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霊能者のお仕事  作者: 津嶋朋靖
嫌悪の魔神

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219/289

寒太君を生き返らせないで

「あら? またあなた達……」


 白石が消えた後、呆然としている僕らに声をかけてきた婦警は、柿見巡査だった。


 まあ、場所が交番のすぐ近くなのだから、声をかけられて当然だね。


 しかし、交番内から見えない位置でやっていたのに、なんで気がついたのだろう?


「交番の裏で、怪しげな行動をしている人がいるという通報があったのだけど……」


 通報!? 僕達のやっている事って、そんなに怪しかったのかな?


 いや、確かに一般人から見たら怪しいよね。


 でも、今まで通報まではされなかったけどな。


「通報と言っても、電話じゃなく、直接交番にやってきて『交番の裏に怪しい人達がいるよ』と言った小学生の女の子がいたのよ」

「小学生の女の子? それって、まさかタンハー!?」


 奴なら、僕らの妨害をするために虚偽通報ぐらいやりかねない。


 だが、柿見巡査は苦笑を浮かべる。


「違うって。あの子だったら、私も分かるわよ」

「そうですね。ところで、タンハーはあれからどうなりました?」


 すると柿見巡査は、疲れたような顔をして樒を指さす。


「彼女の言った通り、二時間後には忽然と消えてしまったわ」


 だろうね。


「その間、タンハーという名前以外、何も聞き出せなかったわ」


 それを聞いて樒が口を挟む。


「だから言ったじゃない。拷問して聞き出せって」

「できるわけないでしょ。あなた達の言う通り、あの子の正体が魔神だとしても、人としての戸籍がある子供にそんな事したら私は懲戒免職よ」


 戸籍が無くても、子供を殴れる樒がコワいよ。


 こいつ将来子供ができたら、児童虐待でもやりそうだな。


「それで、あなた達、ここで何をしていたの?」

「交番の裏にいる地縛霊から、事情を聞きたくて」

「地縛霊!?」


 その時、交番から、一人の小学生高学年くらいの少女が駆け出してきた。


 少女は一瞬立ち止まって僕達の方を振り向く。


「お願い」


 どうしたのだろう? 少女は、悲しげな顔をしていた。


「寒太君を生き返らせないで」

 

 え?

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