依頼なら断ったが……


「樒……実は……」

「ん?」


 店の扉を開きながら、樒は振り向く。


「今回の仕事、僕は内容を確認しないで受けちゃったんだけど……」

「え? なんで?」

「いや……昼休みの終わり頃だったので時間がなくて……」

「だめでしょ。内容も確認しないで仕事受けちゃ」

「いや……同じ時に魔入さんから直メールで依頼があって……」


 僕から経緯を聞いてから、樒はため息をつく。


「優樹。やられたわね」

「え? なにが?」

「いくら魔入さんだって、協会を通さないで仕事の依頼はしないわよ」


 そう言って樒は店内を指差した。


 樒の指差す先で、手を振っている女性は魔入さん。


 なんでここに!?


「芙蓉さんから仕事は、元々魔入さんがらみだったのよ」


 なぬ?


「その事を確認してしまったら、優樹が仕事を断るとでも思ったんじゃないかな」


 当然!


「だから魔入さんは、優樹に直メールを送って、残り少ない昼休みに芙蓉さんから振られた仕事内容を確認するための時間的な余裕を削ったのね」


 そこまでするか!


「まあ、今回はテレビ出演の話じゃないから、女装させられる事はないわよ」

「本当に?」

「なんでも今回は番組を見た視聴者さんから、霊的相談を持ちかけられて引き受けたそうよ」


 視聴者さん?


 魔入さんの横には、五十代くらいのおじさんが座っていた。


 あの人だろうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ