脅迫
「あなた達、さっきから何をやっているの?」
声の方を見ると、柿見巡査が怪訝な視線を僕達に向けていた。
「ああ、すみません。今、霊と話をしていまして……」
「ああ……そうだったの」
「ところで婦警さん。交番が襲撃されるなんて事件があったのですか?」
「え? なんでそれを? その事は、まだ報道されていないはずだけど……」
事実のようだ。
「いや、さっきここに白バイ隊員の霊がいて、そんな事を言っていたのですけど……」
それを聞いた途端に、柿見巡査の顔がひきつる。
「白バイ隊員の霊ですって!? そんな! 白石君……まさか……」
ヤバい! 勘違いしている!
「ああ、安心して下さい。婦警さん。白石さんなら、生きています」
「え?」
「ここに現れた白バイ隊員は、白石さんの生き霊で、身体に戻る前に自分の無事を婦警さんに伝えたかったそうです」
「そうなの?」
「ええ。だけど、婦警さんには霊感が無いので声が伝えられなくて……そこへたまたまやって来た僕達に、伝言を頼まれたのです」
たぶん『後を頼む』というのは、伝言の事だったのだろうな。
「良かった」
ああ、婦警さん、涙を流しているよ。
こりゃあ白石さんの恋は脈有りだな。
「優樹、ちょっとまずいよ」
ん?
樒の方を見ると、爺さんの……地縛霊の胸ぐらを掴んでいるところだった。
何をやっているんだ!?
「おい……樒。無害な地縛霊に、乱暴な事は……」
「こうでもしないと、聞き出せないでしょ。それより優樹。この当たりの地縛霊は、脅迫されていたらしいわよ」
脅迫?




