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霊能者のお仕事  作者: 津嶋朋靖
嫌悪の魔神

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247/289

小娘と言って

 樒の九字切りが利かないとなると、この霊はかなりやっかいだな。


 要注意事故物件にいるだけの事はある。


 僕は懐の退魔銃に手を伸ばした。


 いや、無駄だ。


 退魔銃は、肉体に取り憑いている霊には効果がない。


 どうすれば……?


 寒太……悪霊は、不敵な笑みを浮かべ、樒に向かって言った。


「そこの小娘、今俺に何かやったか?」

「え? 小娘って? 私のこと?」


 樒は意外そうな顔で聞き返す。


「他に誰がいる。俺に九字を切ったのは、おまえだろう。他の二人の小娘ではなく」


 え? 他の二人の小娘?


「ちょっと待てい! 他の二人の小娘って? 僕も含めて言っているのか?」

「そうだが……何か問題でも?」

「僕は男だ!」

「何? なんだ、おまえ稚児だったのか」


 いや稚児でもないし、男子高校生だし……


「まあ、それはいいとして」


 よくない。


「小娘。この俺に九字を切って、ただで済むと思うなよ」

「こ……小娘ですって? 私が……」

「ふふふ。恐れおののくがよい」

「お願い。悪霊さん」

「お願いだと? ふん! 今更、命乞いなど聞けぬな」

「もう一回『小娘』って言って」

「は?」


 予想外の事態に、悪霊も困惑の表情を浮かべる。


「ええっと……おまえの言う『お願い』とは、俺を攻撃した事を許してほしいとか、勘弁して欲しいとかじゃないのか?」


 いや『許して』も『勘弁して』も同じ意味では?


 樒は首を横にふって答える。


「ううん。勘弁しなくてもいいから、もういっぺん『小娘』と言って」


 悪霊は、ますます困惑する。


「樒……悪霊はおまえの事を「小娘」って、馬鹿にしているのだけど……」

「だってさあ、私いつも『大女』って言われているけど『小娘』なんて言われた事ないし……」


 ううむ……樒ってそうとう高身長がコンプレックスだっだんだな……僕はうらやましいのに……


「嬉しいの? 小娘と言われて」

「うん。嬉しい」

「いや……しかし……悪霊は悪意を持って『小娘』と言っているのであって……」

「優樹だって、タンハーから悪意を持って『背が高いからって威張るな』と言われて、喜んでいたじゃない」


 う! そういえば、そんな事もあったような。


「おい! 何を内輪でごちゃごちゃやっておる!」


 いけない。悪霊を忘れていた。


「いや、忘れてなんかいないよ」

「黙れ! 稚児!」


 だから稚児じゃないって……


「俺に攻撃をしただけでなく、俺を無視しおって。もう許さん。楽に死ねると思うなよ」


 悪霊から放出される邪気が一気に強くなる。


 邪気は空中で凝縮して、いくつもの髑髏が合体したような不気味な姿となっていく。


 これが奴の本当の姿か?

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